1日2人以上が過労死する日本-さらにブラック企業増殖・過労死促進ねらう安倍ブラック政権 | すくらむ

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国家公務員一般労働組合(国公一般)の仲間のブログ★国公一般は正規でも非正規でも、ひとりでも入れるユニオンです。

 昨日のエントリー「安倍政権が狙う「残業代ゼロ」で労働者1人当たり年間166万円減収-タダ働き過労死社会来す安倍政権」に続いて、「残業代ゼロ・過労死促進法」関連です。

 4月22日の労働政策審議会(労政審)労働条件分科会で、日本経団連の代表が、過労死を引き起こす脳・心臓疾患の労災認定に関して、「加齢や生活習慣によって増悪(ぞうあく)するものだ」(鈴木重也労働法制本部主幹)とのべ、過労死と労働時間は関係ないかのように主張しています。

 経団連の代表が言うように、仮に過労死が「加齢と生活習慣」によるものだとするなら、たとえば、生活習慣病予防健診の対象年齢にならない20歳代や、30歳代前半では、過労死は起こらないことになるでしょう。しかし実際は、下のグラフにあるように、2008~2012年度の5年間で19歳以下で4人、20~29歳で128人、30~39歳で578人、合計で710人もが過労死しているのです。また、2003~2012年度の10年間でみると、39歳以下の過労死の合計は1,248人にものぼっています。

過労死と過労自殺


 それから、経団連の代表は、脳・心臓疾患の労災認定である過労死について言っているわけですが、いまや仕事が人を壊す精神障害、過労自殺が、上のグラフにあるように若年層に多発していていることなども深刻な問題であることを経団連の代表は真剣に考えるべきです。

 2012年度の過労死は847人です。日本社会は1日に2.3人が過労死しているのです。今でもこんなに過労死が多発しているのに、さらに「残業代ゼロ・過労死促進法」を狙う安倍政権は、ブラック企業を根絶するどころか、一層、ブラック企業を増殖させるブラック政府以外の何ものでもありません。

インターバル


 上の表にあるように、ヨーロッパには、「24時間のうちの最低休息時間は連続11時間」と法律で決められていて、24時間から休息時間の11時間を引いた13時間が労働時間の上限になっているのです。この労働時間に法的上限規制がないことが日本の過労死・過労自殺の根本的な原因なのです。昨日、安倍首相は「残業代ゼロ・過労死促進法」を狙う一方で言葉上では「健康管理を図りながら」「働き過ぎ防止を強化することが前提」などと言っています。この言葉が本当ならば、いますぐ「過労死促進」はやめて、長時間労働の法的規制をこそはかるべきです。

長時間と自殺率


 関連して過去エントリーで使った上のグラフも紹介しておきます。上のグラフは、内閣府の『自殺対策白書』(2011年版)に掲載されている「都道府県別の自殺率」です。これと、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の都道府県別の総実労働時間(2010年、事業所規模5人以上、月平均、※全国平均は146.2時間)を見ると、自殺率が平均より高い都道府県は労働時間も平均より長いことが分かります。グラフには労働時間が長い都道府県の上から5番目までを私が書き加えておきました。(※山梨県が「発見地」で突出しているのは青木ヶ原樹海があるためです)

 長時間労働は労働者の命を奪うものです。長時間労働を強制するブラック企業や安倍ブラック政府は、労働者の命を奪い取ろうとしているものだと批判を強めなければなりません。

(byノックオン。ツイッターアカウントはkokkoippan)