橋下徹大阪市長の公務の私物化と腐敗-公務員バッシングの正体=時の権力者の公務の私物化 | すくらむ

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 上の表は大阪市役所のホームページに掲載されている「市長日程」 からコピペしたものです。


 この20日間で橋下徹大阪市長の公務は4日間だけで、しかも終日の公務は1日だけです。この調子で行くと総選挙投票日までは「公務日程なし」がほぼ並ぶことになるのでしょうね。


 この「公務日程なし」は橋下市長だけでなく、大阪市長の特別秘書も一緒です。アジアプレス・ネットワークの「橋下市長特別秘書の奥下氏 業務内容記録ゼロ」という記事 によると、「日誌も出退勤記録もなし」「業務実態の記録ゼロ」で「採用四か月でボーナス80万円」がその特別秘書に出され、その特別秘書は上の表にある「公務日程なし」にもずっと同行しているようです。(特別秘書ご本人が橋下市長に同行していることをツイートしてくれていますから)


 橋下大阪市長が自ら作った条例に違反していることは以前のエントリー で紹介しました。橋下大阪市長と特別秘書はずっと条例違反をしながら、20日間で4日しか働いていないわけですが、一方で、大阪市の職員は10分休憩しただけで懲戒処分になったり喫煙だけで停職1カ月になっている わけです。


 橋下市長が作った職員基本条例は、職務命令絶対主義と厳罰主義を特徴とする「行政組織軍隊化条例」です。職務命令違反が累計5回(同じ内容であれば3回)で免職を「標準的な懲戒処分」としたり、相対評価で2年連続下から5%となった職員を「免職候補」とするなど、職員は市民の側は向けず橋下市長の顔色をうかがって仕事をさせられ、サバイバルのために常に職員同士で足の引っ張り合いをしむけられることになります。


 加えて橋下市長が作った労使関係条例や政治活動制限条例は労働組合運動そのものも徹底的に抑え込み、働くものの権利を侵害するもので、すでに橋下市長は労働組合の宣伝ビラ配布などに対して「懲戒の対象になる」とまで市議会で答弁しています。


 こうした橋下市長の職務命令絶対主義と厳罰主義、労働組合運動の抑圧は、職員や労働組合による橋下市長に対する批判を徹底的に抑え込み、橋下市長のトップダウンによる強権支配を貫徹させるものです。


 すでに大阪市の多くの管理職は壊れたICレコーダーのように「上から言われた通りにやります」としか言えない橋下市長の私兵のような状態に追い込まれているのです。職務命令絶対主義と厳罰主義によるトップダウンは、必然的にヒラメ公務員を増殖させ、自分の頭では考えられない職員にされ、事なかれ主義が職場に蔓延します。


 そして、批判を許さない橋下市長による強権的な行政運営は、私物化と腐敗をもたらさずにはいられないでしょう。


 すでにその兆候はあらわれています。先に紹介した特別秘書の私物化もそうですし、そもそも法令上の根拠を持たない特別顧問や特別参与などの取り巻きの私物化もそうです。大阪市の税金を注ぎ込んで特別顧問に行わせたのに、その違法性のため廃棄せざるを得なかった職員に対する違法な「思想調査アンケート」などは橋下市長の私物化と腐敗の典型です。


 こうした行政の私物化と腐敗、ヒラメ公務員増殖と事なかれ主義の行政運営によって被害をこうむるのは国民、住民です。国民、住民は公務員バッシングの正体を見破る必要があります。もっとも激しい公務員バッシングを繰り返してきた橋下市長本人が公務を私物化し腐敗させるというところに、公務員バッシングの正体がよくあらわれています。公務員バッシングの正体は、国民全体に奉仕する公務のあり方を、時の権力者が私物化できるようにするためのものであり、国民、住民本位の行政サービスを切り捨てることにあるのですから。


(byノックオン。ツイッターアカウントはkokkoippan)