政府は「年越し派遣村」繰り返さないよう対策はかれ - 旧派遣村実行委員会有志が要望書 | すくらむ

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 本日14時半から、「旧・派遣村実行委員会有志」が記者会見し、政府に再び「年越し派遣村」を繰り返さない対策の強化を訴えました。鳩山総理大臣宛の要望書を紹介します。


                要 望 書


 内閣総理大臣 鳩山由紀夫 殿
                  2009年10月14日
                  (旧)派遣村実行委員会有志
                  名誉村長 宇都宮健児/村長 湯浅誠


 雇用情勢はいっそう深刻化しており、その解決は喫緊の課題となっている。政府におかれては、総選挙結果に示された国民の切実な期待に応え、雇用問題の全面的な解決をはかる決意と方向性を示すため、以下の方向で「基本方針」を明確化し、早急に施策の具体化を図られたい。


                  記


 雇用対策の強化に関する基本方針(素案・方向性)


 雇用情勢はいっそう深刻化しており、その解決は政府に課せられた最重要課題の一つである。


 総選挙結果に示された国民の切実な要望に応え、再び年末・年始に「派遣村」のような事態が起こることのないよう万全を期す。深刻化する雇用問題の解決をはかり、国民生活の安定と内需拡大を基本にした日本経済の再生を実現するため、以下の「基本方針」を軸に総合的な対策を講ずる。


 1.仕事と住まいを失った労働者への支援を抜本的に強化する。住宅確保策の実施や制度の運用改善などにより、年末対策に万全を期す。これから冬期に向かうことにかんがみ、「第二のセーフティネット」の運用改善をおこない、生活の下支え機能を強化する。すべての自治体、公的機関、派遣切りなどをおこなった企業に協力を求め、国の責任で緊急に住居を確保・提供して、すべての路上生活者の救済をめざす。住まいを失った失業者や野宿者などに食事等の提供をおこなっている民間団体に対して、場所の提供や財政補助を含めた支援を実施するなど、対策に万全を期す。また、無料低額宿泊所への規制を強化して、悪質な業者を一掃する。


 2.雇用保険法の早期改正等によって、すべての失業者を対象とした支援制度を早急に具体化する。その際、貸付制度を改め、給付を基本とした制度設計をおこなうとともに、派遣切り等をおこなった大企業の拠出による「失業者支援基金(仮称)」を創設する。生活保護制度の充実をはかるとともに、必要なすべての者に保護が実施されるよう運用を抜本的に改善する。


 3.深刻な雇用情勢にかんがみ、公的な就労確保を含め、雇用創出事業を抜本的に強化するとともに、総合的な「求職者支援制度(仮称)」の早期創設をめざす。当面、訓練期間中に手当を支給する職業訓練制度の充実をはかるとともに、地域のニーズに応じた訓練内容の見直しなどを通じ、確実に就労につながる制度の充実をはかる。


 4.雇用破壊の原因と指摘される労働者派遣法の抜本改正論議を早急にすすめ、遅くとも次期通常国会までに措置する。その際、「日雇い派遣」「スポット派遣」の禁止に加え、「製造業派遣」「登録型派遣」は原則禁止する。期間制限違反をはじめ違法派遣の場合の「直接雇用みなし制度(仮称)」の創設、均等待遇原則の確立などによって、「派遣業法」から「派遣労働者保護法」に改める。


 5.貧困問題の解消と内需拡大策の一環として、生活保護との整合性に着目した最低賃金の大幅な引き上げ、全国一律最賃制の創設などをおこなう。そのため、早期に議論に着手するとともに、中小企業等への助成制度や「中小企業いじめ防止法(仮称)」の制定などの支援策を具体化し、引き上げの環境を整備する。
                                       以上