202015日【読書ノート】 草薙龍瞬 こころを洗う技術

心を洗うとは、「心を曇らせ、重くしている汚れをきれいに洗い流す。一切の満たされなさから心を開放する。毎日が快適で爽快で“すべてが思いのまま”とさえ思えるくらいに心が軽くなる」そうした心境。

 その晴れ渡った心境、“クリーンな心境”に近づいて行こう、その方法を実践してもっと快適な日々を過ごそうというのが、この本の目的。“こころを洗う技術”を5つの象徴的なキーワード。

【第1章】止める、【第2章】削ぎ落とす、【第3章】留める、【第4章】立て直す、【第5章】越える

CHAPTER1】止める日常の中で心が動く。汚れる。重くなる。心を‘止める’技術を身につけよう。

一日5分、心を止めてみる。一日に数度は「真剣ラベリング・モード」に挑戦。ラベリングとは言葉を使って客観的に今自分がしていることを・今やろうとしていることを確認。自覚する(自分の客観的状況を理解する)ことは心を洗う最高のスキル。

ラベリングを外にではなく自分の心に使いましょう。心の動きを客観的に見ることで冷静になれるし「ここから何をすればいいか」を考える心の余裕が生まれる。悩みの正体は貪欲、怒り、妄想のたった三つの反応。

〇貪欲-求めすぎる心に歯止めをかけよう。でないと心は渇き続ける。満たされなさがいつまでも続く。

〇怒り-不快な感情は心だけでなく体にも影響する。怒りは無駄な反応の最たるもの。瞬時に停止しよう。

〇妄想-人間の苦悩を長引かせる最大の原因。妄想を洗い落とせば悩みの99%は解決できたも当然。洗い流すべきは、目的につながらない無意味な妄想。

反応を減らす方法がラベリング。「これは貪欲」「これは怒り」「これは妄想」とはっきり自覚できればその反応は消えるプロセスに入る。

人生、そんなにそんなに求めなくてもいいし、怒る必要も本当にない。こんなに考え込んで苦労することもない。もっと上手な生き方があるに違いない-きっと、それが真実。

CHAPTER2】削ぎ落とす-日々の反応は塵や埃のように溜まっていく。心の汚れを巧みに落として本来の力を取り戻せ。

CHAPTER3】留める-うかつに反応すれば苦しみが流れ込んでくる。「自分の輪郭」に留まって他者に振り回されないようにせよ。

「関わりの基準」で自分を守る。基準は三つ。①作業、②時間、有益性(価値があること)

・本当に「関わる価値」はあるのか:”有益である”価値基準の中身を具体化すると-①方向性(めざす目標)につながるー必要である。プラスの効果がある。②方法として役に立つ。使える。③モチベーション(意欲・活力)が上がる。④誰かの役に立てる。貢献できる。⑤価値を創造できる。価値あるものが後に残る。

CHAPTER4】立て直す-動揺してときに崩れても大丈夫。どんな状況にも狼狽えない。タフな心を育てよう。

未来は妄想でなく方向性。あくまでも作業の積み重ねでたどり着くもの-そんな発想が持てれば、今という時間を最大限活かすことが可能。失敗した人が選べる二つのコース-①動揺するだけ(反応⇒自己嫌悪、後悔、未練)②正しい思考:方向性を確認して、②今からできる方法を実行に移す。失敗後の方向性とは「何ができていればOKなのか」という現実的ゴール。

”相手に働きかける立場の人“が知っておくべき心の使い方:「理解して励ます」という向き合い方、①相手をよく理解した上で②相手にとっての方向性を確認する③相手がなすべき方法を考える-です。

CHAPTER5】越える-理解する力が現実を「ただの課題」に変える。悩みは一生抱えるものでない。理解して越えていくものだ。【CHAPTER5】のメモは2回目に読んだときに作成予定。