ちょっとバトルが原作のイメージと違っていた感じです。しかし、めずらしく綺麗な画とカット割りで満足です。
今回のメインは花火なので、そこに持って行く流れを重視したように思えます。その結果、バトル場面、当然ながら説教も軽めでした。それにステイルが石でこけるシーンは笑ってしまった。これに似たシーンは原作にもあるのですが、原作ではバトルの一環として違和感が無かったのに・・・・。

大覇星祭編のラストらしい作りでしたね。
秋紗の病室のシーンは原作では騒がしい感じだったのに対して仄々とした空気が伝わってきました。上条当麻の日常---大覇星祭---を守り抜こうとした結果の暫しの平穏という雰囲気です。とくに秋紗とインデックスの会話は原作の通りです。人によって解釈が変わるでしょうが、今回のヒロインは姫神秋紗でしょう。彼女が当麻と行きたかったナイトパレード。偶然が偶然を呼び込み重傷を負うことに。本来は見捨ててオリアナの追跡に加わるのが、従来のステイルのスタンスだったのがインデックスを助けた小萌先生の存在を知っての治療。そして今回のバトルの倒れた仲間を跨いでまでも進む当麻が際立ってきました。
そして、最後の逆転に至ったのは秋紗が待ち望んでいたナイトパレードなのです。この流れがあっての秋紗とインデックスの会話が凄く意味があるように思えました。

「なぁ……そう思うだろリドヴィア? いくらてめぇの幻想をぶち殺せたっつってもよ、クラスメイトとの約束も守れないようじゃな」



*****************************************************************************************

実験用の滑走路でのバトル。
後、一歩のところで格闘技の技量の差を見せつけるオリアナ。年上のお姐さんが好きな当麻でも弄ばれていては体力も続かないでしょう。その状況をステイルが援護に・・・・。いや、当麻の存在を無視しての攻撃。勢いついでに近接戦にしようとするステイル。その肝心な近接戦が苦手なステイルはコケました。。。まあ、原作の通りですけど。そのステイルは素人の当麻に対する意地みたいなものと”重大な怪我を負った人(秋紗)を跨いでも進まなければならない”と言ったプロ意識でしょう。その結果は連携もチームワークもない個人プレー。対応が後手にまわったオリアナは当麻とステイルの同時パンチによって倒れます。
それでもオリアナは自分の生きる、或いは生きて行く指針を求め立ち上がるのです。それは全ての人が幸せになれる基準点を守ること。本来はオリアナを誰かが喜ぶ姿を見たいだけ。しかし、その喜ぶ姿の裏には悲しむ者も存在する。ならば、全員が幸福を感じる世界を作れば良い、という考えです。
最後の勝負に打って出るオリアナ。今まで一枚一枚大事にに使っていた術式。その残りを一度に使い、当麻にダメージを与えたものの当麻が勝利。

しかし、オリアナは囮で本物の使徒十字(クローチェディピエトロ)は学園都市の外れにリドヴィアが設置済み。後は決められた時間を待つだけです。その時間は6時30分。
時間切れかと思われた時に打ち上がる花火。その数は夕暮れの空を被い尽くす様です。星の明りなどは使徒十字(クローチェディピエトロ)には届きようがありません。詳しくは書きませんが若干の改変があるように思えます。原作ではナイトパレードの時間を当麻は知っていたようです。もっとも記憶を失っているので実際に如何なる状況になるのかは知りませんが1700m程度の距離だと学園都市のナイトパレードの明り(ちなみに原作ではライトアップという表現だったと思いますが)に影響されるだろうと推測していたと思われます。

当麻たちが走り回っていたのは発動場所と時間が判らないためだったのです。
結局は当麻たちが頑張ったのは無駄だったような終り方ですが最善を尽くし事前に阻止することがベストです。ナイトパレードは競技以外でのメインイベントで多くの人が待ち望んでいました。そう、秋紗もです。。当麻たちの努力が無駄になったけど、学園都市の多くの人の勝利とも言えるのでしょうね。もっともアレイスターは結果を想定していたようですけど・・・。
ローマ側は、大覇星祭に対する学園都市の人々の思いを軽く見ていた為の敗北でしょう。

姫神の病室。秋紗は忘れた頃に原作に登場します。放映時間(尺)の制限があるのであれやこれやと盛り込むことは不可能なのです。でも秋紗にもう少しだけ重きを置けば感動とは言わないけど視聴後の感想が変わっていたでしょう。秋紗の笑顔の意味も・・・。
それと当麻の病室に来た美琴ですが黒子の前で罰ゲームのことを喋っています。12巻の最初の方で黒子が罰ゲームの相手が誰だか判らず悶々としているシーンがあるのですが・・・・。それと罰ゲームの勝者が美琴であるということも12巻への布石です。

最後の飛行機での出来事は英国側が仕組んだことです。落下する使徒十字と、パイロットの命を助けるのかの二者選択を課して最後の良心を量ったということでしょう。ちなみにリドヴィアは英国側に捕まり幽閉されます。よって、パイロットも無事だと思います。

さて、次回からはイタリア編です。オルソラや天草式のメンバーがイタリアに集合しているのは何故でしょう。そして不幸な当麻がイタリアに行くキッカケは?