理数系科目の高速大量回転法についての議論は、

「大学レベルの難解な理数系科目の専門書は書かないで理解できるか?」

という点に収束しているように感じています。(違ったらご指摘ください)

 これまでの記事はこちら

   → 理数系科目への高速大量回転法の適用について 
     (コメントもかなりついているのでそちらもご参照ください)

   → 「わんこら式は挫折しない方法」

記事にはとても参考になるコメントを寄せてもらっています、かなり多いので、
ここではひとつだけ読者の方からのコメントと、それに対する私からコメントを掲載しておきます。


(読者の方からのコメント開始 一部、宇都出が編集)

理数系“専門書”で書かずに読めるのか?

皆様コメントありがとうございます。

理数系科目において実際に書かなくても、何度も読み、イメージ上で書いていればできるようになるということですが、

率直な感想として、それは高校数学程度の複雑さでかつ高校生向けに非常に丁寧に解説及び数式展開されているものを想定しているからなのではないかと思いました。

私は理数系科目と言っても、大学課程以上の複雑な数式の展開がでてきて、読者に計算させることを前提としている専門書を想定しております。

そのような理数系専門書では「簡単な計算により以下のようになる。」と書いておきながら、計算してみると平気でノート1ページ以上かかることや、数式の=でつながれた部分が論理に飛躍があって読んでいるだけではとてもよく分からない、なんてことはざらです。

これらの書かれていない行間は、ただ読んでいるだけ、頭でイメージしているだけではとても分かりませんし、分かったつもりにさえなれません。

高校時代を振り返ってみると、非常に丁寧に書かれてあるので、確かに読んでいるだけでも内容がほとんど分かりましたが、大学に入ってから書かないと分からないという経験は多いです。(この専門書の不親切さがわんこら式の誕生した大きな要因かと思います。)

そのような行間は初め飛ばして読んでいき、実際に本に書かれてある数式のみを読んでいくにしても、複雑な数式の場合、適宜書いた方が明らかに早く分かり、定着すると思います。

わんこら式の提唱者の方も複雑な数式は書いた方が、分かりやすく、定着しやすくなる場合があるとおっしゃっていますし、私の周りの優秀な人も専門書は書いて読むのが基本です。)

もちろん何度も読みこむことによってある程度理解は進みますが、書くという作業を適宜入れることは、理数系専門書において有効ないしは必須なのではないでしょうか?
(読者の方からのコメント以上)

上のコメントに対する私からのコメントです。

コメントありがとうございます。

>私は理数系科目と言っても、大学課程以上の複雑な数式の展開がでてきて、読者に計算させることを前提としている専門書を想定しております。


なるほど。そのレベルの複雑な数式は、「読む」といっても読みようがないような気もします。

複雑な漢字の書き順を読むことが難しいように、書くことが必要なのでしょうね。

高校でも数学苦手で、大学以降はまったく数学に触れなかった私には知らない世界です。

ただ、自分がもしそのような専門書に取り組むとしたら、まずは書くというより、やはり読むことからはじめると思います。

おそらく、最初から書く気はしないですし、無理に書こうとしても挫折してしまうでしょうから。

ざっくり、ざっくり読みながら、だんだんとなじみ、そして書いていくことに移っていくと思います。


>これらの書かれていない行間は、ただ読んでいるだけ、頭でイメージしているだけではとても分かりませんし、分かったつもりにさえなれません。


そうだと思います。

で、それも大事だと思うんです。

 「自分がわからない」ということがわかる、「わからないところ」がどこかがわかる、というのが第一歩なので。


>大学に入ってから書かないと分からないという経験は多いです。


 話をややこしくするようで恐縮ではあるのですが、書いて「わかったつもり」になるという弊害もあると思います。

 私が高速大量回転で「わかろうとしない」で読むことを勧めているのは、がんばってわかろうと、うんうん考えてゆっくり読むと「わかったつもり」になりやすいからです。

 複雑な数式の場合、書くことも必要だと思いますが、おそらく(自分に経験がないのであくまで推測ですが)、「わかろう」と思って書くより、「わからなくても」「わからないから」書くことが大事なように思います。


>そのような行間は初め飛ばして読んでいき、実際に本に書かれてある数式のみを読んでいくにしても、複雑な数式の場合、適宜書いた方が明らかに早く分かり、定着すると思います。


 これはほんとそのとおりだと思います。

>もちろん何度も読みこむことによってある程度理解は進みますが、書くという作業を適宜入れることは、理数系専門書において有効ないしは必須なのではないでしょうか?

 有効なのは間違いないですね。

 と同時に、何回、何十回と書くことが必要だと思います。 その場合、「書く」のはエネルギーと時間を食うので、やはり、実際に「書く」のはだんだん少なくするのが現実的だとは思います。

(私からのコメントは以上)

ご意見、ご感想、ご質問はお気軽にコメントやメッセージでお寄せください。

宇都出

合格(ウカ)る技術/宇都出雅巳
¥1,575
Amazon.co.jp