3月8日の「国際女性デー」に合わせて、セクハラ防止などを訴えようとした中国
の女性活動家5人が、直前に各地で一斉に拘束されました。5人は、男女の
平等な権利を求めるなど、北京、杭州、広東省広州などで活動していました。
5人の女性は、セクハラ防止のステッカーを公共交通機関の乗客に配ることを
計画していましたが、3月6~7日に、連行されました。当初は、騒動挑発容疑
でしたが、のちに公共の秩序を乱したという容疑に切り替わった、とのこと。
穏健な活動に対する公安当局の強硬姿勢は、習近平指導部が、市民運動を
警戒している表れと受け止められ、各国からも非難の声があがりました。その
結果でしょうか、4月14日までに、全員釈放された、ということです。しかし、
5人の釈放は条件付きで、今後1年間当局の監視を受け、活動も制限される
ということです。拘束されていたのは、20~30代の女性です。アメリカのヒラリー・
クリントン前国務長官が、ツイッターで「許せない」と批判するなど、各国から
非難の声が上がり、日本、イギリス、韓国などで、抗議デモも起き、アメリカや
EU(欧州連合)は早期釈放を求めていました。これに対して、中国は、内政干渉だ
として反発しています。北京公安当局は、メンバーが関わっていた、北京の
人権NGOのセンターを家宅捜索もしています。女性活動家拘束は、市民運動を
支えるNGの弾圧にある、という見方も強い、と報じられています。中国へは、私
自身も、20年も前ですが、1995年の世界女性会議の時に、取材とNGO活動
のために行った時にも、市民運動、NGOへの警戒と圧力を感じました。NGOの
フォーラムは、北京から離れた懐柔に場所が設定され、往復に苦労しました。
また、市民に話を聞こうとすると、必ず、警備している人が割って入り、話が
できないようにしていました。また、NGOの仲間と話している周りを警戒して
歩きまわっていたり等、常に監視されていた印象です。それから変わったところも
もちろんあるのでしょうが、このようなことが繰り返されると、人権が守られていない
国として、いくら経済発展しても、多くの国が心からの付き合いはしないと思います。