高学歴官製ワーキングプアの解消、基礎科学に光を~ノーベル物理学賞受賞の小柴昌俊さんが記念講演へ | すくらむ

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 国公労連は、学研労協(筑波研究学園都市研究機関労働組合協議会)と全大教(全国大学高専教職員組合)等との共同で、科学技術政策シンポジウムというのを定期的に開催しているのですが、今年は11月16日(日)の午後に、「科学技術の危機とポスドク問題」(仮)をテーマに東京都内で実施することになりました。


 ポスドク問題=高学歴官製ワーキングプア問題 は、日本の科学技術の将来をも危うくする深刻な問題であることを、社会的にも大きくアピールできるものとしたかったので、私はシンポジウム冒頭の記念講演を、ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さん(東京大学名誉教授)にお願いしてみました。


 すると、小柴さんは、シンポジウム開催主旨に賛同するとのことで、「若手研究者育成と基礎科学研究の重要性」(仮)というテーマで話しますよと、こころよく記念講演を引き受けてくださいました。


 小柴さんが理事長をつとめる平成基礎科学財団のホームページなどで、「『基礎科学、純粋科学に光をあて、基礎科学の面白さが分かる教育の普及、意欲と夢をもった若者を育てること』の一環として、基礎科学教育の振興を行っていきたい」「私は、実用技術に直結する応用研究ばかりでなく、基礎科学、純粋科学に光を当て、基礎科学の面白さがわかる教育の普及を進めることや、意欲と夢を持った若者を数多く育てることのために微力をつくしていきたいと考えています」「自分の国の基礎科学は自分たちのものです」「日本では、若者が教育を受けるのに大金を払わなければなりません。これは情けないことですね。文明国として悲しい。ドイツの大学では、入学金も授業料もただでした」など、基礎科学と若手研究者育成が大事であることを小柴さんは常々発言されています。


 また義務教育費国庫負担制度についての参院文教科学委員会参考人質疑(2004年11月)で、小柴さんは、「義務教育の水準が自治体の財政力の差によって左右されてはならない。国がきちんとみていただきたい」「日本では教育費が高いことが少子化の一因になっている。例えば、ドイツは高等教育まで学費が無償。国は考えて欲しい」と意見陳述されています。


 これ以上ない記念講演が決まったので、この調子で今後は私たち労働組合の取り組みも含めたポスドク問題解消と基礎研究拡充への道を、シンポジウムでもっと深められるよう準備していく必要があります。
(byノックオン)