インタビュー 【2012/10/12 東洋太平洋王座決定戦】

2012/10/12（金）日野市市民の森ふれあいホールにて行われる、
『ＯＰＢＦ東洋太平洋ミドル級タイトルマッチ』

に出場する、淵上誠選手へのインタビュー。

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Makoto Fuchigami

　前・ＯＰＢＦ東洋太平洋ミドル級チャンピオン
　　2011年12月12日 獲得

　　2012年4月9日 初防衛後、返上

　前・日本ミドル級チャンピオン

　　2010年10月3日 獲得

　　４度防衛後、2011年12月 返上

　２６戦１９勝（１０ＫＯ）７敗

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八王子中屋ボクシングジム Official Website
http://www.8nakaya.com/

淵上誠 情報ブログ
http://huchigami.blog.shinobi.jp/

●こんどう
Gennady Golovkin（ゲンナジー・ゴロフキン、カザフスタン）に挑戦した
ＷＢＡ世界ミドル級タイトルマッチ（５月１２日ウクライナにて、３ラウンドＴＫＯ負け）以来、
５か月ぶりの試合です。

今、会社（日野自動車）での仕事はどうしていますか。

●淵上
試合前１か月と、試合後１週間は休みをもらえるようになりました。
練習に専念できて、コンディションを整える上ですごく助かってます！
それ以外の期間は普通に、検査の仕事をしてます。

試合前の休みに入ってからは、
嫁が所属している東京ヴェルディっていうトライアスロンのチームで
早朝からスイムとランのトレーニングをして、
お昼過ぎから休憩して、夜はジムワーク。て感じで一日中トレーニングしてます！

水泳はいいですよね～！！
体（筋肉や関節）には無理がかからないけど、心肺機能はすごく使うし、
体のバランスも良くなるし。

今は試合直前なのでトライアスロンチームのトレーニングはしてないんですけど、
市民プールに通ってます。八王子の、東浅川とか北野とか。

●こんどう
世界戦では、全てが初めての体験だったのでは。
まず人生初の海外、長時間のフライトはどうでしたか。

●淵上
海外に慣れてる嫁がいて、飛行機の乗り方とか全部わかってるから、
ただついて行くだけでよかったので。
足のむくみ対策とか、時々立ってストレッチとか、
言われた通りに過ごしてたら、何の問題もなかったです。

●こんどう
ウクライナに着いて、どんな感じがしましたか。

●淵上
別世界ですね。初めはビビリました。日本語通じないし！
どこ行っても何も通じない、道は広いし車は逆側走ってるし（笑）。何だここ～！っていうのが第一印象。
でも嫁と歩いて買い物したりして、すぐ「海外楽しい！」モードになりました。

ホテルの部屋は、最初バスタブがなくて、
浴室のある部屋に変えてもらったらその代わり冷蔵庫がない、みたいな（笑）。
海外だからこその不便さも、良さもありました。

●こんどう
八王子中屋ジムとしても初めての世界戦でした、
世界戦ならではのセレモニーが次々あったと思いますが－
公開練習、記者会見、計量、…

●淵上
一つ一つが、お客さんや関係者、報道陣がたくさん集まる
華やかなイベントになってるんですよね。

試合前々日の公開練習の時も
控え室があって、音楽が鳴って名前を呼ばれてリングに上がって、、、。
でも全部英語でよくわからなかったです（笑）。

計量は、お祭りでしたね！
後楽園ホールでやる時の、シ～ンとした計量風景とは全く違って、
食事や飲み物が出て取り放題だし、カメラもアナウンサーもいて…
ディスコ（古っ!?）みたいな感じですよもう。

●こんどう
試合で使うグローブは、予め決められてたのですか。
メーカーはそれまで使ったことのない「ＧＲＡＮＴ」でしたが、特に気にはならなかったですか。

●淵上
決まってました。
気にはならなかったですけど
けっこう硬いな、と思いました。
これは（自分がパンチを）もらったら効くかもしれないけど
逆に当てればチャンスだなっ、と。

●こんどう
試合会場は？やっぱり広くて立派でしたか。

●淵上
はい、大きかったです。
入場する時のレーザー光線とか、ライトが眩しくて。最高でした。

●こんどう
淵上さんを応援するプラカードや、サッカーの試合のような？鳴り物も出てましたね。
リングに上がる時の気持ちは。

●淵上
まさか海外で２００人以上の応援団がいるとは
思わなかったので、余計うれしかったです。

リングに上がった時は、夢の舞台についに立てた！っていううれしさで一杯で
よしやってやる！って感じでした。

●こんどう
そして試合が始まり…、やりたいことは やれましたか。

●淵上
やれなかったですね。
１ラウンド目、相手のパンチは見えるな。
じゃあ作戦通りに、後半勝負だ。って思った矢先に、
全く見えないパンチで、気づかないうちに、瞼をカットしてたんですよ。

その後は、右目に血が入って全く見えなくなって、
距離もわからず相手のパンチも見えず、
なので作戦を変えて少し打ち合うか、っていうことになって。

３ラウンド目に足を止めて打ち合おうとした時に相手のパンチを先にもらって、
レフェリーストップとなってしまったんですけど。

１ラウンド目は相手のパンチが見えたことや、
チャンピオンの強さがわかった分、自信にもなりました。目指す所がはっきりしたっていうか。

●こんどう
試合終了直後、
マウスピースを外した淵上さんの口の中は
前歯が全部なくなって、バカボンのパパみたいになっていましたが..。
今はバッチリ、新しい歯ですね。

●淵上
はい、治療は大変でしたけどー（笑）。まぁボクシングやってる以上は（しかたない）。
あれは１ラウンドで折られたんですよ～。

●こんどう
現状では太刀打ちできない、ゴロフキンの強さを体感して、それでも
目指すは世界チャンピオン、というのは変わらないですか。

●淵上
はい、変わらないです。

●こんどう
ガードは上げない、
変則的なボクシングスタイルは変えないままで？

●淵上
はい。

●こんどう
あとはどこをどうすれば世界のトップに行けるのか、
道筋や課題は見えていますか。

●淵上
打ち合うのが必要な場面は出てくるので、その中ではガードも必要だったり、
相手がガツガツ来るならこっちも引いてばかりじゃなくフィジカル強くして対抗するとか。

あとは　戦う場の空気に呑まれることなく、ペースを相手に渡さないっていうこととか、
あの一戦で -短かったですけど- 僕は学ぶことがたくさんあったんで、
いろいろ修正しながら、頭に入れながら、やってます。

実戦では強い相手と…－！
もうこれから何十戦とできるわけじゃないと思いますし、
強い相手とやって学んで、もしそこで僕がだめになるようであればその時点で
世界チャンピオンにはなれないと思うんで。

だから大事な一戦一戦を、強い奴とやって、成長して行けたらなと思ってます。

●こんどう
ということで今回の強い相手－
フィリピンから、Marlon Alta（ＷＢＣユース・インターコンチネンタル ミドル級タイトル保持者）を
迎えてのＯＰＢＦ東洋太平洋ミドル級王座決定戦。
彼の試合映像や情報などは得ていますか。

●淵上
ＫＯ率は高いですけど、映像を見る限りそんなにファイタータイプでもないような…？
試合のイメージは、やっぱり後半勝負ですかね。
前半は相手のパンチとかを見て、後半はそれに対応していきます。
テーマは、倒して勝つっていうのと、世界戦で成長できた自分を見せなきゃいけない。

●こんどう
今は世界戦の時よりも強い？

●淵上
はい。それを見せられるように練習もしてきました。

●こんどう
試合会場は今回初めての、日野市の体育館ですね。
中屋ジムの選手が全部で５人！出場します。
抱負をどうぞ。

●淵上
僕が１０年間お世話になっている日野自動車の地元ですし、
ふだん後楽園ホールまでは来られない人もたくさん来てくれると思うんで、
試合を見てもらって、何かを感じてもらえたら …勝って、感謝を伝えたり、元気づけることができたらいいなって。

ずっと僕を支えてくれている応援団にも。
感謝を込めてリングに立ちたいと思います。
そして、皆でいい試合をして盛り上げたいです！

━━━･･･━

●こんどう
世界戦はファイトマネーも桁が違いましたか？

●淵上
ドルでもらったので、円にすると…？？？
その前の東洋太平洋タイトルマッチの（ヒミツ）倍くらい…？？
１ドル何円かによって、かなり違いますよね。
いつ、円に換えたらいいですかね～（笑）？

●こんどう
先日、ゴロフキンがニューヨークで行った試合が
ＷＯＷＯＷ『エキサイトマッチ』で放送されるということで、
淵上さんへも取材があったそうですが－
ちなみに淵上さんちではＷＯＷＯＷ見てますか。

●淵上
いえ、見れないです（笑）。

●こんどう
え゛ぇ～！？相変わらず他人の試合に興味がない…？？？（笑）

●淵上
そうですねぇ、テレビ見て時間を使うよりは、自分で動いてた方がいい、みたいな（笑）。