「閉じこもるインターネット」 | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義/イーライ・パリサー

¥2,100
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★★★★☆



グーグル、フェイスブック、その他様々なサイトでパーソナライゼーションが進んでいます。この現象を本書では“フィルターバブル”と称し、警鐘を鳴らしています。

フィルターバブルの結果、新しい洞察や学びに遭遇するチャンスが減って新しい発想が制限される弊害があります。また、例えば、アメリカ政府がグーグルやフェイスブックと組んで、検索結果やフィードに出す情報をコントロールすることによって、世界の世論を都合の良い方向に動かすことも可能になるかもしれません。


実際やりかねないです。怖いですね。





以下、備忘



新しいインターネットの中核をなす基本コードはとてもシンプルだ。フィルターをインターネットにしかけ、あなたが好んでいるらしいものを観察し、それをもとに推測する。これがいわゆる予測エンジンで、あなたがどういう人でなにをしようとしているのか、また、次になにを望んでいるのかを常に推測し、推測のまちがいを修正して制度を高めてゆく。このようなエンジンに囲まれると、我々はひとりずつ、自分だけの情報宇宙に包まれることになる。わたしはこれをフィリターバブルと呼ぶが、その登場により、我々がアイディアや情報と遭遇する形は根底から変化した。


見慣れたものでつくられた世界は、当然の帰結として学ぶものがない世界となる。パーソナライゼーションを進めすぎれば、思い込みを吹き飛ばしてくれる体験や発想にであえなくなる ―― 世界や自分自身に対する見方さえ変えてしまう体験や発想にであえなくなる。


フィルターバブルに包まれて暮らすと、異なるものとの接触から生まれる精神の柔軟性やオープン性が損なわれるおそれがある。
パーソナライズドウェブが持つ最大の問題点は、そもそも発見モードで過ごす時間が減ってしまうことだろう。


インターネットは真にグローバルな場所となりつつある。インターネットで過ごす時間は、今後、ますます増えるだろう。しかし最終的には、仕事や遊び、コミュニケーションの仕方、あるいは世界を理解する方法など、世界何十億もの人々の行動をごく少数の米国企業が左右するようになってしまう恐れがある。誰とでもつながれる世界、ユーザーがコントロールできる世界というインターネットのビジョンを守る ―― それこそ、いま、我々がなすべきことだと思う。





将来的には補助ディスプレイを付けて歩くようになる。そして夜バーに行くと、客の顔をカメラが自動スキャンし、出会い系サイトのDBと照合し、身につけた衣類・アクセサリーからマッチ率を計算してくれる。