就農者を増やすのはお金で解決できるのか?! | NPO法人農家のこせがれネットワーク

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農業をおもしろくする世代。

こんにちわ。
土曜日担当の脇坂です。

厳しい寒さが日本中を覆っていますね。
六本木でも雪がふり、翌日は道路がつるつるしていて歩くのが大変でした

さて、今週
関東農政局にて行われました、
「 我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画 」
に関する関東農政局管内ブロック会議を聴講してきました。

H24年度における農水省の事業について省側から説明が行われ、
管内の各県が意見をのべるというスタイルでした。

私の個人的な見解の詳しいのは個人のfacebookにて書いていこうと思いますが、
農家のこせがれネットワークとして一番気になった部分について
書いてみようと思います。

各地域の人と農地の問題の解決に向けた施策
部分にある
・新規就農総合支援事業(136億円)
のところですね。

新規就農者を
年間2万人増加
※現在年間1.3万人程度(全世代含め)
させる為の施策で、

青年就農給付金
・準備型
・経営開始型
というのがあります。

簡単に述べると、就農直後は経営として厳しいから
年間150万円を支払います。
というものです。

全体として就農者を増やしたり支援するというやりたいこと
に関しては理解が出来ます。
が、その為の施策に関してはです。

この給付金ですが
厳密な給付要件は下記のとおりです。


◆準備型(研修期間中)
[年間150万円を最長2年間]


(1)就農予定時の年齢が原則45歳未満であること
(2)独立・自営農業またが雇用就農を目指すこと
(3)研修計画が以下の基準に適合していること
 ※都道府県が認める研修期間・先進農家などで概ね1年以上
  (1年につき概ね1200時間以上)研修する
(4)常勤の雇用契約を締結していないこと
(5)生活保護、求職者支援制度など、生活費を支給する国の他の事業と重複受給で無いこと

<返還要件>
(1)適切な研修を行っていない場合
 →研修期間・先進農家などが研修計画に即して必要な技能を習得することが出来ないと判断した場合
(2)研修終了後1年以内に就農しなかった場合
 →研修終了後1年以内に、独立・自営の経営開始または農業法人・農家との常勤雇用契約の締結のいずれも行わなかった場合
(3)給付期間の1.5倍(最低2年)以上就農を継続しなかった場合

◆経営開始型(独立・自営就農直後)
[年間150万円を最長5年間] 


(1)独立・自営就農時の年齢が、原則45歳未満であること
(2)独立・自営就農であること
 ※自ら作成した経営開始計画に即して主体的に農業経営を行っている状態を指し、具体的には以下の要件を満たすものとする。
 ・自ら農地の所有権もしくは利用権を有している
 ・主要な機械・施設を自ら所有・貸借している
 ・本人名義で生産物を出荷・取引している
 ・本人名義の通帳があり、売り上げや経費の支出などの経営収支を自らの通帳・帳簿で管理している
 ※親元に就農する場合であっても、親の経営に従事してから5年以内に経営を継承するあ愛や、親の経営から独立した部門経営を行う場合は、その時点から対象とする。
(3)経営開始計画が以下の基準に適合していること
 ※独立・自営就農5年後には農業(自らの生産に関わる農産物を使った関連事業<農家民宿、加工品製造、直接販売、農家レストラン等も含む>)で生計が成り立つ実現可能な計画である。
(4)人・農地プランへの位置づけ
 ※市町村が作成する人・農地プラン(東日本大震災の津波被災市町村が作成する経営再開マスタープランを含む。)に位置付けられていること(もしくは位置づけられることが確実であること)
(5)生活保護、求職者支援制度など、生活費を支給する国の他の事業と重複受給で無いこと

給付対象の特例
・夫婦ともに就農する場合(家族経営協定、経営資源の共有などにより共同系家者であることが明確である場合)は1.5人分を支給する
・複数の新規就農者が法人を新設して共同経営を行う場合は、人数分を給付する
・平成20年4月以降に独立・自営就農したものについても対象とすることができるものとするが、給付は就農後5年目までとする。

<給付停止>
・給付金を除いた本人の前年の所得の合計が250万円を超えた場合
・経緯開始計画を実行するために必要な作業を怠るなど、適切な就農を行っていないと市町村が判断した場合


という内容になっています。
研修~就農までMAX7年間×150万円/年=1050万円もらえるというものですね。

聞く方、見る方によって意義を唱えたい部分は山のようにあるとは思います。
私もそうです。
ただ、今回一番感じたのは
自治体側方の意見でも、良い予算なので長く続けて欲しいという発言をしているのもあったのでなおさらですが、

45歳以下の新規就農者を
大幅に増やすためには所得補償をすればいいのか


ということです。
国も自治体も何か勘違いをしている気がしてなりませんが、

確かにお金を稼ぐのが比較的難しい産業ではあるのは事実とは思いますが、
最低保証(といえる額かは分かりませんが。)をしてくれれば
就農しようとする人は一気に年間2倍以上に増える。
という考え方ですよね。

※まぁ全く持ってどうでもいい数字=食料自給率を向上させる為という名目で大手代理店にバカみたいな予算放り込んでキャンペーンはるような国家なのでいまさら論ではありますが・・・。

農家のこせがれネットワークは

・かっこよくて
・感動があって
・稼げる
3K産業にしようと考えていますが、

大事なのはまさにそこではないかと思っていて、
これだけ農業ブーム(もう終息していると思いますが)においても
農業の実態や農家の生態についてはほとんどの方々に理解をされていないです。
すなわち、
全く農業に関わりの無い方々にとっては、
職業として農業と言うものが認知されていない状態
と言い換えてもいいかもしれません。

そうした方々にとっては、
このがあると、「よし!農業やろう!」と目覚めるのでしょうか?
しかも・・・・
年収250万以下の場合150万を支給=農業ではせいぜい400万程度しか所得はえられない
といっているようなものでは?と考えてしまいます。
もちろん就農して1人前になるには5~10年かかるとは思いますが、
新規就農者=ベンチャー経営者なので、
そんなことは当たり前でしょう。

きっと、今回の予算を使う方は
すでに何かの用件によって農業に関心をもち、
検討をしている人々ではないかと思っています。

つまり必要なのは、
こうした方々(農業への関心・就農が視野に入ってくる)を
増やしていくことではないのでしょうか?

先日行った高知県では、
東京・大阪で高知県で農業をするためには?
という講座を有料でしっかり実施しており、
その後段階
視察→研修→就農
の段階でしっかりとフォロー体制が確立されていました

就農へのフォロー体制だけでは
就農者は増えないし、
増えたとしても断念する場合が多い
と実感しているからこその取り組みだと思います。

150万の支給自体はとは言いませんが、
本当に就農者をしっかりと増やしていきたいのであれば
もっと違う角度からも検討していくべきではないかと思います。

別にうちの団体に予算をつけて欲しいということではなく、
農業と他産業
地方と都市
農家と生活者
農家とベンチャー経営者
などが出会ったり触れある場がもっと必要ですし、
農業に関わらず、
その職種に入りたくなるのは、
保証金がもらえることではなく、
魅力
がどれくらいあるか?
ということだと思います。


それと気になりましたが、

給付対象の特例
・夫婦ともに就農する場合(家族経営協定、経営資源の共有などにより共同系家者であることが明確である場合)は1.5人分を支給する
・複数の新規就農者が法人を新設して共同経営を行う場合は、人数分を給付する 

とありましたが、
夫婦でもし就農される予定なら結婚しないで別々に就農して、
法人を設立してしまって5年後に籍をいれた方が得するのでは?!
とか考えてしまいましたw

今回改めて思いましたが、
国の事業には予算を欲しさに動くのではなく、
予算自体に対してしっかり必要なのかを考え、
見ていく必要が本当にありますね。
※文章のところどころに、「あ、もう出す団体は決まっているんだよね」と伝わるような書き方をしているのもありますしね~。