くろうまは列車の夢を見るか? | 小倉沙耶のやわやわ日和

小倉沙耶のやわやわ日和

鉄道アーティスト小倉沙耶のマイペースな鉄生活ブログ

お世話になっている方から、素敵な麦焼酎をいただきました。
宮崎県、神楽酒造さんの「ひむかのくろうま 長期貯蔵酒」です。

{CAD2318C-AAB6-498A-9D38-BAA5C121B41B:01}

実はこの焼酎、鉄道が通った...ではなく、通るはずだったトンネルを使って貯蔵されたもの。
2005年に起きた台風14号の被害のため、残念ながら2008年に廃止となった、宮崎県の高千穂鉄道。
今年11月に土木学会推奨土木遺産に2つの橋梁が選ばれた、熊本県の立野~高森間を結ぶ南阿蘇鉄道。
両鉄道とも、旧国鉄の特定地方交通線だった高千穂線(高千穂鉄道)、高森線(南阿蘇鉄道)を第三セクター化して誕生しました。
2つの路線は元々、大正時代に定められた「改正鉄道敷設法」によって「熊本県高森ヨリ宮崎県三田井ヲ経テ延岡ニ至ル鉄道」という形で計画されており、一つの路線として結ばれるはずでした。
しかし、高森~高千穂間はトンネル掘削中に異常出水が起こったため工事を中断し、1980年に路線の建設が凍結されました。
そのあたりについて詳しくは、過去に書かせていただいたこちらの記事をご覧ください☆

神楽酒造さんでは、鉄道用として使われるはずだったトンネルの一つを貯蔵庫として用い、周辺を「トンネルの駅」として整備しました。
私も3年前に訪れたことがあるのですが、その頃は焼酎が苦手だったり、そもそもレンタカー利用の一人旅だったため購入も試飲もせず...

トンネルの中でゆっくりと眠り、薄い琥珀色となった焼酎は、列車の夢を見ていたのでしょうか。
特別な日に、じっくり愉しみたいと思います。