松本山雅FCvsグランセナ新潟FC:観戦レポート | ここからJリーグ

松本山雅FCvsグランセナ新潟FC:観戦レポート

その山雅、規格外につき

松本山雅FC 4-0 グランセナ新潟FC

 来場者数4014人。昨日の「AC長野パルセイロvsFC上田ジェンシャン」の1000人でも多いと感じたのに、やはり北信越は一味違う。ちなみに今年のJリーグ開幕戦で入場者数が最も少なかったのはニンスタで行われた「愛媛FCvs水戸ホーリーホック」の4018人。ホーム開幕戦ならば笠松で行われた「水戸ホーリーホックvs徳島ヴォルティス」の2057人。何かしらよからぬ統計を出してしまった気がするが、特に恨みはない。松本山雅FCの開幕戦に多くの人が詰め掛けたという印象が伝わっていただければ。

 4014人が見守ったこの試合は、松本山雅FCがキャプテンでエースの柿本のハットトリックで4-0でグランセナ新潟FCに勝利した。前半は早い時間帯に先制点を奪ったものの、攻めども攻めどもゴールを割れず、もどかしい展開に嫌な予感がよぎった。しかし後半はグランセナ新潟FCが動いたことも働いたのか、しっかりと得点を重ねて最高の結果でこれ以上ないスタートダッシュをきった。

松本山雅FCvsグランセナ新潟FC:スタメン
松本山雅FCvsグランセナ新潟FC:前半終了
松本山雅FCvsグランセナ新潟FC:試合終了

バージョンアップしたNew松本山雅FC

 松本山雅FCの攻撃はまず前線の選手にボールを当てることで始まる。そこから柿本らのキープを生かしてSBやDMFのオーバーラップを引き出して突破していく。先制ゴールとなったシーンがその典型で、左サイドを突破しつつも最後にシュートを放ったのはDMFの三本菅だった。そうすれば基点となるFWをマークしてしまえばよいのだが、2点、3点目がそうだったように浅い位置からのクロスを柿本が合わせるという得意のパターンも顕在だ。去年に比べて攻撃の引き出しが増えた分、得点力が増した印象である。

 不安要素は守備にある。特にゴールキーパーとディフェンスの連携不足が目に付いた。例えば不用意なバックパスにゴールキーパーが処理し切れずあわやオウンゴールのシーンがあったり、ディフェンスが対処すればいいようなルーズボールにゴールキーパーが飛び出してしまったりと、今日になって初めて組んだのかと思うぐらいの連携不足だ。今日は結果的に大丈夫だったが、もっと連携を高めていかなければいつか自滅する。
ここからJリーグ-松本-G新潟

松本山雅FCは昇格できるか・・?

 まず北信越を勝ち抜けるかどうかはツエーゲン金沢やJAPANサッカーカレッジを見てみないと何とも言えないので、北信越で優勝したら地域決勝を勝ち抜けるかという問いに差し替える。私の答えは条件付のYES。攻撃は昨年のそれを上回っており、間違いなく通用するはずだ。昨年のレノファ山口FCのようなチームと当たっても競り勝つぐらいの力はあるだろう。

 条件付の条件部分は先ほど言った守備にある。あとは攻守の切り替えをきちんとこなせるか。グランセナ新潟FCは ものさし にしては長さが足らなかったので、何とも言えないというのが正直なところだが、カウンタータイプのチームに当たったときに簡単に決壊してしまう気がする。

 あとは気持ちの面だ。相手に退場者が出た後半35分から気が抜けたようにプレーが軽くなった。疲れたとは言うまい。4点のリードがセーフティとはいえ、あの気の抜け方は異常だ。

 守備の連携を修正できたとき、昇格するだけのチーム力がついたと言えるだろう。
ここからJリーグ-松本-G新潟

諦めなかったグランセナ

 グランセナ新潟FCは厳しい状況ではあるが、前半はよく耐え抜いたし、後半は守備に追われながらも最後まで得点を奪いに行く姿勢をみせた。結果は残念に終わったが、新潟からかけつけたファンにとっても次につながる納得の試合内容だったはずだ。
ここからJリーグ-松本-G新潟