第5回「川越氷川神社 ご縁市」2015年5月24日開催 | 「小江戸川越STYLE」

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「時が人を結ぶまち川越」
川越のヒト・コト・モノ、川越物語りメディア、小江戸川越STYLE。
川越の現場で様々なまちづくり活動にも従事しています。
「小江戸川越STYLE」代表:石川真


川越の総鎮守である氷川神社の創立は欽明天皇の即位二年(541年)、
武蔵国足立郡氷川神社(現在の大宮氷川神社)を分祀したと伝わります。

15メートルに及ぶ木製の大鳥居から境内に入る。
中央を避け一旦立ち止まり、軽く一礼してくぐります。

鳥居をくぐったら手水舎で身を清めます。
柄杓を右手に持ち、まず左手をゆすぎ、
次に左手に持ちかえて右手をゆすぎます。
柄杓を右手に持ちかえて左掌に水を注ぎ、口をゆすぐ。
そして最後にもう一度左手をゆすぎます。

お清めが済んだら神前に進み、
二礼二拍手一礼で参拝します。

そしてゆっくりと、各出店者の様子を覗きに行く姿がありました。




大鳥居を目の前にして出店していたのが、

川越の仙波町にお店がある植物、リースなどのd’ici peuさん。
視界いっぱいに緑が目にはいる場所で、「凄く気持ちいい場所」と笑顔で話します。


日の光を浴びてキラキラ輝く植物たち。

d’ici peuさんが大鳥居越しに茂る木々を見上げて、

「ここの神社の木々は厳かで力強いパワーを感じる」と、ふぅと言葉を漏らしました。
ご縁市に出店するのは今回が初めて、

いつも出店しているのは川越織物市場か栗原造園で、よくイベントに出店されているんですよね、と

ご縁市に声をかけられたのだそう。
お氷川様は川越の中の動き、縁を細かいところまでよく見てくれているな、そう話していました。


川越のお店といっても、市街地だけでなく、少し外れたでも素敵なお店も出店していて、

さらに、川越以外からの出店も多くあり、

「まさか出店の声をかけて頂けるなんて」と嬉しい声を上げる出店者は多かった。

これだけの顔触れが揃っていることに、改めて、
「見守ってくださっている」と

静かに、常に、大きな手の平で包んでいるような川越氷川神社の存在を実感しているようでした。


今の川越の中は、雑貨だけでも毎月のようにどこかでイベントが開かれていて、

川越織物市場であったり、栗原造園であったり、もっこ館であったり、

居心地の良い場で行われるイベントはとても多い。

また、そういう場所に集う人はどこかで感性が繋がっていて、

さらに場が気持ちの良い雰囲気になっていくのを感じ、

やはり、人が共に過ごすためには「場」はとても大事なのだと実感します。


そして、氷川神社という場を改めて見渡した時に、

それこそ、お宮参りから七五三、入学式と小さい頃からこの場所にやって来て、

大人になってからも初詣などで訪れている方も多いでしょう。

場の共有体験として、人の数の多さと、これだけ人の人生に深く入った場所は

川越に他にないのではないかと思います。

そこで行われる市であるからこそ、集った人で作られる空間は、

今回も幸せに満ち溢れたような雰囲気に包まれていました。


人にコトにモノ、思いがけない出会いがたくさんあり、

いや、きっと出会うべくして出会ったものたちなのだろうけれど、

この日にまとめてギュッと結ばれたのは、きっと氷川様がたくさん繋いでくれたものと感じた。

やっぱり、大きな存在であると感じます。
1500年前から川越のこの地で、人と人を結んできた氷川神社。
川越にとって氷川神社は特別な場所。


川越とのご縁。
氷川とのご縁。
出店者とのご縁。

『毎回、いくつものご縁がむすばれ、素敵な方々が集うご縁市。
5回目となる今回も個性的で魅力的な出店者ばかりです。

おかいモノにおいしいモノ、そして数々のもよおしモノで一日楽しんでください』


2015年5月24日、昨年に引き続き5回目の開催となった川越氷川神社の「ご縁市」。

出店していたのは、

・秋家香織 (ガラス)
・石川覚子 (うつわ)
・井筒りつこ (似顔絵絵付け)
・いやま菓子店 (あいすモナカ)
・雨余花 (茂木の特産品)
・NPO川越蔵の会 (お箸づくり他)
・NPO川越きもの散歩 (きもの体験他)
・m.e.m (布製品)
・おすし雑貨研究所 (雑貨)
・折形デザイン研究所 (絵付け体験)
・cafe Matilda (パンケーキ)
・カランコロン (タコス)
・熊谷幸治 (土玉づくり) ※ワークショップのみ
・こいずみ道具店 (生活道具)
・COEDOビール (地ビール)
・cotofog (雑貨)
・コポリ (各種お食事)
・狭山カレー工房りとるほっと。(カレー)
・3532食堂×sobanomicafe-sora (パン・サンドウィッチなど)
・じゃんぼ (紙芝居・駄菓子)
・JOIE INFINIE DESIGN (手作り時計)
・下中菜穂 (紋切りあそび)
・しろつめ雑貨店 (雑貨)
・SU Lab. (けん玉)
・関根みゆき (結び) ※ワークショップのみ
・tango (珈琲)
・d’ici peu (植物・リース他)
・西浦裕太 (木工)
・はこねフローリスト (苗木)
・橋本恒平 (こけし絵付け体験)
・ミオ・カザロ (ハム・ソーセージ)
・MAISON BLANCHE+ (雑貨)
・四井真治 (暮らしの道具)
・氷川会館 (各種お食事)


ワークショップは、

①お守り袋つくり
②紋切りあそび
③土玉づくり
④マジパンづくり








おすし雑貨研究所さん。


神聖な空気漂うも活気溢れる賑やかな、まさに市の雰囲気。

氷川神社に限らず、神社ではもともと市などの催しは定期的にあり、

地域の人にとっては非日常空間として楽しみにされていたもの。

今自分たちが普通に使っている「イベント」という言葉も、

もとを辿ればこういう神社での市に行き着くのかもしれない。

今の時代、神社で市が行われることはほとんどなくなりましたが、

だからこそ、氷川神社が復活させて続けている意味も、

原点回帰であり、新たなカタチの市の提案をしているものと思います。


手間を惜しまず手作りにこだわる出店者、
境内に出店していたcotofogさんは、イベントに出店すること自体珍しい。

「お氷川様に出店を誘って頂いて、ぜひ、とすぐに了承しました」と語ります。

cotofogさんは、川越の「うらかわ」カルチャーを牽引するお店。


しろつめ雑貨店さんは、昨年から出店の声をかけてもらっていたそうで、一年越しの出店。


しろつめ雑貨店らしい温もりのハンドメイド雑貨を数多く出品していました。

2015年4月29日しろつめ雑貨店が主催した

「川越ハンドメイドの雑貨市 http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-12021490126.html 」は、

90ブースという、多くの作家さんと川越のお店との縁で出来上がったイベント。
そしてこの雑貨市を縁に知り合った作家さんがこの日、販売のお手伝いに来ていて、と

縁が繋がって広がっている様子が伝わる出店でした。


MAISON BLANCHE+は川越の笠幡にあるお店で、イベント自体初出店。

この日は作家さんたちが応援に駆けつけ、合わせて5人で出店。

「MAISON BLANCHE+ http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11966384148.html
「笠幡や的場から来られたという方もいました。お店のことを初めて知りました、という方も多くて、

人とのご縁をたくさん頂きました」と語ります。
出品していた恋愛運アップのイギリスのラッキーチャームが、

ご縁市のサイトにアップされていたことから、これを求めに来られた方が多かったそう。
縁結びの神社にぴったりなアイテムでした。


個人のお店や作家さんががずらりと並び、こうして見ていくと、

氷川神社が本当にくまなく川越のことを見ているな、というのが伝わってくるような出展者の顔触れです。


ご縁市お馴染みのNPO法人蔵の会は、今年は家具職人さんとのコラボで、

箸づくりのワークショップ+リメイクスツール胡床、

伊勢型紙をなぞって制作したポストカードなどの販売という形で参加。



10人ほどのメンバーで対応しましたが、箸づくりは大人気でご縁市始まりから参加者が途切れません。

子どもから大人までみんな一生懸命、大汗かいて自分用だったり、

パパやおじいちゃんにあげるんだー!と頑張っていました。
箸の材料の木は、最近完成した境内の社務所を建築した際に出た木材の端材、欅、檜、タモを分けていただいたもので、3種類から選ぶことができました。

二人で参加していた方は、

「タモと欅を選びました。意外と削りやすいんですね。楽しいです」と声を弾ませています。

鉋で木を削りながら、「社務所の木なんだ」と皆さん目をキラキラさせていた。



(MAISON BLANCHE+の作家さんも箸作りに挑戦)


大体30分ほどで二本の箸が出来上がり、

蔵の会がまちづくりを応援している東秩父村の細川紙の帯を巻いて完成。
「箸作れるんだ!」

楽しそうに削る様子に引き寄せられるようにして、さらに参加希望者が集まり、

途中から4人待ちなど順番待ちになるほどの混雑ぶり。

蔵の会の面々はずっと付きっきりの状態で最後まで人で賑わった出店でした。
皆さん氷川様とのご縁を感じながら箸を大事にし、毎日美味しくご飯を食べられることでしょう。


毎回ご縁市の出店で感じるのは、丁寧な仕事をしている出店者ばかりだということ。

そこに、手作りでまもり結びなどを作る氷川神社との組み合わせがあって、

さらに温もりのある雰囲気になっているようです。

氷川神社が実は「手」による行いを大切にし、とても多くの手作りを行っていることは

以前むすびcafeの記事でも紹介しました。

「むすびcafe http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11729348352.html

手により生まれるものを大切にしている出店者と氷川神社のコラボは、
きっと、偶然のような必然の結びがここにあったと思います。


ご縁市は氷川会館内も会場となっていて、こちらには美味しいモノが提供され、

会館内のゆったりした席で頂くことができました。




館内に出店していた、「デイリースタンドコポリ」さんと「3552食堂」さん。
3552食堂さんがあるのは鶴瀬、川越のイベントに出店するのはなかなかない機会です。
二つのお店とも目当てにしていた方が多かったようで、

最初からずっと人が途切れず人気のブースでした。
この二つの組み合わせは、川越Farmer’s Marketでも実現します。

3552食堂さんがある鶴瀬は先進的な農業をやられている方が多い地域で、

普段の3552食堂でも地域の食材をふんだんに取り入れた食を提案している。

また、新たな提案をしてくれるのを期待しています。


心地よい音色が聴こえてくると思ったら、

境内舞殿では、幸町の囃子連によるお囃子が演奏されています。



そして、催しの最中には「模擬神前結婚式」が行われ、誰でも参列して体験することができました。





また、出店では神前でお清めした椥(ナギ)や柏、楪(ユズリハ)、南天といった

縁起が良いとされる苗の販売もありました。
ずっと変わらない神社が大切にしてきた植物たちです。

ナギは葉脈が縦に入っていて、
弁慶の力をもってしても横にちぎることができなかったという故実から
「切っても切れない=夫婦円満」の縁起物とされています。
その強い葉には男女を強く結びつける力があると信じられ、
夫婦の縁が切れぬよう、離れていてもお互いを忘れぬよう、
願いを込めて身に着けたともいわれます。


こうしてご縁市は、単なる賑やかな「イベント」ということでなく、

神社らしさは失わずに行われているのがご縁市らしいところ。
そして、神社らしいといえば、いや、氷川神社でしか出来ないものである催しが、

今回も行われたご利益巡り。


氷川神社境内には、全国各地の神社の末社があり、
ご利益巡りは、境内の末社をスタンプラリーのように巡りながら

御朱印を押して集めるという楽しいお参りとなっていました。

全ての御朱印を押すと、それ自体が御守りとなる。

まず人目を引く戌岩で一つ押し、

そのあと次に向かったのは、災難除け・悪病退散の八坂神社。
八坂神社は夏の例祭日にちなんでキュウリの 御朱印です。
八坂神社で御朱印を押したら、境内裏手にある
盗難除け・魔除け三峰神社へ。
三峰神社の御朱印は狼。


次に、商売繁昌の稲荷神社、松尾神社。
そして足腰健康の子ノ権現(ねのごんげん)で押していきました。
足腰健康の子ノ権現は草履の御朱印。



うっそうと大樹が生い茂る中、一つひとつ神社をお参りしながら御朱印を集めます。
普段なかなか見る機会のない林の中の末社。
そして、ご利益巡りもいよいよ最後。
本殿横のご神木で御朱印を押して終わりました。

参加していた方は、
「ご利益巡り、楽しかったです。氷川神社には子どものお宮参りから来ていましたが、

裏にあんなにたくさんの末社があるなんて初めて知りました」と感激の様子。


ご縁市に来ると、境内で思いも寄らぬ人と再会できたりすることが実は毎回定番なのですが、
参加者に出店者、それぞれにご縁市という場でいろんな縁を感じていたと思います。


その中で特別な縁を感じて来られていた人がいました。
二階で飲食していた栗原造園の栗原さんは、

今回山梨県から出店する

パーマカルチャーデザイナーの四井さんと出会えるのを楽しみにして来ていた。

「パーマカルチャーはずっと前から興味を持っていて、この言葉を初めて知ったのはもう20年前のこと。

それから、以前のご縁市に四井さんが出店していたのを知ってぜひ会ってみたいと思い、

今年も出店するというのでこんなチャンスは逃したくないと思っていました」

と話します。


興味を持ち続けてきたものと、ご縁市で出会えるという縁もまた素敵。

ただ、今しがた見て回った限りでは、そのブースは発見できなかったという。

どこにあったのだろう。

食べ終わると、四井さんの出店をもう一度探しに出かけていく。

たぶん、外に出ているのじゃないかな、

階段を下りて氷川会館の外に出る。

ドキドキワクワクしている様子が伝わってくるのを感じながら、

栗原さんが思いを行動に移し、

自ら縁を手繰り寄せようとする姿にも、待つだけでない能動さも縁なのだと思わされた。


すっかり雨雲が吹き飛んだ境内、陽射しに照らされながら一つ一つのブースを確認していく。

「あ!あった、ここだ!」


対面できたパーマカルチャーデザイナーの四井さんとしばし話しこんでいました。

さらに、「どうして氷川神社のご縁市に出店するようになったんですか?」と質問し、

縁を辿っていく。知り合いを介して出店するようになって、

昨年から引き続き川越にやって来たとのことでした。


『人がそこに暮らすことで、その「場」がより豊かになるような暮らしのしくみをつくること。
自然環境に負荷の与えない暮らしをするのではなく、
人が愉しみながら暮らすことで、より土や水、生き物たちが生き生きする。
自然のしくみに沿った暮らし、「未来の暮らし」につながるライフスタイルとは・・・』


ネイチャーストーブのデザインに見惚れ、道具たち一つ一つの作りこみに感動し、



縁というものを深く考えさせられるのが氷川神社で、ご縁市。
cotofogさんがご縁市が始まる前に、

出店者が拝殿に集まって無事を祈るご祈願が行われた時のことが感動的だったと振り返っていました。神職の方から、
「今日は人との出会い、モノとの出会い、たくさんの出会いに恵まれるといいですね。

忘れてはいけないのが、出会いの中心には神様がいるんですよ。

神様が皆様を結び付けてくださっているんですよ」
その時に御神酒をお供えし、

「無事にご縁市が終わったらそのお酒をみんなで分かち合って飲みましょう。

そうして、皆様の体の中に神様が入り込みます」
というお話があったのだそう。


そして、cotofogさんがも自ら縁を引き寄せるために行動に移した。

ちょうどcotofogの斜め前に出店していた

栃木県の茂木からやって来ていた雨余花さん。

茂木の特産品を出品していましたが、そのブースの様子が気になっていたcotofogさんは、

頃合いを見計らって話しかけていました。



ここにまた一つ、縁が繋がりました。


氷川神社にはなぜこうも心がしんとなる空気が流れているのか。

それはやはり、一つひとつのことをおろそかにせず大事にし、
全部に心を込めている様子が境内に充満しているからではないかと思います。

神社が神社らしく、そこを突き詰めている様子が伝わる。
だからそこでは目に見える全部が大事に思えてきて、
ふと手にしたものとのご縁、
何気なく見つけたものとのご縁を噛み締めたくなります。

雨予報を吹き飛ばして大盛況のうちに幕を閉じたご縁市。

たくさんのモノが縁ある人のところへ旅立っていきました。


ハレの日が終わればまた、氷川神社は日常へと戻っていきました。







そして氷川神社では、今年も「縁結び風鈴」が7月から行われるそうなので、

また多くの方で賑わうことでしょう♪


(昨年の「縁結び風鈴」 http://ameblo.jp/korokoro0105/entry-11888959968.html


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