「ミラーニューロンの発見」 | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)/早川書房

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★★★☆☆



なんらかの打撃が襲ってきて、いままさに誰か別の人の脚や腕に振り下ろされんとするを見ているとき、私たちは自動的に脚や腕を縮めて引っ込める。そしてついに打撃が与えられたとき、私たち自身もどことなくその打撃を感じ、被害者と同じように苦痛を覚える。―――アダム・スミス(1759)


ミラーニューロンは20年ほど前に発見された脳神経細胞ですが、アダム・スミスは200年以上も前に(ミラーニューロンを持つ)ヒトの共感能力に着目していました。




ミラーニューロンとは、他者の行動を見たときにも自分が行動しているかのような反応を示す脳神経細胞です。

単に他者の「行動」を理解するだけでなく、その行動の「意図」までも識別しており、他者の「感情」の理解をも助けています。ヒトの共感能力に非常に重要な役割を果たしているのです。

嬉しそうにしている人を見ると自分も嬉しくなるし、泣いている人を見ると自分も悲しくなります。好意を持つ人の行動を模倣したり、自分を模倣する人に好意を持ったりします。大人が赤ちゃんの真似をすると、赤ちゃんはすごく喜びます。小さい子供は、大人や兄弟や友達の真似をとてもよくします。




私たち人間はできるだけ円滑にその場の社会環境に溶け込む必要があり、そのためにミラーニューロンはなくてはならないものなのだ。私たちはみなその点で運命共同体であり、その運命を最大限に生きやすくしてくれるのがミラーニューロンである。