人事院は4月9日、「平成18年度国家公務員長期病休者実態調査」の結果
を発表した。
それによれば、非現業の一般職国家公務員(自衛官や国会職員など特別職
を除く)29万9871人のうち、2.04%にあたる6,105人が1カ月以上病気休暇、休職
していることが明らかとなった。
前回の調査は5年前で、長期病休者率(対象職員に占める割合)は1.36%
だったから、大幅に増えていることがわかる。
その内訳も、うつ病や統合失調症などの「精神・行動の障害」が最も多く
3.849人(63%)、「新生物」が604人(10%)、「循環器系の疾患」が317人(5%)
となっている。
調査対象となっている国家公務員は、定員削減や独立行政法人への移行
などによって、5年前より18万6,345人も減っているが、「精神・行動の障害」に
よる休職・休暇は逆に1,631人増えて、長期病休者率は前回調査の3倍近くに
まで急増している。
また、3カ月以上休んだ者も3,113人(51%)と、前回の2,466人(37%)から増
え、休む期間も長くなっている。
国公一般に寄せられる相談内容からも感じてはいたが、このように具体的な
数字を突きつけられると愕然とする。2%といえば50人に1人、全国のどの職場
にも必ずいる計算になる。
私たちのアンケートでは、その何十倍もの予備軍が存在する。
毎年、容赦なく突きつけられる定員削減、行政へのニーズは高まる一方。
だから労働密度も飛躍的に高まって、超過勤務や休日出勤をしながら懸命
に業務を処理する。
しかし、超過勤務手当は予算の範囲内しか支給されず、多くはサービス残業。
加えて、心ない悪罵や公務員バッシングも強まるばかり。これでは職員のスト
レスはたまる一方といえる。
もちろん、ごく一部には不祥事を起こす公務員がいた(いる)ことは事実であり、
それは厳正に処分されるべきだ。
しかし、圧倒的多くの公務員は上記のような状況のなかでも、憲法にもとづく
「全体の奉仕者」として、現場第一線で必死に公務を支えている。
こうした公務員の心が、身体が壊れつつあるのだ。
公務員も一人の人間であり、労働者。生活があり、家族もいる。
だからこそ今、労働組合の存在と役割は大きいはず。
「働くルール」の確立をめざして前進あるのみ!
(by Stand Off)