みなさま、2016年夏をいかがお過ごしでしょうか。
リオデジャネイロでのオリンピック、日本勢も闘っていますね。
まだまだ暑い日は続きますが、私たちも闘っていきましょう〜!

 

 


早速ですが下記の絵↓、とてもあざやかな色彩ですね。

 

コモゴモ展にお越しになられた方なら、きっと見覚えあるはず。
 

今回のご紹介は、コモゴモ展にて毎回絵画作品を出展されているこの方。
水彩画家の立川陽介さんです。
毎年8月に行う個展を目前に控え、
その色彩豊かな、絵のひみつを紐解いていきたいと思います。


立川陽介水彩画展

2016.8.18~8/28 
アートギャラリー
ギャルリーヴィヴァン・銀座ヴィヴァン 

http://www.g-vivant.com/art2016.html

 

 


 

 

 


立川 陽介(以下略T)プロフィール
大分県生まれ
武蔵野美術大学油絵学科卒
現在は水彩画一筋で活動しています。

 


インタビュアー プロフィール
KOMOGOMO展活動委員会 
実行委員(以下略K)  がま口革屋やあちゃこ 
東京藝術大学油画技法材料研究室出身


 

 

 

 


K
元々は、油絵をやられていたんですね。
もうここのところずっと、水彩画一本で
活動されているそうですが、
水彩を描くきっかけになった事は何かあったのですか?

T
学生時代は油絵科に所属していましたが、
油絵は殆ど使っておらず、アクリルガッシュや石膏を使って
削る技法で製作していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


卒業後は10日間、ギャラリーに寝泊りしながら
部屋一杯のライブペイントなんかもしました。

 

 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

T
卒業後しばらくして、留学のお金を稼ぐために、
名古屋の自動車部品の下請け工場で
人間機械になっていた時に水彩だけは
ドローイング程度にやっていました。

なかなか過酷な労働環境で
「絵を描くことで自分のアイデンティティーを保つ」
みたいな日々でした。。

その働いたお金でドイツへ行ったのですが、
相変わらず貧乏で、画材を買うお金もなく、その時も
ドローイング用に持ってきていた水彩を 使い始め、
水彩の奥深さを再認識したのがきっかけです。

 

 

 



 

 

 

 

 

K
なるほど。
貧乏という制約の中で、生まれたのですね。
ドイツに留学されていたんですね。
なぜドイツを選んだのですか?

T
とにかくどこでもいいから日本から出て外をみたい!
っというのが大きかったです。


学生の頃1人でバイクで
日本中を野宿旅したり、歩いて伊豆半島を一周したり
(10日かかりました 汗)していました。

 

 

 



 

 

 

 

 

そして、この旅を終えるごとに
自分の旅雑誌をデザイン、印刷、製本までして
販売していました。

 

 

 




 

 

 

 

 

 

ドイツを選んだのは、この旅の延長上の感覚もありました。
あとは当時好きだった、ポルケやリヒターなど
人気作家がいた地というのもありましたし、
幼少期3年住んでいたということも動機の1つでした。

K
今の作風に至った流れなどもあれば、ぜひ教えてください。

T
ドイツに居たころは、とにかくよく美術館に行きました。
むこうでは、美術館が無料の日があったり、
撮影がOKだったりするので何度も通いました。

 

 

 




 

 

 

 

 

現代絵画やインスタレーションなど現代美術が
ドイツはとても盛んで、そんなキラキラ新しい作品が
華々しくある一方、
別室の常設展ではいわゆる巨匠の絵など、
20世紀絵画があって、だんだんと、
その常設展の作品のほうにむしろ惹かれていきました。

中でもムンクの絵は本物を見て衝撃をうけ、
何度も同じ絵を見に通いました。

この様な体験が僕のスタイルになっていったんだと思います。

 

 

 


Edvard Munch - Melancholy (The Reinhardt Frieze),
1906-07 (tempera su tela, 90 x 160 cm - Neue Nationalgalerie, Berlin)

 

 


K
絵のコンセプト、モチーフ、素材、技法等、
立川さんの絵について教えてください。


T
水彩画という、こんなに難しくて、
いい意味で思い通りにいかず、発色が良く、
かつ手軽な画材はないと思っています。

「色使い」が僕の絵の特徴でもあるので、それを
やさしく包んでくれながらも、失敗を許してくれない
厳しい環境も作り出してくれています。
ツンデレな画材ですね 笑

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 


K
私も最近知ったんですが笑。
立川さんの絵には、謎が隠されているそうですね。
一体、どんな仕掛けがあるのでしょう?!

普通に見ても、ひっくり返して上下逆に見ても、
違う絵が楽しめるという。だまし絵的な?
面白いですね。

なぜそういうようなものに仕上げたのですか?


T
そもそも絵の中で色を使って
距離感を逆転させたり画面の中の色彩を
どう操作するか等考えて います。

距離感の逆転が現在と夢の世界の逆転・・っと発展して
どちらにひっくり返しても描いてる風景が
秩序をもっている・・っと
いうふうになっていきました。
全ての作品ではありませんが。

例えば今回の個展の案内状の作品は
ひっくり返すと雑木林が画面上部に現れます。

 

 

 

 




 

 

 

 

 

 

 

上下があるようでないので、構図や形の面白さや
「違和感」を感じ取ってもらえたら嬉しいです。

K
なるほど。
立川陽介マジックと言いますか、
観る人の視点によってもまた、無限の世界が広がっていく。


K
では、あと数日で始まる、
今年の個展に向けてのPRをお願いします!!! 

T
今回はKOMOGOMO展のお陰で
例年になく枚数を描いた1年だったので
絵に変化がでてきました。
大きいサイズの作品も展示しますので、是非、
少し新しい現代の水彩画の世界を見にいらしてください!

次回後編は、こちら
http://ameblo.jp/komogomoten/entry-12189617606.html
コモゴモ展での経験と
立川陽介水彩画展にさらに迫る・・・。



立川陽介webサイト
http://journey.main.jp/