企業の「強欲」に歯止めを - 空前の内部留保33兆円・株主配当増の一方で4万人もの人員削減 | すくらむ

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 共同通信が「大手製造業 株主重視で人員削減、内部留保 空前の33兆円」という記事を配信しました。それを受けて、青森の『東奥日報』が本日付1面トップで「株主を重視 人員削減、製造大手16社 内部留保33兆円・減益でも5社増配へ、企業の『強欲』歯止めを」と見出しを打ち掲載しました。青森県国公のSさんがその紙面をスキャナーでよみこんで、メールで送ってくれましたのでポイントを紹介します。(※いまマスコミに求められているのは、こういう報道ではないでしょうか。偉いぞっ!『東奥日報』)


すくらむ-東奥日報



 トヨタ自動車やキヤノンなど日本を代表する大手製造業16社の内部留保の合計額は、2008年9月末で史上最高の約33兆6千億円。内部留保は、利益から配当金などを引いて企業がため込んでいる利益で、景気回復前の2002年3月期末から倍増し、いま空前の規模に積み上がっています。


 2002年2月から始まった戦後最長の景気拡大局面で、企業は低賃金を強いる派遣など非正規労働者を全体の3割に増大させ、好景気にもかかわらず人件費を毎年削減。結果、企業の経常利益は5年連続で過去最高を更新し、株主配当も内部留保も増加しました。


 さらに、この景気後退で、減益見通しにもかかわらず株主への配当を増やすことにしているのはソニー、パナソニックなど5社。キヤノンなど5社は、08年3月期実績水準を維持するとしているのです。


 好景気に人件費を削減して、史上最高の内部留保をため込んでおいて、今度は景気後退を理由に、内部留保も株主配当も温存したままで、「派遣切り」「非正規切り」。08年4月以降に判明した各社の人員削減合計数は約4万人にも上り、今後も人員削減を中心とするリストラは加速する見通しです。


 紙面の中では、「『派遣切り』は派遣社員らが契約期間の途中で、企業から一方的に契約打ち切りを通告される事態。契約期間を更新しない『雇い止め』と比べて労働者側に厳しい対応だけに、倒産の危機にひんしているなど、企業にやむを得ない事情があるかが問われる」「企業の『強欲』歯止めを」「『派遣切り』は、非正規労働者が雇用の調整弁である実態をさらけだし、職とともに住居まで失う」「急速に進んだ雇用分野の規制緩和が働く側に負担を強いた」「セーフティーネットの構築など課題は山積している」「『強欲な資本主義』に歯止めを」「政治も経済も転換点に立っている」と問題を指摘しています。


(byノックオン)