第107回 シンシナティ・キッド | マタタビ堂  

第107回 シンシナティ・キッド

押忍、こちとら是清です。


ぬっかですね。(訳・いやあお暑うございます)


そういえば市営プールの監視員のバイトをしていた


時、米国からきた英語教師が泳ぎにて来ていて


「NUTUKA is ・・・・。」


と問われたことを思い出しました。


僕は彼に日本語の言い回しのいくつかを


教えてあげました。


例 「NEZUMINO KOKOROHA NEZUMIIRO?」


例2 「HANANIARASINO TATOEMOARUSA 


       SAYONARADAKEGA・・・・」





潮干狩りシーズンも終わりかけですね。


上は車で二十分程行ったところにある堤防から


見える風景です。


太古の昔は親父がここでチヌを釣り上げたことも


あったそうですが、最近ではガタハゼ一匹かかりません。


昔から僕はここが好きでよく一人で来ます。


何をするともなく一頻りぼんやりして帰るだけです。


滅多に人は来ません。


辺りは田圃だけなのです。


地球の縁とでもいいますかね。


そこで僕はチョコバーを齧りながら


暮れていく夕陽を眺めたり


突堤に下りてざわざわと逃げ出す鮒虫を


見たり、流れ着いている夥しい生活用品の


残骸を眺めたりします。


先日散髪に行った帰りにもよりました。


潮風が洗いたての髪にまとわりつくようで


その時はまだ潮干狩りに訪れた人々の


姿がちらほら見えました。


シャコなんかもとれますです。


シャコの取りかたには二つあって、筆の先を


棲家の穴の中にいれて挑発してやる取りかたと


おとりのシャコに糸をつけて、追い出しにかかった


ところを掴まえるやり方。


どれもためしたことはありますが


とれたためしはありません。


僕は潮干狩りに行くと必ずといっていいほど


怪我をしました。


たいていテトラポットに付着している


フジツボで踝や脛を切ってそれがまた


潮水に沁みてという感じです。


昔からだだっぴろい土地に憧れます。


ただそこに立っているだけで、はるかかなた


に目がくらんでしまうような場所です。


そろそろ何かはじめねばならぬと


最近切に思うこのごろなのではありました。


今日の一言


       「刃渡り21世紀の果物ナイフを信じたい」


                             書を捨てよ街へでよう