変酋長の小部屋 PART#7
月刊電脳倶楽部編集長（株式会社満開製作所の社長）
であった祝一平氏（ペンネームね。本名は伏せておきます。）が
電脳倶楽部内で「変酋長の小部屋」というコーナーを持っていました。
（個人的に）今読んでも面白いもの（今読むから面白いもの）を抜粋しました
以下「電脳倶楽部 第86号(1995/7号) の『変酋長の小部屋』」より抜粋
某月某日
うひょー！ 満開製作所の入っているビルに泥棒が入った。ウチは２
階なのだが、３階以上が軒並みやられたそうな（１階は立体駐車場）。
ちなみになぜウチが大丈夫だったかというと、徹夜で仕事をしていた編
集部員（地縛霊とも呼ばれる）が４人もいたからであった。
しかし、だれも異常な気配に気が付かなかったらしい。仕事に熱中し
ていたというか、鈍感というか……。
某月某日
とか思ったら、その翌々日には防犯システムの会社がやってきて、パ
ンフレットを置いていった。あやしい。
以下「電脳倶楽部 第87号(1995/8号) の『変酋長の小部屋』」より抜粋
某月某日
コンピュータ用の、リムーバブルな記憶デバイスがいよいよ本格的に
戦国時代に突入した気配である。年内にはＺｉｐディスクの国内生産が
始まるし（某筋の話によると、Ｚｉｐディスクのメディアは大量生産に
入れば、１枚当たり千円を切ることは十分可能だそうだ：考えてみれば
当たり前）。そうなるとＭＯの立場がなくなるが、ＭＯもＭＯで６５０
ＭＢを越える容量の物、さらには数ギガの物が開発され、実用化が目前
みたい。そこにＰＤが絡んできたりするわけだ。そして、ＤＶＤ（デジ
タルビデオディスク）も将来はコンピュータに接続することが確実。し
かも、まったく新しい発想のとんでもない記憶デバイスが、いつ出て来
てもおかしくない訳で、いやはやこれは大混戦というか、大乱戦ではな
いか。最近は秋葉原でも、５インチＦＤの売り場が３．５インチＦＤに
呑み込まれつつあるというのも明確な現状である。う～ん、カセットテ
ープで「ピーガー」していた時代はもはや古代文明か。
某月某日
ＰＳ、サターン、３ＤＯが値下げ合戦モードに突入。まだ霞の向こう
ではっきりはしないが、「マルチメディア時代の盟主」という巨大なニ
ンジンがぶらさがっているから、みんな必死なんだろうなぁ。さて、ウ
ルトラ６４であるが、こちらは甘い汁を吸い続けられるようにＲＯＭカ
セットで続行の方針という。まあ、いざとなれば、今は亡きディスクシ
ステムのように、ＣＤ－ＲＯＭドライブと合体すればいいわけであるか
ら、それはそれで企業戦略としては妥当ではある。
と、いうことで今から１０年後ぐらいに、子供達はどんな環境でゲー
ムをピコピコしているのだろうか？ Ｒ／Ｗ可能な数ＧバイトのＤＶＤ
を搭載した、ＳＰＥＣｉｎｔが５００ぐらいのＣＰＵのゲーム機で、
『バーチャファイター５』とか『ウルトラマリオ３』とか『ドラゴンク
エストＩＸ』なんかで遊んでいるのだろうか？ でもって、ちょっとプ
ラグを差し込んでやれば、たちまちインターネットにつながったり、ビ
デオ・オン・デマンドで好きな映画を見られたりするのか？ 予想はつ
かないが、でも、確実に来る未来のはずである。う～む、面倒な時代に
生きてしまったことよ。
以下「電脳倶楽部 第88号(1995/9号) の『変酋長の小部屋』」より抜粋
某月某日
なんか最近やたらとＰＨＳである。各メーカーもかなりリキが入って
る感じで、そのうち女子高生のポケベルみたいな存在になるのではない
だろうか。たとえばＰＨＳを持ってなければ「ウッソ～！ 信じられな
ーい」とか、「おいおい、それじゃ困るよ、君」みたいな。いやいや、
これは私が現実に恐れている事なのだ。「誰もがＰＨＳを持っているは
ず」という社会は、ハイテク管理社会の強化になるのではないか。
特に注意を引くのが、ポケベルや従来の携帯電話は、地下街や装甲の
厚いビルの中などでは使えなかったのであるが、ＰＨＳならばちょいと
アンテナを設置してやるだけで通話エリアになってしまうらしいのだ。
ＰＨＳは諸経費が安いから確実に普及するだろう。となると、ＰＨＳ
を持ってなければ社会生活に支障をきたすようになる可能性があるのだ
（「あの人、今時ＰＨＳを持ってないんだって。超信じられな～い」の
ココロ）。つまり、これはいやでも持たざるをえない。で、スイッチを
切らない限り、いつどこで呼び出しをくうかわからない。そういうのっ
て、発信機付きの首輪をはめられて管理されてる家畜（もしくは社畜）っ
て感じなんだよなぁ。
何かの本で「人間は自己を家畜化する動物である」ってな事を読んだ
記憶がある。ＰＨＳは、「誰でも持てて、とっても便利」である。んが、
おいしそうな餌の下には、えてして落とし穴が仕掛けられてたりするも
のである。うー、考え過ぎなら良いのだが。
某月某日
東京で暮らし始めてはや十数年。この前知人の結婚式のために田舎に
帰ったのだが、やっぱり自然に囲まれた環境っていいなぁ、としみじみ
してしまった私であった。早いとこ高速デジタル通信網が全国津々浦々
に、安価に普及すれば、さっさと田舎に帰っちゃって、ＴＶ電話かなん
かで東京の事務所にアクセスしながらの在宅勤務（というか支社勤務）
ができるのにねぇ。そいで、特に必要な時だけ飛行機で東京に出張すれ
ばいいわけだ。
２１世紀まであと２０００日を切ったんだから、早いとこ実現して下
さいよ、ホントの話。２１世紀になってもまだ「大都市にいなければ業
務に差し支えがある」なんてのは、人類にとって恥ですぜ旦那。
というわけで、８８号がアップした後のお盆休みを楽しみにしている
変酋長なのである。ということで、
%V%WＮＴＴ超コロス！！
END