赤めだか(立川談春)


「離れて忘れた方が身のためと、実は誰もが一度は考える悪女のような人だが、それでも忘れきれない、思い切れない魅力がある」


その出会いは天国か地獄か。いやー、イバラの道、ですね。けれど惚れちゃあしょうがない。落語なのか師匠なのか、でも両方じゃないとやっていけないだろうなー。


さすが噺家さんの書いた本、つかまれてそのまま引っぱられました。破天荒な師匠に入門、だけど類友なのか弟子も負けず劣らず個性的。師匠にふりまわされつつも、多分師匠も「カンベンしてくれよ~」と思ったに違いない。談志師匠も書いてくれないかなあ。(とおもったらありました。「談志が死んだ―立川流はだれが継ぐ/立川 談志」)


落語協会の脱退騒ぎあたりの事情はそれだけで本が2,3冊できそうですが、知らなくても楽しめます。特別篇についてはちょっと唐突ではありますが、落語と立川流への並々ならぬ思いにあふれてました。


(2008年8月5日読了)
[内容説明]
サラリーマンより楽だと思った。とんでもない、誤算だった。笑って泣いて胸に沁みる、「家族以上」の師弟関係。17歳で天才・立川談志に入門した談春が落語家前座生活を綴った、破天荒な名随筆。

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■あらすじ(反転して)
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[目次]
第1話 「これはやめとくか」と談志は云った。;高校を中退して談志に弟子入りを申し出たが家族から反対され新聞配達をしながら弟子入りすることに。ごった煮のカレーをご馳走になる。
第2話 新聞配達少年と修業のカタチ;寄席に前座として入っての修行ではなく立川流はイエモト宅に通う。同期は3日遅れで10才年上の弟弟子と談春、談秋という名前をもらった。関西、談々の4人でイエモト宅の雑用をしていたが談秋はほどなく廃業。
第3話 談志の初稽古、師弟の想い;稽古をつけてもらうようになった。だが行き違い(思い違い?)があり稽古をつけてもらえなくなる。
第4話 青天の霹靂、築地魚河岸修業;文字助師匠から築地で礼儀作法を学んでこいといわれ3人は築地の餃子屋に1年勤めた。新しい弟子志らくはこの築地修行を断った。
第5話 己の嫉妬と一門の元旦;弟弟子の志らくはマイペースで前座内では浮き気味だったが、志らくと付き合うようになる。
第6話 弟子の食欲とハワイの夜;落語協会から脱退したため立川流はイエモトの家に集まることになる。弟子は食事を自分で調達していたがスーパー前でがっついているところをイエモトに目撃され翌日はチャーハンがでた。イエモトと二人でハワイに行くことになった。バンコク行きと間違える珍道中に。
第7話 高田文夫と雪夜の牛丼;志らくと二人で勉強会をはじめる。志らくにとって恩人の高田文夫も見にきてくれて、米助、小遊三とも交流。
第8話 生涯一度の寿限無と五万円の大勝負;修行仲間4人で二ツ目に挑戦することになった。朦朧としながらも試験は合格、昇進披露会が催された。
特別篇その1 揺らぐ談志と弟子の罪―立川流後輩達に告ぐ;立川流の二ツ目、真打昇進の基準、
特別篇その2 誰も知らない小さんと談志―小さん、米朝、ふたりの人間国宝;米朝の新作落語を演じる許可を得るために奔走。志らくが先に真打になった。弟弟子に先を越され、どういう形で真打になるかが見守られた。月1の会を六ヶ月続けるトライアル、最後は小さん師匠にお願いした。

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