マスコミ報道によると、大阪の橋下知事が「職員研修に自衛隊の体験入隊を取り入れたい」「このメンバー(副知事ら幹部19人)で8月にでも泊まり込みの体験入隊をしたい」と、会議で提案したそうです。なぜ自衛隊かと聞かれ、「チーム力、団結力を養い、次の一手に備えたい」と発言したとのこと。
関西読売テレビで6月8日に放送された「たかじんのそこまで言って委員会」で、雑誌ロスジェネ
編集長の浅尾大輔氏に向かって、二人の政治評論家が、「ロスジェネ世代の青年は、自衛隊に入れて鍛え直すしかない」というような発言をしました。
橋下知事や政治評論家が言うように、自衛隊でホントにチーム力や団結力が養えたり、人間が鍛えられたりするんでしょうか?
海上自衛隊のイージス艦によるマグロ漁船への衝突・沈没事件など相次ぐ不祥事の対策会議の場で、自衛隊の幹部は、イージス艦の事件だけでなく、暴行・殺人、児童虐待死、公然・強制わいせつ、児童買春、セクハラ、覚せい剤などによる自衛隊員の懲戒処分数が、2005年度161件、2006年度167件にのぼっていることを嘆いたそうです。
この数字は、自衛隊員がほぼ二日に一件の割合で刑法にかかわる事件・犯罪をくりかえし、性犯罪に限定しても毎週おこしている計算となるものです。
そうした背景の上に、女性自衛官に対する暴行、強制わいせつとその後の退職強要事件で国を相手取っての訴訟や、いじめ自殺に追い込まれた自衛隊員の訴訟などが行われています。
防衛省の発表では、2004年度から自殺した自衛官の数は毎年100人を超え、これは、人事院がまとめた、国家公務員一般職の自殺者数の2倍強に当たるということです。
こうした自衛隊で養われるものが、大阪府職員のチーム力を高め住民のためになったり、ロスジェネ青年のためになったりするものなのでしょうか?
ちなみに、米陸軍兵士の自殺は、2007年は115人で、前年比12.7%増となり、自殺率では過去最悪の数字を出しています。自殺者の43%を占めたのはイラクなどへの帰還兵です。(自衛隊でもイラク派兵隊員の自殺率は「2倍ぐらいの数字になっている」と防衛庁長官が国会で発言しています) イラク・アフガン帰還米兵の30万人が、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患っていて、自殺を試みた米兵の数は07年で935人となっています。
(byノックオン)