陛下のご意思を歪める有識者会議 | 衝動記

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自分の心の中の衝動を文字や文章にして表してみました。











表現者 2016年 11 月号 [雑誌]


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先日、天皇陛下が9/15日に譲位の意向を示されたことを受けて、官邸に天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議が設置され、会議が行われました。

●生前退位の有識者会議、石原氏・櫻井氏らヒアリングへ:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASJBW5F5YJBWUTFK00G.html

 天皇陛下の退位をめぐり、政府が設置した「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」は27日の会合で、ヒアリングを行う皇室問題や憲法などの専門家16人を決定した。ヒアリング対象者は次の通り(敬称略)。

 石原信雄(元内閣官房副長官)▽今谷明(帝京大特任教授)▽岩井克己(ジャーナリスト)▽大石眞(京都大大学院教授)▽大原康男(国学院大名誉教授)▽笠原英彦(慶応大教授)▽櫻井よしこ(ジャーナリスト)▽園部逸夫(元最高裁判事)▽高橋和之(東大名誉教授)▽所功(京都産業大名誉教授)▽平川祐弘(東大名誉教授)▽古川隆久(日大教授)▽保阪正康(ノンフィクション作家)▽百地章(国士舘大大学院客員教授)▽八木秀次(麗沢大教授)▽渡部昇一(上智大名誉教授)


その中身についてはこちら。

●第2回 天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議議事次第
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/koumu_keigen/dai2/gijisidai.html

その資料の中に「摂政設置事例」というのがありまして、

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/koumu_keigen/dai2/sankou2.pdf

なぜ、摂政を置かねばならないのかわからない。
摂政の設置は陛下のお言葉の中に否定されているように思われる。

●特設 天皇陛下 お気持ち表明|NHK NEWS WEB http://www3.nhk.or.jp/news/special/japans-emperor/index.html

そして、皇室典範の16条に

●皇室典範
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO003.html

第十六条  天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。
○2  天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為をみずからすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。


今の今上陛下に摂政を置くことは皇室典範の否定になります。
日本文化研究所代表で古代史の専門家である高森明勅氏は表現者69号で

陛下は譲位を望み、摂政ではダメだとはっきり仰った。あそこまで誤解の余地なく明らかにされた以上、実現されなければ天皇のいう存在の尊厳が大きく損なわれるということです。
今の皇室典範で譲位の規定はなく、天皇が崩御して初めて即位が為されるとあります。
しかも憲法2条には「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範 の定めるところにより、これを継承する。」あり、憲法は典範の定めるところによるとありますが、皇室典範には「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する。」とある。

そうなると皇室典範の改定でしかあり得ない。

特措法でやるとなると憲法違反になる。それは譲位と即位は一体ですから憲法違反の即位といえるわけです。
ですから皇室典範の改定しかないというのが私の考えです。

しかし、天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議では陛下の望まない摂政の設置事例について議題に上がり、皇室典範の改定は議題に上がっていない。

これには女性天皇などの問題も孕んでいるので触れたくないというのが本音なのかもしれません。
しかしながら、陛下のご意向通りにするために皇室典範の改定は避けては通れない。
しかしそれに触れず

●【譲位】自民・下村博文幹事長代行 特措法は「有力な考え方」 - 産経ニュース http://www.sankei.com/politics/news/161030/plt1610300012-n1.html

 自民党の下村博文幹事長代行は30日のフジテレビ系「新報道2001」で、天皇陛下が意向を示された譲位について、政府が特別措置法制定を検討していることについて「有力な考え方だ」と述べた。

 女性宮家創設など皇室のあり方や天皇陛下のご公務軽減といった課題については「きちんと議論し、皇室典範を含めた改正を、これから本格的に、別に考えなければならない」と発言。安倍晋三首相の私的諮問機関「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長・今井敬経団連名誉会長)では、譲位に絞り議論すべきとの認識を示した。



こうした事を述べている。天皇陛下のご意向通りにゆくのならば摂政を置かず、憲法違反にもならずに譲位できるようにするのが臣民たるものの務めであり、それをやらずして日本の尊厳は保てるのか?

保てないであろう。こうした日本はまた一つ破壊してはならぬものを破壊していくのかもしれない。



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