去る2017年3月16日、James Cotton (ジェイムズ・コットン)が肺炎のため亡くなってしまいました。享年81歳でした。
彼の略歴を簡単にまとめると、1957年からマディ・ウォーターズ・バンドに所属し、そこで知名度を上げます。1966年には脱退し、その後は自分のバンドを立ち上げます。
1974年に代表作とされる「100% Cotton」をリリースし、新しいジャンルであるファンク・ブルースを確立しました。
1990年代に喉頭ガンを患って歌えなくなりましたが、その後もハーピストとして自身のバンドを切り盛りし続けました。
「100% Cotton」が発売された当時のアメリカの時代背景ですが、1960年代後半の公民権運動もあって、黒人の地位は改善されていきます。
それと共に黒人音楽も変化します。ブルースを下地とした暗いものからリズミカルな明るいものへと人気が移行していったのです。そこに乗って登場したのがファンクです。
そしてそれをブルースに取り入れたのがジェイムズ・コットンなわけです。
改めて聴くとやっぱり良いです。ブルースは概ね夕方に聴きたくなるけど、これは朝から聴きたいです。そんなゴキゲンなサウンドです。
バンドのメンバーがノリノリで楽しく演奏している姿が目に浮かびます。
演奏はファンクの要素を上手く採り入れています。かと言って、ルーツであるブルースを忘れてはいません。そこが嬉しいですね。
そう言えば、我々のバンドでも「Boogie Thing」をカバーしてみようか?って話になったことが有ります。でも実際にスタジオでやってみると、このノリを出すのが非常に難しかったです。演奏だけでなくヴォーカルも含めて、ブルースのノリとは違うんですよね。
「ブルースを聴いてみたい」という初心者にはお勧めなのですが、残念ながらCDは廃盤になっています。代わりに、Youtubeへはライブ音源が沢山アップされていますので、まずはそちらで体験されてみてはいかがでしょうか。
01. Boogie Thing
02. One More Mile
03. All Walks Of Life
04. Creeper Creeps Again
05. Rocket 88
06. How Long Can A Fool Go Wrong
07. I Don't Know
08. Burner
09. Fatuation
10. Fever