2015-04-20 08:20:12

マクドナルドの時給1500円で日本は滅ぶ? すでに30年実施のオーストラリアは滅んでませんが?

テーマ:ワーキングプア・貧困問題


 マクドナルドの「時給1500円」で日本は滅ぶ。(中嶋よしふみ SCOL編集長)――とのことですが、本当でしょうか?

 OECDのサイトで各国の最低賃金が分かるのですが、直近2013年の最低賃金の時給額ベスト3を見ると、1位がオーストラリアで時給15.6ドル(現在のレートの1ドル118円で計算すると時給1,840円)、2位がルクセンブルクで時給14.3ドル(時給1,687円)、3位がフランスで時給12.5ドル(時給1,475円)です。

オーストラリアはすでに30年間も最低賃金の時給1,500円以上


 1位のオーストラリアの最低賃金の時給額をさかのぼって見ていくと、いちばん昔のデータが1985年で時給14.4ドル(時給1,699円)となっていて、そこから直近の2013年までずっと上がってきているので、ようするにオーストラリアは、ちょうど30年前の1985年からずっと最低賃金は時給1,500円以上なわけです。はて? 「時給1,500円」以上をもう30年間も続けているオーストラリアという国は滅んでいませんが? ルクセンブルクもフランスも滅んでいませんが? 中嶋よしふみ氏は、「時給1,500円」に引き上げると日本を滅ぼすことになるので「100%間違いだ」と断言しているのですが、オーストラリアもルクセンブルクもフランスも実際滅んでいないので、中嶋よしふみ氏の主張の方こそ客観的事実に基づいて「100%間違いだ」と断言しておきます。なので、中嶋よしふみ氏は事実とまったく違うことを書いてしまっているので「訂正記事」を書いた方がいいと私は思います。

 それから、以下の記事にあるように、アメリカのカリフォルニア州オークランド市の最低賃金も3月2日から、時給12.25ドルになっています。オークランド市は、「滅ぶ」どころか「よりよい地域社会をつくれる」と展望を語っています。

最低賃金36%アップ ⇒ 1470円 米・オークランド 労働者と家族に喜び 住民投票で決定 “地域社会よくなる”

 米カリフォルニア州オークランド市の最低賃金が2日から、州の定める時給9ドル(約1080円)から12・25ドル(約1470円)に36%引き上げられました。これは昨年11月の住民投票で約82%の賛成で決まっていたもの。およそ4万8000人の労働者が恩恵を受けることになります。(中略)住民投票実施に尽力した運動団体「リフト・アップ・オークランド」に加わる住民組織「持続可能な経済のためのイースト・ベイ同盟」のケイト・オハラ会長は、最低賃金引き上げで「より多くの家族が家に住み続けられ、より多くの労働者が職場の近くに住めるようになり、家族と過ごす時間が増えて、よりよい地域社会をつくれる」と意義を強調しています。米国では今年中に23州と首都ワシントンで法定最低賃金が引き上げられ、500万人が恩恵を受けます。オバマ政権は政府規定の最賃を10・10ドル(約1212円)に引き上げるよう提案しています。
出典:しんぶん赤旗3月4日付「最低賃金36%アップ ⇒ 1470円 米・オークランド 労働者と家族に喜び 住民投票で決定 “地域社会よくなる”今月から実施」


 また、アメリカのワシントン州のシアトル市では、最低賃金の時給15ドルが決定されています。

シアトル市が下した最低時給15ドルの「英断」
大規模ストライキの圧力で全米でも最高水準の最低賃金を獲得。これで格差は縮まるか
ニューズウィーク日本版 2014年6月18日より)


 米ワシントン州のシアトル市議会が、最低賃金を現行の時給9.32ドルから破格の15ドルに引き上げる法案を満場一致で可決した。アメリカ最高の水準であり、今後7年以内で段階的に導入する計画だ。15ドルの最低賃金は、昨年11月に同州シータック市の住民投票でも承認されている。

 「1年前、15ドルはプラカードに載る『数字』にすぎなかった。それが今日、シアトルの10万人の労働者にとっての現実になった」と、ファストフード店の1年前の大規模ストライキを支援した団体「ワーキング・ワシントン」の広報担当は言う。

 法案の支持者は、シアトルは物価が高いだけでなく、現在の最低賃金ではフルタイムで働いても年収約1万9300ドルにしかならないと指摘していた。「低賃金で生活が苦しいという不満と怒りが、ファストフード店のストライキを生んだのだろう」と、ニック・リカータ市議は言う。「少数の人々の手にどれほどのお金が集中しているか、われわれは分かっている」

 マリー市長は最低賃金引き上げを支持し、法案の投票時には議場の後方で見守っていた。有権者も同様で、先月の調査では賛成が74%に達している。


 このシアトル市に続いて、カリフォルニア州のサンフランシスコ市でも、現在の時給10.74ドルから15ドルへ、2018年までに段階的に引き上げることが決まっています。中嶋よしふみ氏は、今回の「ファストフード世界同時アクション」含め、最低賃金の引き上げを求める労働者の運動についてもバカげてると言わんばかりに批判していますが、新自由主義の元祖アメリカでおいてさえ着々と最低賃金を実際に引き上げていっているのです。中嶋よしふみ氏には、ぜひ本当の意味でのグローバルな視点をきちんと持って記事を書くようにお願いしたいと思います。

国公一般執行委員 井上伸
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7 ■商品価格は?

時給1500円のオーストラリアのマックの
商品価格は日本と同じなのでしょうか?
時給が高い分、商品価格が高くなるということは?

6 ■Re:生活保護の話を持ち出すと、穴にはまりますよ

>七紙さん
いやぁ、貴方が出典の意味もご存じないようですのでまじめに返す気がしないだけですよ。貴方が上げたものは※2であげたものはどこの誰が書いたかわからないものを誰かが翻訳しただけのものであってそんなもので出典ありというならここのコメントすべて出典ありということになってしまいます。おそらく計算の基礎をした元データの存在を出典と勘違いしているのだと思いますが。

「権利の上に眠るものは保護に値せず」という言葉をご存知ですか?別に右寄りの思想だろうが左寄りの思想だろうがどうでもいいですが、生活保護があってもらおうと思えばもらえるのにもらわない人は保護に値しないという発想は当然あるはずです。当初のこの記事のエントリーが伝えたかった内容を考慮するなら、右寄りの人に対してもある伝わるような内容にすべきと思いませんか?
権利としてもらえる額が大きいなら保護も大きいと見る発想を否定するのはどうかと思いますね。
生活保護の実質はたぶん私も貴方と変わらない程度に知ってると思いますが私はそれはそれでいいと思っているわけですよ。少なくともその現状を変えるインセンティブは私にはないということです。

5 ■生活保護の話を持ち出すと、穴にはまりますよ

反論されると誤字と間違いだらけの文を反射的に書いて、すぐに噛みつく前に自分でもよく調べたら良いでしょう。

東京都の産業別最低賃金
http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-0513.htm
はて、これを見て、「労働協約的な何か」がどれほどの影響があるのでしょうか?
それと日本でも最低賃金の条件には様々なものがありますが、オーストラリアにだけそれを強調される理由は?

日本の生活保護を海外と比較することは妥当か?
格差社会アメリカ・ボストン市で見た貧困層の実態
http://diamond.jp/articles/-/32372

生活保護をその金額だけで比較するのは手法としてはまったく間違っています。ワークフェアを条件に非常に高い捕捉率を持っている国もありますし、それを単純に比べることができるはずなどありません。
本記事で紹介批判されている中嶋氏ですら「生活保護がセーフティネット」と認めている、問題は中嶋氏が企業はただ競争だけやって給料は抑えればよく、その後の面倒は国がみろと言っているわけです。この考えに賛同はできませんが、あなたが社会保障の話題に「日本の生活保護費の高さ」とやらを持ち込んでくるとは、あなたこそ記事をまともに読んでいないとしか思えないのですけどね。

4 ■最低賃金より1500円の問題だった気がするのですが…

※2
まぁそれはさておき…
どこに出典があるのでしょう?
つーか元記事見たら労働協約的な何か(awardとかいうらしいですね)でカバーされてないもの労働者にしかそもそも適応されな賃金な気がするのですが…。個人的には労働協約的な何かの方の賃金の法が高いのであればわざわざ業種別最低賃金なんて言わないと思うんですよね。面倒で読み込んでませんけど。

日本より社会保障が行き届いた国って具体的にどこなのでしょう?日本より生活保護費が高い国ってるどれほどあるのでしょうか。やっぱりここは公平に一番最後のセーフティネット同士での比較が欲しいところです。
堂々と出してくる資料ですら読んでないのだとしたら私としても根拠もなく話してるんだろうなぁと想像せざるを得ないです。

3 ■無題

ビックマックのセットはいくらになるんだよ?

2 ■いやオーストラリアはやはり高い

※1
要するに見習いや研修生は半分でもいいよというところをピックアップしたものでしょうが、それでも日本の1.5倍にもなるのですが。
オーストラリアに日本のような「名ばかり店長」や「奴隷的中国人研修生」のような問題がないとは言い切れませんが、労働者の権利にうるさい他の先進国では日本のような横暴は多くはないでしょうし、「普通のバイト」に払う最低賃金が日本の3倍であることは事実です。。

なお同じウィキペディアで「各国の最低賃金の一覧」を検索すると、「最低賃金で働いた場合の年収」が掲載されています。出典が明示されているので信頼できる情報として、オーストラリアは33,000ドルとなり、日本の11,000ドルの3倍になります。
法定最低賃金が規定されていない国もあるのですが、日本より社会保障の行き届いた国でも、ほとんどが日本の賃金を上回ります。

1 ■オーストラリアのそれは本当に最低賃金なのでしょうか?

wikipediaの"Minimum wage law"という項目によるとによると少なくとも2013年の時点で"Different rates apply to the young, apprentices/trainees, and people with a disability. Depending on these factors, including geographical cost of living calculations, actual "minimum wage" can be as much as 50% lower than shown."のような留保が付いているようなんですがこのような留保がついていても「最低賃金」と表現して良いものなのですかね?私は最低賃金とはごちゃごちゃした条件のついてない最低限支払わないといけない賃金という意味と理解していたのですが。
日本でいうところの最低賃金は額面の半額じゃないんですか?

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