「非常勤職員の雇い止めをするな！」「人権・尊厳無視の解雇は許さない！」
響き渡るハンドマイクの訴え。
東京・四谷税務署が、署内の非常勤職員に対して「雇い止め通告」を行ったことから、国公一般は本日、東京都内の四谷税務署の門前で宣伝行動を実施しました。
国公一般は先週２月１７日に、四谷税務署長に対して「非常勤職員の継続雇用を求める申し入れ」を行いましたが、回答日である先週金曜の夕方、当局は誠意ある回答をしなかったため、国公一般は抗議のビラまき実施を緊急に決定したのです。２月２２日、冷え込む早朝８時にもかかわらず、国公一般、全国税、新宿国公、総理府労連の仲間が駆けつけました。
■２カ月連続の「雇い止め通告」
なぜ、国公一般が、税務署の門前で早朝宣伝をすることになったのか…。
四谷税務署が、昨年12月に雇い止め通告を行った事件が出発点です。しかも、解雇日からわずか「2日前通告」でした。労働者の基本的権利を無視する「世間知らず」な解雇通告に、職場内の労働組合である全国税労働組合（税務職員の労働組合・第一組合）は撤回を申し入れ、即日、当局は「予算ができた」とうそぶいて撤回しました。
しかし1月28日、今度は４月の更新時期に向けて「2ヶ月前通告」を同一の非常勤職員３名に対して行ってきました。税務行政を誠実に支え続けてきた非常勤職員に対し、昨年12月と今年１月の2ヶ月連続で解雇通告をしたことになります。こんな非常識な使用者が、みなさんの税金を預かる官庁の長になっています。
労働者の人権・尊厳無視の雇い止めは断じて許されません。
■全国税の追及に「全員解雇」をチラつかせる
この3名の非常勤職員の雇い止めを撤回させ、安心して働きながら良質な行政サービスを提供できるよう、全国税は四谷署、東京国税局長、国税長官に対して申し入れを行ってきました。しかし、四谷税務署当局は、3名どころか全員解雇をチラつかせてきました。
税務署長の胸三寸で労働者の雇用を破壊できる制度も問題ですが、民主的な税務行政の執行を司る税務署で、こんな専制的な労務管理がまかり通ること自体が問題です。
■非常勤職員は、税務行政の土台を支えています
２～３月は確定申告期です。
国民のみなさんが提出した申告書などの書類の整理や入力、納税証明の作成、窓口での案内、新人税務職員の育成など、非常勤職員は税務行政の土台を支え続けています。そのため、長い経験を持つ非常勤職員は、周りの常勤職員にとっても必要不可欠な存在です。
この非常勤職員は、全国の税務署に、通年で6500人雇用されています。さらに、今の時期（確定申告期間）は、もっと多くの非常勤職員、派遣労働者などが採用され、納税相談にも対応しています。
■税務署の非常勤職員は「３ヶ月間更新」
しかし、税務署の非常勤職員は、とても劣悪な労働条件で働いています。
非常勤職員の雇用期間は3ヶ月で、更新時期の度に雇い止め（解雇）の恐怖と隣り合わせで働いています。通年で働いている非常勤職員（中には10年の経験を持つ職員もいます）でも、長机、署によってはパイプ椅子で勤務しています。長年勤めても、昇給のような制度はなく、時給アップは望めません。
さらに、新しく雇用されても４月から９月までの半年間は、休暇もありません。それでも一生懸命働いている非常勤職員に対して、無慈悲な雇い止めを連発する税務署当局が、納税者や国民のことを理解できるのでしょうか。
■要求を実現するために、たたかいは今から！
国公一般と全国税のたたかいの結果、四谷税務署は当該労組に対して、「希望者全員の４月以降の継続雇用」を発言しましたが、一方、国公一般の申し入れに対しては、まともに回答しません。しかも、税務署の非常勤職員は「３ケ月更新」であるため、たたかいはまだまだ続きます。
このような非常勤職員の雇い止め問題は、四谷税務署だけではありません。昨年秋から、全国の税務署に働く非常勤職員から、「人員が必要なのに雇い止めされた」「勤務時間・勤務日数が一方的に削減され、賃下げになった」「社会保険に入れない」など深刻な労働相談が次々と寄せられています。同じ仕事をしながら、税務局・税務署ごとに賃金・労働条件にアンバラがあり、雇用契約・就業規則に関わる重要な事項を現場任せにしている実態が明らかになっています。
非常勤職員に対する「恣意的な雇い止め」が頻発し、雇用不安を増幅させています。
「国」自らが、雇用を破壊し、「官製ワーキングプア」を作り出している実態…。
国公一般は、正規と非正規の垣根を越えて、広範な働く仲間と連帯して、運動を展開しています。
たたかいは、これから始まる！
（by ブレッド＆ローズ
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