ユリを買うまでの物語 | よねちゃん徒然

よねちゃん徒然

小次郎 (犬息子)・絵・UVレジン・工作・粘土細工…ライブ・作業BGMやら日々のアレコレ。
ぬか漬け・味噌…発酵食品などなどなど。


ある日。
近所の花屋へ。
何故か開いたままの自動ドア。
店に入る。


花屋のおばちゃんも、お客さんも…誰もいないぞ。


まぁ、とりあえず花を選ぶとしよう。
ユリとキクと…今日も渋いとこ多めの品揃えだなぁ。
うーん…それはそれで、それなりに悩む。


蕾が沢山ついているシベリアか…
ちょっと変わったグロリオサか…
花瓶のサイズも考えると、どっちかだなぁ…最近は気温も高めで、すぐにしおれるしなぁ…


…花屋のおばちゃん、店の奥から出て来ないなぁ。


ご用の方はベルを鳴らしてください、という紙と共にベルがレジのカウンターに置いてある。
ベルを鳴らす。
あれれ、レジの引出しも開いたままじゃないか。
ベルを鳴らす。
「こんにちはー」と声をかける。
「すみませーん」と声をかける。
ベルを鳴らす。


…しーん…


ふむ。
白いシベリアか朱色のグロリオサか…
再び悩む。
どちらもユリだ。
ユリはゴシュジンの誕生花だなぁ。
あぁ…もう7月も近いんだな。
そうね、白と緑で爽やかな方がいいかな…
シベリアだな。


ベルを鳴らす。


いないのかな…
めちゃめちゃ無用心だな。
でも仕方ない、帰ろかな。


家に戻ろうと店を後にした。
が、なんとなく心配になり途中で引き返す。


開いたままの自動ドア。
店に入る。


と、5秒ぐらい。


「あー、誰もお客さん来なかった良かったー…と思ってたんだけど来てたー?配達行ってたー」


とか言ってるし。
ま、元気で良かった。
奥で倒れてたりしたら大変だもんね。


誰もいないから、ゆっくり花を選んでいた、と言う。
シベリアにしようかな、と伝える。


「因みに…なんだけど、こっちのグロリオサは一本だと花はどのくらいついているの?」


一応そう尋ねると、グロリオサの束から一本だけ抜いて見せてくれようとした。


ポキ。


「あ」


おばちゃんの掴んだグロリオサが絡まって折れた。


「結構いっぱいよ、半分に折れちゃったけど…」


そう言って笑っている。


「ああぁ~…ホントだ、立派だ」


そう言うしかない。


ウチの花瓶には両方だと少し多い。


すると、蕾の多いシベリアを包む途中で花の数が半分になったグロリオサも一緒に包みだした。


「折れちゃったから、半分持って行ってー」


ニコニコしながら包んでいた。



{10C2291A-158E-425E-9376-9477493EC065}


丁度いいかも。
爽やかというよりも…なんとなくメデタイ組み合わせの色合いになったけれど。


明るいお供え。笑


ありがとう、明るいおばちゃん。笑


配達に行くときは…せめてレジは閉めた方がいいと思うよ。



( ´ ▽ ` )