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国公労連オフィシャルブログ★貧困と格差なくし国民の暮らし守る行財政・司法へ


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国公労連は、6月19日(金)~20日(土)の2日間、東京で「2015国公青年セミナー」を開催しました。

今年の国公青年セミナーには、全国の国家公務員の職場から40名の青年が参加しました。
国家公務員の職場の問題を、各省庁や地域の枠を超えて共有し、今後、わたしたちの労働条件をどう決めていくべきか、講義と実際のアクション(国会議員要請行動や制度所管当局との交渉)を通じて実地で学びました。

国公青年セミナーの各プログラムの内容については、セミナー2日目のグループワークで参加者が振り返って議論し、当ブログ記事として以下にまとめました。ぜひご一読下さい。

講義1「国家公務員の労働条件はどのように決まるか」

講義2「国会の労働法制改悪と私たちの労働条件」

国会議員要請行動

人事院交渉

内閣人事局交渉

国公共済会制度について

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今日「2015国公青年セミナー」で国公共済会常務の近藤さんを講師に迎え、国公共済制度について学習しました!

その制度を簡単に説明したいと思います。


制度紹介

 

労働組合は18世紀にイギリスのパブ(居酒屋)で労働者たちが怪我や失業に備えてお金をだしあったことから始まりました。

つまり共済は労働組合の原点そのものなのです。



ポイント

1.国公共済会は利潤を目的としていないので、5%分が不要です。

2.事業費は民間より15%低く、さらに節約して残った全額を加入者に還元金としてお返ししています。

3.国公共済会は代理店がありませんので、代理店手数料26%をそっくり純掛費に充てられます。

4.国公共済会の純掛費の剰余金は、その全額を加入者に還元金としてお返しします。

5.国公共済会は掛金のうち給付にまわる分(純掛費)が70% 民間損保のほぼ倍です。

 

各制度

組織共済…団結共済と慶弔共済。組合員の組合活動中の事故などの救済や慶弔金の給付。

生命基本共済…死亡したときや事故・病気を問わず障害が残ったときに共済金を給付。

医療共済… 病気やケガによる入院・休業加療に共済金を給付。

交通災害共済…交通事故による死亡・後遺障害・入院・通院に、共済金を給付。

火災共済…建物や家財の火災や風水害、落雷などによる損害に、共済金を給付。

シニア共済…OB組合員とその配偶者の入院・通院・死亡・後遺障害に共済金を給付。

セット共済…生命、医療、交通をセットにしたもの。

 

 

講義を受けたみんなの感想

 

Tさん

火災共済に入っています。入った理由は実際に民間と比較して安かったので入りました。特に地震見舞金(最高300万円)が特約までついてくる!民間の地震保険に入るとかなり高い!!

 

Mさん

まだ、私は民間の保険に入っています。正直、私は国公共済会の説明を何回か受けており、その安さと給付の素晴らしさは知っています。

ただ、今の保険を抜けるのがめんどくさくて…いつも忘れてしまいます。今度こそ民間の保険をやめて、国公共済会に入ります!

 

Iさん

国公共済会に入ったきっかけは、職場の先輩にすすめられてワンコイン共済に入ったのがきっかけ。若いうちは保険やら共済などまったく興味がなかったけれど、なんとなく入りました。体は丈夫な方で病気はしませんでしたが、若いうちはスポーツなどいろいろ活動するものですから、けがをすることも多い。気が付けば骨折等で2回も入院経験・・・。そのたびに国公共済会のお世話になりました。入院による突然の医療費負担は若手にとっては大きな痛手となります。まさに入ってよかった、国公共済。助け合いの精神に救われました。現在も本日の講義のとおり、順風満帆の生活をおくっています。

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人事院交渉1


国公労連青年層の各単組代表は平成27年6月19日、人事院交渉を行いました。全国の青年層職員の処遇改善を求める要求を記載した要求書を「青年の切実な思いを受け止めてほしい」と提出し、延べ8人の切実な要求を訴えました。


冒頭、青柳調査政策部長の「青年層が抱えている不安や現場の声をよく聞いてほしい」との発言を受け当局側は当初「数年前の給与引下げ勧告や給与制度の総合的な見直しを行ったが、人材確保の観点から若年層には引下げを行わない等の配慮を行った」「超勤縮減及び福利厚生費の分配等については対応策を検討しているが基本的には現場の対応に任せている」などの回答を行いました。

人事院交渉3

人事院交渉6


これに対し、「形式的な回答は何度も聞いている、極めて不十分な内容だ」としたうえで「寒冷地手当や通勤手当については地域の事情が反映されていないので在勤地手当も含めて地域の特性に応じた柔軟な対応を行って欲しい」「非常勤職員の制度条件については一律3年ルールの撤廃を始め、休暇制度や諸手当の改善を行い雇用安定と均等待遇に努めて欲しい」「特に高卒採用者の初任給が低いので、若年層職員のモチベーション低下に繋がらないよう総合的な見直しを行って欲しい」など、様々な現場での切実な要求について訴えました。

これを受け、当局側は「青年層の現状を真摯に受け止めたい」と回答しました。

この交渉を終え、当局側がどのような対応をしていくかを期待しつつ仲間の要求実現に向けて引き続き奮闘します!

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山添拓弁護士に「国家公務員の労働条件はどう決まるのか」をテーマに、国家公務員の労働基本権、人事院勧告制度、賃下げ違憲訴訟、国家公務員の労働基本権の回復について講義をしていただきました。

山添弁護士は東大法学部卒で、難しい内容をわかりやすく話していただきました。

労働基本権の保障は勤労者の経済的地位の向上を目的とするもので、その保障は公務員にも及び、労働条件の最低基準は憲法と労働基準法に定められています。

国家公務員の労働条件は、人事院の報告(勧告)を受けて国会が決定します。国家公務員には労働基本権が制約されており(労働協約締結権がない)、その代償措置として人事院があります。

賃下げ違憲訴訟は、労働基本権制約の代償措置である人事院勧告を無視した賃下げという憲法違反の暴挙です。第一審判決では、従来の最高裁判決の枠組みを逸脱し国会の大幅な裁量権を認め、必要性・人事院勧告制度がその本来の機能を果たすことができないと評価すべき不合理な立法でない限り合憲、との判断基準が示されましたが、この判断基準自体がきわめて不合理です。

賃下げ時に人事院は何の対抗手段も持たず、結果として2年間の国家公務員の賃下げが実行され、裁判となってしまったのは不幸な事態だと思いました。公務労働者は労働基本権が制約されており、その代償措置である人事院も機能を果たせていない中、労働基本権回復をめざし、組合員として運動を広げていく必要があると感じました。

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議員要請1(清水ただし)


6月19日(金)、降りしきる雨の中、国会議員要請行動に参加しました。議員要請とは、国会議員の方に各々の職場の実態を訴え、青年たちの切実な要望を伝えます。全国から様々な省庁の人が集まっているので、要望も様々ですが、共通していることがひとつ。

 

「人が足りない!」

 

ということで、いざ行かん議員会館!

 

ですがその前に、議員要請に行く前に事前説明を受けました。「今は国会期間中だし、ほとんどは秘書さんが対応して終わりだと思う」とのこと。「まぁ、そらそうか」と思いつつ、簡単な流れの説明を受けました。

 

改めて、いざ行かん議員会館!

議員会館の周りには警視庁(らしき)人たちがたくさんいて、会館の中もセキュリティーが万全の様子でした。(エラいところに来てしまった)と緊張しながら議員会館の各階の議員さんの名前を見ると見覚えのある名前もちらほら(元気ですかー!)

 

最初の部屋のインターホンを押すと秘書の方が出てこられ、要請書の説明をしながら資料を渡します。

「国家公務員の人数が、2003年の約80万人から今や約30万人までに削減されています。定員合理化計画の中止及び人員増と、そのための予算を確保するよう、政府に働きかけをお願いします」(本当はもっとグダグダな感じで喋っています)

 

秘書の方は「分かりました」と言って要請書と資料を受け取られて部屋に戻って行きました。

 

「あ~緊張した~」と感想を言うのも束の間、次の議員さんの部屋に向かいます。藤野保史議員の部屋です。インターホンを押します。「国交労連です~」と言うと秘書の方が出てこられ「国家公務員の人数が(以下略)」としているうちに、部屋の中から藤野議員ご本人が登場。「どうぞ」と部屋の中に招かれました。

 

頭の中が!?となっている状態で藤野議員に要請書を直接渡して、机を囲んで各自の職場実態を訴えました。「業務量が多くて十分な行政サービスの提供が厳しいです」「技術職ですが、若手が少なく技術の継承が難しいと感じます」など、切実な様子を伝えると、藤野議員は本当に親身に聞いてくれていました。


 

その他の議員の方の部屋にも回りました。秘書さんが対応する場合もあれば議員さん本人が直接対応される場合もあって、議員要請を終えました。

 

一通り要請を終えて思ったことは、意外と話を聞いてくれるもんだな、ということでした。最初は門前払いが関の山かと思っていましたが、自分たちの職場実態を率直に話せば共感もしてもらえるし、その実態に基づいた要請だと理解もしてもらえます。やはり大切なのは

 
「自分たちのことは自分たちで直接伝えること」

 

だと感じました。

 

自分たちの職場のことは自分たちが一番よくわかっていると思います。初めて参加してグダグダな感じでもちゃんと聞いてくれるので、みなさんもぜひ参加して職場実態を直接訴えていただきたいと思います。

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中玉利3



第二講義では、「国会の労働法制改悪と私たちの労働条件」について、全労働省労働組合中央執行委員の中玉利さんよりお話をいただきました。労働法制改悪については、6月19日の講義当日に、労働者派遣法案が衆議院を通過し、タイムリーな話題ということで参加者の青年たちも関心が高いものとなっています。

 

青年の将来の展望を奪う「労働者派遣法」

労働者派遣法の問題点として、主に派遣会社が紹介料としてマージンを取ることから、本来の労働に見合った対価がもらえないことと、派遣労働者の使いまわしによって、正規雇用者が増えず、派遣労働者が増えていくことが話されました。

自分たち公務員にとって、派遣法やその改正法案が、どう自分たちの仕事に影響するのかをあまり意識していませんでした。今回の話をお聴きして、この法案が、若者の雇用を不安定にし、また、職場にも非正規の職員が増加していくことにつながっているという印象を持ちました。


中玉利6

 

国家公務員でも関係するかも?「労働時間関係法改正案」

労働時間関係法改正案の概要にかかわっては、フレックスタイム制の「積算期間」の上限を1か月から3か月に延長することや、高度プロフェッショナル制度(=残業代ゼロ法案)について、当初は年収1000万円以上と決めていても、派遣法のように徐々に適用の水準が切り下げられる問題点が話されました。

今回の改正案は、直接国家公務員に影響されるというわけではありませんが、これが可決されると、いずれ更に改正されて、自分たちにも適用されるようになるのではと、思いました。今回学んだことは、さらに今後も自分の理解を深め、職場の青年層等にも還元していきたいと思います。

中玉利1

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なかま、あつまる

 

619日、国公青年セミナーでのとりくみのひとつとして、内閣人事局にて行政・司法の体制拡充を求める交渉を行いました。

 

交渉の中では全労働・全通信・全法務・全司法・国土交通労働組合の仲間から事務管理・窓口対応・インフラ管理・ソフト管理の点で切実な職場実情が訴えられ、「職場に圧倒的に人が足りていない」との発言が相次ぎました。

 


現場との 温度差感じる 塩対応(字余り)

 

一方で当局の回答としては合理化の話は数値目標挙げつつ、「労働者の労働環境」には踏み込まず、政府の言う「人件費削減」の一点張りであったことが特徴的でした。


 

要求行動の継続必要性

 

まさに参加者にとってはモチベーションの下がる交渉であった一方、現在の国家公務員が業務として行う、そして国民が求める行政・司法サービスの維持・拡充のためには、これ以上の減員は許されるものではないことから、引き続き青年から体制拡充を求めて「生の声」を上げていく必要があります。

 

参加者の声:

「もっと、私たちの声に耳を傾けてください。『塩対応』すぎます。」

「苦情が多い窓口業務を行っています。人が足りません。メンタル疾患になる方もいます。」

「かつて3人で行っていた業務を一人で行っています。どうにかしてください。」

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中嶌聡/NPO法人はたらぼ
第8回:100人以上でも充実した対話はできる!


前回、個人が主体性を発揮し相乗効果を発揮するための手法であるファシリテーションを使った会議を紹介した。
今回は、組織全体での対話や、運動スタイルについて書いてみたい。


労組でよく経験するタイプの集会


恒常的な組織が常に抱える課題が若手の育成だ。
考え方は様々あるだろうが、私自身の経験では「主体的になれる場・時間が少なすぎること」が根本的な要因だと考えている。
私が経験したものを振り返りながら検証してみたい。

合宿や泊まりがけの集会はたいてい休日の昼過ぎに集合する。
開始早々、1時間半~2時間程度の講演と短い質問時間があり、質問者は通常2~3名で、全く質問がない時も多々ある。
会場に集まっておおよそ2時間半程度、質問者以外の人が黙ったままで進行する。
その後、15~20名程度のグループを作り、感想交流をするが、グループの人数が多すぎて、ほとんどの場合「やりとり」はなく、それぞれが時計回りに自己紹介をして1日目を終える。

つまり、13時~18時までおおよそ5時間の中で、各自参加者が発言した時間はせいぜい2~5分間だ。
その後は部屋に別れて、大浴場に行き、夕食を食べ、2次会が始まる。
部屋飲みや2次会などは交流の場にはなるが、テーマのある対話などは難しく、実のある議論にはなりづらい。

2日目も同じグループで集まり、昨日は自己紹介だけで終わっていた議論の続きとして、講演の感想やそれぞれの組織の課題などを出し合う。
ここでもせいぜい2時間で15~20名程度が話し合うので一人6~8分程度、発言回数にして2、3回が平均値ではないだろうか。
言いっ放しになることも多く、議論や対話になるような状況はさらに少なくなるだろう。


一方通行の議事進行でいいのか


このような合宿をしていた場合、夕食や2次会以外の時間で、合計して2日間で10分か15分程度しか公式な場でのアウトプット(発言機会)がないことになる。
アウトプットが極端に少ないので相乗効果が起きることもない。
飲み会での交流やアウトプットを否定するわけではないが、あくまで飲み会での交流は補助的であり、昼間の議論が活性化してこその交流だと考えると、課題が残る。

また、組織の大きな方向性を決める会議にしても、昼からの記念講演が役員からの提案に変わっただけの場合が往々にしてあるようだ。
質疑応答もほとんどなく、「すんなり」提案が受け入れられている。「侃々諤々」の文化を目指すためには、対話の仕組みを考える必要があるだろう。


大規模対話に使うファシリテーション


大規模なセミナーや交流会、イベントや、大きな方向性を参加者が有意義に話し合える手法について簡単に紹介したい。


ファシリテーションでは、1000人規模でも対話が成立する手法として、オープンスペーステクノロジー(OST)、ワールドカフェ、マグネットテーブルなどが開発されている。
例えば、ホームズビーという団体が作ったマグネットテーブルという手法では、参加者同士が話し合いたいテーマを一つ考え、A4用紙に書き、お互いのテーマを見合いながら、似たような意見や話し合いたいと思ったテーマ毎に集まり、グループを作り対話をする手法である。
これなら、「今話し合いたい!」と思っているテーマ毎に集まるため、発言を無理矢理促す必要もなく、内容も深まりやすい。
そして何より、任意のグループに勝手に分けられたのではなく、主体的にグループを選択しているため、活性化しやすいのだ。

例えば、マグネットテーブルを使って、方針提案の中で議論したいポイント毎に集まり議論してから、全体へ報告、質疑応答をするように設計すると、より深みのある議論ができ、質疑応答も活発化するのではないだろうか。

当初は戸惑うかもしれないが、次第に主体的にテーマをたて、意見をし合う場が増えていくことで、対話は活性化し、「侃々諤々」の組織の文化ができていくのではないだろうか。


アメリカの実践に学ぶ


参加者の主体性を日常的に引き出す手法はアメリカの労働運動にも取り入れられている。
組織率が日本と同様低迷するアメリカで、増員を果たしている数少ない組合の一つである全米ホテルレストラン・レストラン従業員組合(現在は合併し「UNITE=HERE」というサービス業労働者の大産別)の例をみてみよう。

そこでは、従来型の知識詰め込み型の安全衛生教育をするグループと、ブラジルの教育者であるパウロ・フレイレが提唱した主体性を育みメンバーに個々人の力を自覚させる調査方法である「参加型アクションリサーチ」の手法を用いたグループを同時にスタートさせ、後者で圧倒的な効果があったと報告している。


安全衛生に関する法律・知識を講義型で教え込むのとは対照的に、「参加型アクションリサーチ」ではまず、従業員が客室のモデル図を書いた絵を前に、どの部分の作業をどのような姿勢でしているか、どのような作業が増えたか、どの作業にストレスを感じやすいかなどを書き出していく。
このような手法の興味深い点は、現場を持つ労働者が一番の「教師」になり、必然的に主体性が発揮されることだ。

さらに、交渉時ではなく日常的な管理職との会話をロールプレイングしていく中で、「どうして私たちはこんなにもひどい扱われ方をされなければならないのか」と気付いていく。
そしてこれらを通して「おかしさ」を自ら発見した労働者は、自らの言葉で組織化を進められるようになっていくのである。


現場を知る人こそが「教師」


会議、組織集会、職場でのキャンペーン(いわゆる「オルグ」)においても、重要なポイントは、メンバーが主体性を発揮し、「ただ集まった」という以上の相乗効果を作り出すことである。
メンバーを未熟な、知識を提供されるべき「生徒」として見るのではなく、むしろ現場を最もよく知る「教師」と見る。
この見方に立ってこそ、メンバーが主体的にアウトプットする場の必要性が共有されるだろう。

こうした取り組みは、組織発展の初期段階では当たり前にされていたことなのではないか。
しかし組織が大きくなることで、改めて現場から集めなくても情報が蓄積されたこともあり、このようなスタンスが希薄になってはいないだろうか。
古いデータに基づく活動が、現場に押しつけ感を漂わせていないだろうか。

組織が大規模になれば、それにともなって技術も必要になる。
ファシリテーションや「参加型アクションリサーチ」などはその助けになると感じている。




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なかじま あきら 1983年大阪府茨木市生まれ。大阪教育大学を卒業後、外資系人材派遣会社での正社員経験を経て、大阪の個人加盟ユニオンで活動。役員として4年間で200回以上の団体交渉を経験する。ネット中継やトークイベント等の新しい運動でも注目を集める。2013年に「NPO法人はたらぼ」を立ち上げ、代表理事に。ブラック企業淘汰を目指し、企業・労働者・行政の3者をつなぐ中間団体として活躍中。新聞・テレビ等からの取材多数。



イラスト 大江萌


※リレー連載「運動のヌーヴェルヴァーグ」では、労働組合やNPOなど、様々な形で労働運動にかかわる若い運動家・活動家の方々に、日々の実践や思いを1冊のノートのように綴ってもらいます。国公労連の発行している「国公労調査時報」で2013年9月号から連載が始まりました。

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中嶌聡/NPO法人はたらぼ
第7回:「活きの良い会議」が組織を甦らせる


多様なメンバーが集うようになれば、関心や要求も多様化し焦点がしぼれなくなったり、組織としての力が分散するリスクがある。
一方、その多様性を活かすことができれば組織にとって重要な資源になる。

多様性は自然に開花するものではなく、組織が大きくなればなるほど意図的な働きかけ・仕掛けが必要になる。

多様性を活かせているかどうかは、組織としての意思を決定する会議の場面に最も表れる。
だが、大企業でも中小零細企業でも同じだが、NPO、労働組合などの民主的であろう団体でさえ、意識的に会議に取り組めているとは言いづらい。

今回は会議の在り方について、私自身の経験から考えてみたい。


組織の悪循環

地域労組の青年部として活動し始めた当初、私たちは月1回の役員会議を開いていた。
しかし、当初は人数も少なく、さらに残業などで遅れてきたり、参加できないメンバーも多く、なかなか会議にならなかった。
一方で、会議をしたところで、普段から情報の共有がされていないと、議論にもなりにくい。
結果、中心になっている役員からの報告形式になり、その確認が主になっていく。
そうすると、特段活発に意見する必要もなくなるので、参加する意義も薄れてしまう。
参加者が確保できないので、会議を開くことそのものの優先順位がさがり、開催が不定期になり、ますます情報を共有できなくなっていく。
必然的に、役割の分担ができず、中心メンバーに役割が集中していくことになった。
役割が個人に集中し始めると、処理能力に限界が来て、個人の限界が組織の限界になってしまった。

私たちはこうして、幾度となく定期的な会議を頓挫させてきた。
そのうち、比較的時間の融通がきく数人のメンバーの間でのみ密に情報交換がされ、酒の席のような非公式な話し合いの中で意思決定がされるようにもなった。



半年の停滞で立て直しを決意

こうして、少人数ながらいわゆる「いつものメンバー」による意思決定はできるようになったが、そのメンバー数人にかかる負担は大きく、さらに組織としては脆弱な状態になった。
実際、私たちの組合には解雇などの労働相談から加入するメンバーも多く、無職の間は大いに参加できるが、就職が決まると仕事に集中しなければならず、参加が遠のいていく傾向があった。

ちょうど2年がたったとき、「いつものメンバー」が就職するタイミングが重なって相次いで参加できなくなり、半年間活動が停滞した時期があった。
そのとき、改めてしっかりとした組織として立て直す必要に迫られた。
つまり、仕事をしながらでも続けられるように、限られた時間で情報共有と意思決定、役割分担ができ、定期的で、公式な会議を継続できる方法を導入しなければならない、ということである。



「会議の技術」=ファシリテーション

では、どうすれば限られた時間の中で情報を共有し、効果的な議論の結果として意思決定をできるのだろうか。
ヒントになったのが「ファシリテーション」である。

ファシリテーションとは、「促す(facilitate)こと」を意味する言葉で、参加者同士の相互作用を促すための方法論として確立されてきた。
例えば、会議においては、問題の背景を共有し、アイデアを出し、それを整理し、意思決定していく一連の行為を効果的に進める具体的な方法だ。
大ざっぱに言うなら、「会議の技術・ノウハウの集積」である(会議以外でも多様な話し合いやワークショップでも使われている)。

今ではビジネス界でも当然のように導入されているファシリテーションだが、実は、草の根の社会運動の中で生まれてきたとも言われている。
社会からないがしろにされ虐げられてきた人々をサポートしていくために、意見を出しやすいように開発されてきた技術なのだ。
近年、あのアメリカの金融街を占拠したオキュパイ・ウォールストリートの運動でも、数千人の市民が話し合い、合意を形成していくために、毎日希望者にファシリテーションの技術トレーニングが開講されていたという。


情報の共有、役割の交換


まず、私たちは、「ネガティブなことでも本音でOK」という基本的なルールを定めた。
そして、全員で「効果的な会議をみんなでつくっていくこと」を申し合わせた。
毎回の会議はそのための実験であると位置づけ、会議終了時に「より効果的な会議にするためのアイデア」をテーマに5分ほど時間を取って振り返って議論した。

そこでは例えば、「議題を事前に役員ML(メーリングリスト)にて共有しておくこと」が提案され、さらに「資料はスマートフォンやノートパソコンで見られるので全員分印刷しなくていい」というエコプランも出てきた。
議題を事前に明確にすることで、ポイントもわかりやすく、議事録が取りやすくなった。
会議後に役員MLにて議事録を共有することで、参加できなかったメンバーにも情報共有が図れるようになった。

さらに、司会と議事録係を交代制にして、いろんな人のやり方を試してみよう、となった。
実際、司会が変われば会議の雰囲気も変わり、普段あまり話さないメンバーが司会役になると張り切ったり、議事録の書き方にも個性が出て、わかりやすい書き方などが洗練されていった。



会議が良くなると組織が活性化した


私にとって大変だったのは、「議題を明確にすること」だった。
議論が不明確だと、議論のしようがなく、雑談を誘発するだけになってしまう。
議題に対するたたき台を準備することも重要だ。叩き台としての案がなくても、いくつか選択肢までは出してみるようにした。
また、どうしても選択肢まで事前に煮詰めきれない時は、まず情報を共有した上で、みんなで選択肢を出すことに集中して、その後、選択肢を吟味するといった手順を取り入れた。

大まかなタイムテーブルもレジュメに記載するようにした。
そうすることで、参加者全員が、大体どの報告・議題を何時くらいまでに終わらせないと後で詰まってくるのかがわかるようになり、議論の収拾がつきやすくなった。
事前に議題を設定する上でも、何分くらいでこの議題を終わらせるかの想定を立てることになり、その時間内で議論をまとめるために、どんな情報を提供する必要があるかなどを逆算的に考えるようになったのだ。

こういった工夫で、会議は驚くほどに活性化した。
みんな毎月1回の会議を楽しみに感じはじめ、役割分担が進み、前回紹介した「政策提言会議」「多様性委員会」「女子会」や「ユニオンカフェ」のバージョンアップが図られ、HPも更新され、ライブハウスを借り切り労働問題を語り合うイベント「U-night」まで実現していったのだ。






なかじま あきら 1983年大阪府茨木市生まれ。大阪教育大学を卒業後、外資系人材派遣会社での正社員経験を経て、大阪の個人加盟ユニオンで活動。役員として4年間で200回以上の団体交渉を経験する。ネット中継やトークイベント等の新しい運動でも注目を集める。2013年に「NPO法人はたらぼ」を立ち上げ、代表理事に。ブラック企業淘汰を目指し、企業・労働者・行政の3者をつなぐ中間団体として活躍中。新聞・テレビ等からの取材多数。



イラスト 大江萌


※リレー連載「運動のヌーヴェルヴァーグ」では、労働組合やNPOなど、様々な形で労働運動にかかわる若い運動家・活動家の方々に、日々の実践や思いを1冊のノートのように綴ってもらいます。国公労連の発行している「国公労調査時報」で2013年9月号から連載が始まりました。

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中嶌聡/NPO法人はたらぼ
第6回:多様性を活かすには


活動開始から1年が経つころには、メンバーは2倍以上になった。
メンバーが増えるとどこでも課題になるのが「多様性」の問題である。
多様性とは、組織において多様なメンバーが混在することを指すが、一歩踏み込んで、ここでは「多様なメンバーがどうすれば活きるか」という問題意識で考えてみたい。


なぜ参加者が固定化するのか

1年経ったとき、「メンバーの数は増えているのに、参加者は固定化が進んでいる」という問題が起きていた。
ある程度できてきた組織の文化に「合う」「合わない」をそれぞれが感じるようになってきたのだ。

当時の活動は、団体交渉研究会と団体交渉にほぼ絞られており、参加メンバーを一言で表現すると、「団体交渉など、直接的な解決への活動に意義を感じ参加したいと思う人」だった。

そして「緊迫した場面は苦手だが、みんなとゆるやかにつながりを持ちたい人」はなかなかメンバーとして参加しづらい状況になっていた。
実際そのようなメンバーが当事者であった場合、団体交渉と次回の団体交渉の間は、組織の他の活動にも参加しづらく、引き籠もりがちになっていることがわかったのだ。

こうした組織文化が作られた大きな要因は、役員であった当時の私の志向性にあった。
私自身が解決志向型で、何か具体的な課題を解決すること、要するに個別の労働問題をどんどん交渉して解決していくことに重きを置いていたのだ。
一方で、無目的(と感じてしまうよう)な交流が苦手だったのである。


「多様性」についての発見

当初、私は、この課題を解決するには私自身が変わる必要があると感じていた。
交流会にも意義を見いだせるにように自分が変わるべきだと考えていたのだ。
役員が多様性に対する幅を持たなければ、組織に多様性は生まれない。
だから今の組織の課題は自分の課題だと考えていた。

しかし、どうにも、ただ交流するだけの会を運営している自分が想像できない。
この問題はメンバーと一緒に考える中で解決した。
交流会を運営することがそんなに苦じゃないというメンバーが運営に手を挙げてくれたのだ。
「得意な人に任せよう」とは常に考えてきたが、実感したのはこの時だったように思う。

つまるところ、組織の多様性を担保していくためにも、メンバーの多様性が必要だったのだ。
個人で無限の多様性を受け入れるしかないと、自分を責める必要はなかったのである。
多様なメンバーで多様なメンバーを受け入れていけば良い、と自覚し始めた。
そして多様なメンバーの取り組みの中に参加することで、自分自身の多様性も自然と広がるのではないかと考え始めたのである。


レクリエーションの意義

最初に取りかかったのは、「ユニオンカフェ」という月1回の交流企画だ。
16時~22時くらいまでの時間で集まりたいメンバーが集まり、買いだし、料理、配膳、片付けをする企画だ。
重視したのは、ざっくばらんにフリーに交流してもらうこと、共同作業(買い出し、料理、配膳)の時間を組み込んだことだ。
共同作業中の偶然のコミュニケーションから関係性ができる、という必然性を作り出したかったのだ。

ユニオンカフェの進行については、「自由に交流してください」と伝えるだけでも難しく、仕切りすぎても交流しにくい。
このバランスをどうとるかは難しかったが、時々のメンバーがアイデアを出し合った。
そうしてユニオンカフェは、団交やミーティングに参加しないメンバーも集まる最も人気の定例イベントになっていった。

共同作業の中で、メンバー同士は、互いの新たな得意分野を見つけた。
例えば、スーパーのフルーツ売り場でアルバイトしたことのあるメンバーがマンゴーのうまい切り方をみんなに伝授したり、日本料理屋で働いていた料理人が誰でも作れる秘伝のおいしいカレーレシピを実演したり、音楽活動をしているメンバーが一曲披露したり、動画作成をし始めたメンバーがこれまでの取り組みをビデオでまとめて上映したりといったことができた。
これらは普段の団体交渉や会議では出番のなかった特技だった。
多様なメンバーが混在してはいたが、団交や会議だけだと埋もれていた強みが、ユニオンカフェを通して開花したのである。


自分たちをチェックする「多様性委員会」


その他、働き方を抜本的に改善していくための政策を考えたいメンバーで集まる「政策提言会議」や、役員が提起する議題ではなく、参加者からみんなと話し合いたいテーマを募り、議題毎に小グループに分かれてディスカッションする「ユニオンバズ」などが毎月の取り組みに加わった。

さらに女性役員メンバーが中心となって不定期で女子会が開催されたり、企業にセクハラ・パワハラ対策を求めるのであればと、自分たちの組織内においてもセクハラ・パワハラがないかをチェックして対応する「多様性委員会」が設立された。
この委員会では、メンバーにアンケートを採り、組織活動内におけるヒヤリハットの事例を集めて全体に共有し、相談窓口を設置した。
このような取り組みで、健全な組織活動ができるように仕組みを整えていったのである。



多様性を活かすには


多様なメンバーが混在しているだけの状態から、メンバーの多様性が活かされる組織へ変わっていくまでには、いくつかのハードルがあった。

まず1つ目に、当たり前だが、自分と他人は違うことを自覚し、既成概念にとらわれず情報を共有すること。
自分が気の進まない行動も他人は「それならやりたい」となることがある。ユニオンカフェは良い事例である。

2つ目に、安全性である。活動に参加しても安全かどうか。
つまりは、個人情報をやたらと聞かれたり、参加したくないことにも強制で参加させられたりしないかどうか、である。

3つ目に、義務よりやりたいことや強みに基づいて役割分担をすることである。
多様性が最も活きるのは、その人の志向性と行動が一致したときである。
義務的な行動に費やされる時間が増えれば増えるほど、メンバーの多様性は無意味化されていく。
私たちは、組織の維持や発展のための必要な行動を、役職に基づいてではなく、やりたいと感じるかどうかに基づいてすることにした。
そして誰もがやりたいと感じないときは、現状の多様性と規模では難しいと考え、やらないという判断をすることもあった。


最後に、4つ目として重要なのは、ミーティングやイベントを「ファシリテーション」という技術を使って参加型にしたことである。
どんなにメンバーの関心が高いテーマでも、意見が言いづらく主体性を発揮しづらい運営方法では誰も行きたがらない。
これについては、次回で詳しく紹介したい。





なかじま あきら 1983年大阪府茨木市生まれ。大阪教育大学を卒業後、外資系人材派遣会社での正社員経験を経て、大阪の個人加盟ユニオンで活動。役員として4年間で200回以上の団体交渉を経験する。ネット中継やトークイベント等の新しい運動でも注目を集める。2013年に「NPO法人はたらぼ」を立ち上げ、代表理事に。ブラック企業淘汰を目指し、企業・労働者・行政の3者をつなぐ中間団体として活躍中。新聞・テレビ等からの取材多数。



イラスト 大江萌


※リレー連載「運動のヌーヴェルヴァーグ」では、労働組合やNPOなど、様々な形で労働運動にかかわる若い運動家・活動家の方々に、日々の実践や思いを1冊のノートのように綴ってもらいます。国公労連の発行している「国公労調査時報」で2013年9月号から連載が始まりました。

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