2009-08-17 07:23:51

日本の国民はスウェーデンより「高負担」、そして「低福祉」が貧困を拡大している

テーマ:ワーキングプア・貧困問題

 自民党の総選挙マニフェストは、近い将来の消費税率アップを含めて「中福祉・中負担」をめざす方向性を明示しています。ということは、日本の現状を「低福祉・低負担」であると自民党は認識しているわけです。


 しかし、日本の現状は、「高福祉・高負担」国家と言われているスウェーデンよりも国民が「高負担」を強いられている「低福祉・高負担」国家であることを示すデータがいくつかありますので紹介します。


 まず、内閣府の経済社会総合研究所による「スウェーデン企業におけるワーク・ライフ・バランス調査」(2005年7月)の中の「第2章第6節 スウェーデンと日本の国民負担の比較」です。この調査には次のように書かれています。


 スウェーデンの高福祉を支える国民負担率を日本と比較すると、両国の社会保障給付費を対GDP比で見て、スウェーデンの52%に対し、日本は27%となっており、スウェーデンは日本の約2倍である。同じく対国民所得比でみると、スウェーデンの75%に対し、日本は35%となっている。ただし、社会保障給付金等を除いた「再修正国民純負担比率」で見ると、逆転して日本のほうが高くなる(図表2-6-2)。


すくらむ-国民負担スウェーデンとの比較


 また、出産・育児等、家族政策(育児の社会負担)関連の給付の対GDP比は日本の約7倍、高齢者・障害サービス関連の給付の対GDP比は日本の約10倍、雇用政策関連の給付の対GDP比は日本の約4倍である(図表2-6-3)。


すくらむ-スウェーデンとの比較


[※引用はここまで]


 次に、みずほコーポレート銀行顧問・元駐スウェーデン大使の藤井威氏による、スウェーデンだけでなく他の欧米諸国と日本を比較したものです。ここでも、日本は「高負担」国家です。(※下表参照。経済社会総合研究所経済政策フォーラム「出生率の回復をめざして - スウェーデン等の事例と日本への含意」〈2004年6月25日〉の基調報告資料より)

すくらむ-国民負担、他国との比較


 さらに、損保ジャパン総合研究所主任研究員・卯辰昇氏の「国民負担率概念に関する議論の整理と今後の展開」でも、以下の数字のように、スウェーデンと欧米先進主要国と比較して、日本の「国民負担率」がもっとも高くなっています。


 純負担率の国際比較(1992年対GDP比)
 (※左から▼税・社会保障負担率、▼社会保障給付率、▼純負担率)
 日本     29.2 11.4 17.8
 ドイツ     39.0 24.0 15.0
 フランス   43.7 26.4 17.3
 スウェーデン 51.0 37.8 13.2
 イギリス   35.1 20.6 14.5
 アメリカ    26.7 14.5 12.2


 また、政府の税制調査会の報告書「抜本的な税制改革に向けた基本的考え方」(2007年11月)の参考資料「法人所得課税及び社会保険料の法人負担の国際比較に関する調査」(2005年度)によると、自動車製造業の法人負担は、日本30.4%、フランス41.6%、ドイツ36.9%。エレクトロニクス製造業の法人負担は、日本33.3%、フランス49.2%、ドイツ38.1%。情報サービス業の法人負担は、日本44.2%、フランス70.1%、ドイツ55.7%。日本の企業負担は、フランス、ドイツの7~8割です。


 それから、自民党は将来の消費税率アップの方向性を、総選挙マニフェストに示していますが、全国保険医団体連合会は、消費税について次のように指摘しています。(全国保険医団体連合会ホームページ「社会保障の財源を考えてみましょう」 より)


        消費税率5%でも、税収はEU各国と同程度
        ▼各国の税収入全体に占める消費税収入の割合

すくらむ-保団連


 「日本の消費税率5%は、国際的にみれば低すぎる」、「福祉先進国のスウェーデンの5分の1、欧州各国の4分の1」とよくいわれます。しかし、国税収入に占める消費税収入の割合をみると、約22%と、まったく同程度であることがわかります。(※上のグラフ参照)


 これは、日本の消費税が「網羅的」に課税されているのに対し、欧州各国の付加価値税は、①医療・教育から住宅取得・不動産・金融など幅広い非課税項目があること、②食料品や医薬品など、生活必需品は軽減税率をとっているためです。


 財界は、消費税率を10%から18%に引き上げることを要求しています。そのねらいは、企業の税・社会保障負担を軽減することです。企業負担の軽減分は、国民が負担することになります。


 政府や与党のなかには、「社会保障の財源充実のために消費税増税を」という動きがあります。これ以上、消費税率を引き上げれば、国際的にみても「異常な国」となることは明らかです。(※引用はここまで)


 以上、見てきたように、日本社会の現状は「低福祉・高負担」国家と言えると思います。国民にとって「低福祉・高負担」となっているから、現在の貧困問題が噴出していると言えるのではないでしょうか。


(byノックオン)

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コメント

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24 ■勉強になりました。

資料の出し方など勉強になりました。
こうすると分かりやすくて良いですね!

23 ■ちゃんと修正負担の内容を見よう

図を見るとわかるが、赤字国債の分が修正されてるでしょ

赤字国債は将来返さなくちゃいけないので、最終的に国民が負担しなくちゃいけないって考えから
これを税・社会保障負担にプラスしたのが修正負担

将来の負担はスウェーデンより重くなるかもって試算であって
現在の負担がスウェーデンより重いってことではない

22 ■スウェーデン・モデルは成功か失敗か

これ読んで腰が抜けた。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/1606
スウェーデン・モデルは成功か失敗か
福祉大国「素顔」を現地ルポ

21 ■スウェーデンの制度

>OTLさん
>これはスウェーデンが日本ほど消費をしないもしくは消費税以外の税収入が大きいために消費税収入が大きくても全体で見れば少なくなってしまう

スウェーデンは所得税の累進課税で聞こえた国ですので、ご指摘の通りです。
http://sv.wikipedia.org/wiki/Skatt_i_Sverige
あるいは詳細は
http://www.skatteverket.se/

また「再修正国民純負担比率」を比較するのも、スウェーデンと我が国の制度の論点を見えにくくしてしまいます。
再修正国民純負担比率は所得再分配の施策による支出を割り戻して修正したものですから、所得再分配が制度の根幹であるスウェーデンが、低くなるのは当たり前です。

要するに持たざる者へ持てるものから所得を移転することが大方針であり、これが単純な国民負担率70%の正体です。
負担度合いというより政策の目標そのものが全然ちゃいます。

最近ちょっと自信がないからブルジョア政党が2006年に政権獲得して以来、累進度合い低減させたり、雇用保険を任意にして、この不況で無保険問題を露見させたりという、すったもんだを現在進行中。

それと「スウェーデン株式会社」と揶揄されるほどですから、自国企業競争力強化のための策はえげつなく追及してきた歴史もお忘れなきよう。

解雇は比較的簡単ですが、失業対策の基本は職業訓練です。

詳細は下記:
職業紹介所というか・・・求職コンサルが最近熱い!
http://www.arbetsformedlingen.se/

で当然成人学級で職業訓練コースも!
http://www.syoguiden.com/komvux/

なお病欠とか長期療養による求職とかは国が賃金支給するので、企業負担はこうした制度の違いみないと比較出来ないですよ。
法人税率自体はむしろかなり低いし、この辺はEU内での熾烈な競争に晒されているので、決して日本より負担が大きいもんではないです。
#この辺もskattverketのHPでご確認ください。

20 ■どもども

>史実さん

こんばんは。

ご指名ありがとうございます。

あらら、それは私に対するお褒めのお言葉としてありがたく頂戴しておきますね^^

貧困が見えていないから歴史の偽造がわからないという理屈がよくわかりません。
何を根拠に貧困が見えていないのですか?

19 ■>組合員さん

>組合員さん

「組合員」というのはあっちの組合員さんだったのですね。それなら仕方ないかなと思いますが、現実の貧困問題も目に入らず、歴史を歪めた上で視野狭窄のナショナリズムに浸って良しとする態度は、本当に救いがたいですね。貧困問題が見えないのだから、歴史の偽造も見やぶれなくて当然ですが

18 ■今さら...

日本で社会保障への企業の負担が低いのは周知の事実では?
不思議なのは,この事実をメディアがほとんど取り上げないことだと思います。
何故なのでしょう?

17 ■無題

逆だね。

自民支持なんかしないが、
甘言並べるだけの民主だけは全力否定させてもらう。

バカは現実逃避しながら、
飴玉に釣られてろ、という感じ。

16 ■Re:日本国民は、愚民化され、収奪されている

>N.Mさん
なぜ年越し派遣村=低福祉・高負担国家となるのだろう?
自公と比較して自公以外の政党で「貧困問題に真剣に向き合う姿勢」が伺えるのはどこからなのだろう?

15 ■無題

自民党員の必死な言い訳が多すぎて笑ったw
現在の日本社会を見渡せば、どう考えても住み良い社会になっているとは言えない。絶対に。
であれば、最大の責任は政府与党の自民党にあることは明白だろうに。
『与党が変わったからといって、すぐに社会が良い方向へ変化することはないであろうが、だからといってこのままで良いはずはない。
ならば試しに変えてしまえばいい』
これが今の国民意見の大勢だろうよ。

>データが古い
「そんなに前からひどいことになってたのか」としか思えなかった。
消費税の課税内容が諸外国と違うことについては当初から分かっていたが、少なくても自民党からこの内容を公式に知らされたことの覚えはない。
課税率だけで「現在は諸外国より日本の消費税負担は低い」などというのは情報操作もはなはだしい。
絶対民主党支持ではないが、自民党は信用に値しない。

14 ■無題

とりあえずデータが古過ぎる
1998年のデータ持ってきてどうすんのよ
自分に都合のいい数字を貼り付けているだけの
デマ記事ですな

13 ■無題

>企業負担の軽減分は、国民が負担することになります。

低福祉を選択すれば、負担する必要は無いですね。

国に高い税金を支払っても受けられる福祉には上限がある。というのが北欧諸国が出した結果です。

低福祉低負担が日本にあった福祉体制でしょう。
国が渡す低福祉に文句があるなら、高い金を支払うなり海外へ行くなり、好きな手段を選べるようにしておけば、福祉関係の経済も活性化します。

12 ■Re:ちょっと指摘

>nanashiさん

それ自分も気になりました。
GDPあたりの%で算出してもそもそも分母が違いますしね。
それぞれの国で一人頭いくらなのかを書かないと、まさに「統計でウソをつく方法」みたいな話で、
数字を利用して自分に有利な結論を出すイカサマになっちゃいますしね。

11 ■日本とスウェーデンにおける税負担と福祉について

 日本の消費税5%は確かにスウェーデンに比べその数値は小さい、しかし全体に占める消費税収入はスウェーデンと同程度である。スウェーデンから見たら逆のことが言えるだろう

 ここから分かるのは2つ。日本からしてみると消費税は少ないがその額が大きいために税収入に占める消費税の割合が大きくなること。つまり低負担低福祉。

 もう一点はスウェーデンは消費税率が高いのに、全体に占める消費税収入の割合は日本に比べ少ない。
これはスウェーデンが日本ほど消費をしないもしくは消費税以外の税収入が大きいために消費税収入が大きくても全体で見れば少なくなってしまう。おそらく実態は後者で、本記事には載っていないがスウェーデンは消費税以外に多額の税収入を得ているものと思われ、そこからスウェーデンが高負担高福祉を実現しているものと考える。

本記事にはどこがどう日本の税負担はスウェーデンと比べて同程度で日本を低福祉・低負担と判断できるような材料が消費税しか提示されていないのは何故だろうか。税金は消費税以外にもあるのだし、日本とスウェーデンの税の違いをほぼ引用だらけの記事から理解しろというのは無理がある。

10 ■無題

企業の支援受けてるのはむしろ民主党だと思うけど
筆者は日本の法人税が安すぎるといってるから
民主よりとは言えないと思う

政党は企業と癒着してるからこういう現象がおきるんだろうな
企業から支援受けてる議員が法人税上げるとは思われないのが痛い

9 ■ちょっと指摘

日本とスウェーデンの国民負担率の対比ですが、一人当たりだとどのくらいに負担になるんでしょうか?

スウェーデンの人口は約1000万人
日本の人口は約1億2000万人

なので、一人当たりの割合は日本のほうがスウェーデンの10分の1になります。

数字のマジックってすごいですねw

8 ■コメント

どっかの大統領じゃないけど、お願いだから『人民の為の政治』をしてください。
と言わざるをえないです。
選挙公約とかマニフェストとか言ってないでノウガキはいいからやれ・・・てな感じです。
結局、政権交代とか言って騒いでるのは政治家だけ。
国民はそっちのけ?

7 ■はつコメさせてもらいます

 とても興味深い記事ですね。先日読んだ月刊誌では日本は中福祉、低負担との指摘がありましたが、社会保障給付率が異常に低いのと、国の総税収における消費税の税額が実は大きいんですね。

 一般政府財政支出がマイナスというのは、どういうことかわかりませんでしたが...

 このまえからちょくちょく覗かせてもらってました。ぼくのぶろぐにブックマークをつけさせてください。

6 ■qqq

なんでも一つにまとめて話をしているようですが
せっかくまともなデータが出てきてるのに
クソ政治家と全く同じ論調になってますね

5 ■おかしい

すべての責任は自民党にあるというのはおかしいのでは?
まるで東京裁判じゃないですか(笑)

教育に関しては自虐史観教育に携わった日教組にも責任があるでしょう。この国に誇りをもてない人たちが、どうしてこの国の政に関心を持つのでしょうか?

「派遣村の正体」で検索すればわかりますが、8割がたサヨクの方で、実際に支援が必要な方は2割程度でした。
・・なぜ派遣村で憲法改悪反対なのか(笑)
労連も参加していたみたいですね~。

鉄槌が必要なのはあなた方では?

4 ■このブログ自体が腐ってる

このブログ自体が特定の方向、あるいは内容にしか触れていない。
民主党の裏にあるものについて何も触れていない時点で何らかの意図を感じる。
このブログの情報に関して信用する価値はない。

3 ■無題

>N.Mさん
自公に鉄槌を下せば国民の生活が突然良くなるかのような言い回しは信じられん。
その後のビジョンが見えないので、どのようにして良くしていくかがわからない。悪化したらどうするとは誰も言わない。鉄槌を下せば良いと盲目的に信じるのは、愚民化以外のなんだというのだろう。

2 ■総選挙で自公に鉄槌を

そもそも首都のど真ん中に、年越し派遣村が必要であった先進国は日本以外、存在しない。その時点で日本は低福祉・高負担国家だ。自公は「生活を守り抜く」などとよくも言えたものだ。こんなことを平気で言えること事態、「貧困問題に真剣に向き合っていない」証拠だ。今度の総選挙では自公に鉄槌をくだそう。

1 ■日本国民は、愚民化され、収奪されている

「おバカ教育の構造」阿吽正望日新報道を読んでみてください。
戦後、日本の教育が愚民化教育に変えられ、不登校、引きこもり、ニートを作るようになった仕組みがハッキリ分かります。
知識社会と言われる現代、愚民化教育を行う封建政権と言える自民党を支援すれば、国が滅びます。

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