ニューオリンズ旅行記その2 | 黄啓傑ランド

黄啓傑ランド

トランぺッター黄啓傑(コウケイケツ)のブログ。

Trumpeter Keiketsu Ko's blog

そんなふうなわけで始まったニューオリンズ珍道中。

ところで、いつも旅のはじまりにはいつも手帳に割と丁寧にその日見たことや感じたことを記して、「あとで思い出せるようにしておこ♡」と乙女ぶる私であるが、元来そんなマメなわけがないので見事に3日坊主で終わる。

今回ももちろんそんなかんじだ。あとはあやふやな記憶をたどる以外にない。

今年のなかごろに解散するという、パパグロスファンクを2度見ることができたのはラッキーだった。ご存知おっちゃん、山岸潤史さんが参加する地元を代表するファンクバンドである。
スーパーボウルのイベントの野外ステージでの朝っぱらからのバンドの演奏は圧巻であった。なかでもやはり山岸さんのギターは天高くどこまでも駆け上がると思えば、地底深くをドリル車(空想)で疾走するかのようなスリルと想像力にあふれたすばらしいものだった。彼のソロプレイはいかにもファンク好きの若者からふつうのおばちゃん、フラワームーブメントの生き残りからレゲエのおっさんまで、大絶賛であった。

終演後ご挨拶に伺ったら、「さ、めしいこか。近所のパキスタンカレー屋。うまいよ。あーはらへった。いこいこ’」と山岸さん。ステージの気迫溢れる姿とは違って、いたってそんなかんじなのであった。

やはり本物は、無駄に人に緊張感をあたえない。

これがそのパキスタン屋のカレー。よく行くメキシコ料理屋「メキ」にたいしてこれからは「パキ」と呼ぶことにする。



今回のこの旅は記念すべき、初N.O走り回り。

今まで、はっきりいってちょっとびびってたのだ。
しかし私ももう今年で40歳。ここらでいかなきゃいつ行くんだということで、一番安全そうなマガジン通りを行くことに決定。この通りをひたすら西にゆくと、ここらでもっともおしゃれな雑貨屋や服屋、アンティークショップがならぶ神戸みたいなとこに出る。

オフィス街を抜けて高速の高架下をとおり、しばらく行くとへんな本屋があった。

もうやってなさそうなたたずまいなのだが、どんな店だったのだろうか。
毎回ここを通るたびに出会ったすごくむずかしい顔をして、パンをちぎってハトにやる総白髪の、Tシャツを来たカール マルクスのような老人は元気だろうか。

富永さんの作ってくれるレッドビーンズアンドライスを常食としていた私たちは、腸機能が活発になり旅の間は便秘知らずであった。

それどころかむしろ出過ぎる。出過ぎるのである。

5キロほど走り、そろそろ引き返そうというとき。予期しないそんな無防備なときに、いきなり暴力的な便意に襲われることが数度あった。

日本なら、そのへんにあるコンビニでトイレを借りれば良いのだが、アメリカではそうはいかない。そう簡単にトイレはないのだ。

あ、もうあかんかもしれん、、と意識が遠のいたことも2度会った。あの高速の高架下でやるかやらんかやらんかやるか、と本気で考えたこともあった。
しかし私は人として生きることを選び、もはや完全に泣きながらフレンチクォーター内の公衆トイレで感動のダンクをキめたのだ。嘘ではない。

ニューヨークとニューオリンズを行き来して活躍するすばらしいトランペッター、大橋くんから、マルディグラのパレードをする仕事をもらう。
これがそのときのセルフショットである。


久しぶりにパレードをしたわけである。たのしかった。