僕がお見合いすることをようやく了承したので、張り切った母は、仲人Aさんの他にもお見合い相手を紹介してくれる結婚相談所を、新聞の地方面の広告や地域情報誌(フリーペーパー)の広告、電話帳などでいくつも探し出した。そして、実際に5ヵ所ほどに話を聞きに行ったらしい。また、僕もお見合いを始めて1年半ほど経った頃、婚活に完全に行き詰まってしまい、街でふと目に付いた結婚相談所に飛び込んで、話を聞いたことがある。以下、僕の知る範囲で結婚相談所とはどんなところかを書く。


 結婚相談所は、「大手結婚情報サービス」「仲人さん」「相談所」の3種類に分けられる。「大手結婚情報サービス」は新聞などによく広告を出しているので、何社か名前ぐらいは知っているという人も多いだろう。「仲人さん」は中年女性が一人で自宅を使ってやっているところ。この2つの中間的な存在が「相談所」で、駅前などに事務所を構え、数人のスタッフがいるところである。


 「大手結婚情報サービス」は、全国組織で会員数が多く、お見合い相手をたくさん紹介してもらえるというのがメリットである。自己プロフィールと相手への希望を元に、コンピュータで合いそうな人を検索してどんどん紹介してもらえたり、申し込みがあったりする。一方、デメリットとしては、どんどん紹介はしてくれるが、紹介しっぱなしでアドバイスやフォローがないため、縁談が比較的まとまりにくいことと、初期費用が高いことである(入会金などとして最初に30~40万円程度必要。なお、以下に書く料金は全て男性の場合で、女性はもう少し安いのかも知れない)。


 だから、地方に住んでいて東京にお嫁に行っても良いという女性や職種や趣味など特殊な条件にこだわる人、まだ20代でたくさんの候補の中から焦らずじっくり相手を選びたいというような人には向いていると思われる。僕の場合、初期費用が高過ぎること、紹介されっぱなしでは縁談がまとまりにくいのではと考えたので(親に説得されお見合いを決意したのだから、さっさと結婚したいと思っていた)、大手結婚情報サービスは利用しなかった。


 「仲人さん」は、主に中年女性が自宅の電話を使って一人でお見合いのあっせんをしているところで、僕は一番お世話になった。すでにこのブログに書いた仲人Aさんの他に、仲人Bさん(この人の紹介で約20人とお見合いしたが結局うまくいかなかった)、仲人Cさん(この人が最初に紹介してくれた人と結婚した)の3人にお世話になった。おばさまが一人でやっているので、もちろん会員数は少ないが、こういった仲人さんが各市町村に何人もおり、後述する「相談所」も含めて地域ごとにネットワークを作っている。そのネットワークを通じて、お見合い相手を紹介してもらったり、申し込みがあったりするので、実際はそんなに紹介数が少ないということもない。


 メリットとしては、仲人さんが親も含めた本人のプロフィールや相手への希望を把握した上で紹介してくれ、お見合い後の相手への返事も代わりにしてくれるし、交際や婚約時にも色々相談に乗ってくれるので、縁談が比較的まとまりやすい。また、入会金1~2万円程度なので、初期費用が安く済む。デメリットとしては、大手結婚情報サービスの全国組織に比べると会員数が少ないことと、仲人さんと本人の相性が良くない場合(男性が得意な人と女性が得意な人に分かれるとも聞く)やお互いに不信感を持ったりして仲人さんと本人・親の関係がこじれてしまうと、数を紹介してもらってもなかなか縁談がまとまらないことになったりもする(僕と仲人Bさんがまさにそうだった)。仲人さんはこれまでの自分の経験や直感などにより、ある程度強引にお見合いや交際を薦めてくるので、それを素直に聞けるかどうかが結婚への鍵を握るが、一人で婚活するのは不安な人や早く結婚したいと思っている人に向いていると思われる。


 「相談所」は、「大手結婚情報サービス」と「仲人さん」を合わせたようなシステムである。相談所も地域の他の相談所や仲人さんとネットワークを作っているので、その相談所の入会者だけではなく数多くの釣り書の中からパソコンで検索できる上、相談員さんがアドバイスもしてくれる。ちなみに僕がお世話になった相談所は、相談員のおばさまが一人でやっており、パソコン検索もないという「仲人さん」に近いようなところだった。この相談所では6人ぐらいとお見合いし、主催するお見合いパーティーにも3~4回行ったのだが、最初につまずいたこともあってうまくいかなかった。


 一方、2~3年前に飛び込みで話を聞いた相談所には、あまり良い印象を持たなかった。いくつかのコースが載った「コース別料金表」を見せられ、何かと言えば料金がいくらかという話になるのである(商売なので仕方ないとは思うけど)。やはり入会金などとして最初に20~30万円程度かかるため、結局そこには入らなかった。当時は、仲人Bさんの紹介で何人もお見合いをするも、どうにもこうにもうまくいかず、焦りと苛立ちばかりが募っていた。しかし、だからといって新しい相談所に入ったところで、検索できる女性の数は増えるだろうけれども、どこもやっていることは同じだということが分かったので、さらに20~30万円ものお金を出す気にはなれなかったのである。その後、「自分自身が変わるしかない。希望条件をさらに下げ、焦らず、肩の力を抜こう」と考え、お見合いパーティー(カップリングパーティー)に行ったりもするようになるのだが、その辺のことはまたおいおい書く。次回は、結婚相談所の料金について。