こんにちはヾ(@°▽°@)ノ
訪問ありがとうございます
このところやっと夜が涼しく過ごしやすくなり
虫の合唱が足元の深い草むらから聞こえると
思わず立ち止まって聞き惚れてしまいます
六月に脳梗塞で倒れ病気の治療を終えた母は
次にリハビリテーション科のある病院へ移り
リハビリに励み先生方のお蔭で手助け無しで
歩けるまでに回復しました
先日お見舞いに行った時は看護師さんから
「今月には退院やその後の生活のケアの話が
あると思います」
と言われました
その日ちょうどリハビリ訓練の時間だったので
見学する事ができました
リハビリは行動の方でなく知識の方でした
テーブルに座って数種の色の三角柱のカップの
色を並べ替える作業です
色を組み合わせるのが難しいらしく何度も何度も
やり直していました
それが終わると
リハビリの先生が聞いている中でコロリンが
家族の族柄の様子を話しました
驚きましたΣ(・□・;)母は
孫やひ孫がいる事を忘れていたのです
別にそれを困った事だとも思ってなくて
子供が2人で孫が4人でひ孫が4人いると
教えても
「そうなの、そうだよそんな事知ってるよぅ」
とただニコニコ笑って何度も繰り返すのでした
最近は母がコロリンの話しに返事して
それなり回復していると思ったのに
(((( ;°Д°))))まがい物だったのです
コロリンの一方的な話に合わせて
言葉を繰り返していただけなのでした
昔読んだ星新一さんの「ボッコチャン」の
短編小説を思い出しました
酒場で働くボッコちゃんは人間そっくりに
作られた美人女性ロボットです
お客の話した言葉を繰り返して接待をするのです
例えば客が「綺麗だね」と言うと
ボッコちゃんは「綺麗でしょ」と返し
「お酒を飲むかい」と言えば
「お酒を飲むわ」と返します
客の言った言葉を単純に繰り返すだけです
それでも誰もロボットだと気づく人はいません
実はΣ(゚д゚;)母がボッコちゃんでコロリンが
酒場のお客さんだったのです
コロリンは会話が成立していると思ったのに
(T▽T;)ショックでした
一方通行だったのです
言った言葉が分からなくなると母はよく耳に
手を当てて「聞こえないのよ」と言うので
耳が遠いだけだと思っていました
リハビリの先生がコロリンが言う家族構成を聞いて
「これから少しづつ思い出していこうね」
って優しく声をかけていました
毎回先生がコロリンが娘だと教えてくれていたのです
でも(*・?・*)。o?不思議なのは
入院当初から娘のコロリンが分からないのに
コロリンの旦那のトントンがわかったことです
次に家族の名前を紙に鉛筆で書きます
母は名前を上手に漢字で書くのですが
何も聞かれず真っ先にサラサラ書いたのは
トントンの名前です
分かりにくい漢字なのに…
思わず
「これって何?」
ってΣ(゚д゚lll)イラっとしちゃいました
なんで娘よりトントンなの?
もしかして( ̄◇ ̄;)トントンは年寄りに
愛されキャラなのかもしれない…
孫の名前は殆どわからなかったのに
「◯◯って言うんだよ」って言う度に
明るい声で
「そうそうこの名前は私が考えたのよ」
って言うのです
(そんなこと無いよ…)って思ったけど
母が楽しそうに言うので言えませんでした
好きだったカラオケの話をしたら良く歌った
「岸壁の母」を歌い出しました
母の脳が不思議な変な脳になっていた事が
判明ました
不安顔のコロリンに先生は
「大丈夫ですよ回復してますから」
っと言ってくれました
変だと思っていました
頑固で人の言う事を聞かない母が
脳梗塞を患っていつも微笑んで可愛く変身した
それは
( ̄◇ ̄;)脳が壊れちゃったから?なのですか?
それとも
それが奥底に隠されていた母の本当の姿?
コロリンの周辺には時々「未来」という妖怪が
見え隠れします
脳梗塞を患い車椅子で暮らすトントンの母の未来
週3回透析に通うトントンの妹の未来
毎日呑む山程の薬で生かされている
トントンとその弟の未来
乳がんの再発と最近薬の副作用か
物忘れも酷くなり怯えるコロリンの未来
コロリンの弟のところはもっと深刻です
88歳の父の事も
問題山積です
明日何があるか分からないのですから
明日に蓋をして今日一日が無事だった事を
見つめポジティブに過ごします
リハビリテーション室のテーブルを離れる時
コロリンは
「おばあちゃんは面倒観てくれる旦那と
子供が2人孫が4人ひ孫が4人いるんだよ
いっぱいいるからさみしくないね
またくるからね」
って手を振りながら言いました
母は嬉しそうにうなずいて手を振りかえしました
廊下を歩きながら多分次に来た時は
また忘れてるんだろうなと思いました
寂しくて辺りの景色が滲んで緩んで
瞼閉じれば涙がこぼれそうだったので
トントンに悟られないよう必死に
天井の無機質な模様を睨みつけました
:*:・( ̄∀ ̄)・:*:取り敢えずはトントンの事は
いつでも覚えているようですから
良しとしましょう