1050. アンタッチャブル/ダイ・ハード/ターミネーター2/羊たちの沈黙/ブラック・レイン | 同世代名画館DX

同世代名画館DX

昭和37年生まれの支配人です。小学校でライダースナックを川に捨て、中学で赤いシリーズに毎週熱中、高校で松田優作に心酔した世代です。50~60代の皆さん、いつかどこかで観た映画とともに、時間の旅をお楽しみください。

つ、ついに1,050回を迎えた当名画館!
休館前最終日は、怒涛のように傑作娯楽映画がひしめく80年代後半から90年代初頭のハリウッド最後の絶頂期作品!

映画の専門学校を卒業し、社会人最初の6年間を、映画関連印刷会社の営業として洋画配給会社に出入りしていた頃。
今から考えると、この頃のハリウッド映画は現在と比べ物にならないくらい面白かった。逆か?今がつまらなさ過ぎるのかも。


「アンタッチャブル」(87)の面白さといったらどうだ!
「殺しのドレス」「ミッドナイトクロス」「スカーフェイス」など、私が毎作楽しみにしてるブライアン・デ・パルマ監督が、遂に放った正真正銘の最高傑作。
ケビン・コスナー、ショーン・コネリー、アンディ・ガルシア、そしてデ・ニーロのアル・カポネ、みんな最高だ!


「ダイ・ハード」(89)は、当時10年に1本の大傑作と大評判となったけど、その後20年たっても、これを超える映画は出て来てない。30年に1本の傑作か?
アクション映画もやはり脚本だと思い知らされた。隅々まで行き届いた伏線が、後半全部生きて来る。ブルース・ウィリスの裸足も、奥さんのロレックスも、そして黒人刑事の拳銃も!拍手するしかない。
翌年の「ダイ・ハード2」も、負けずに傑作だった。


「ターミネーター」も面白かったけど、やはり「ターミネーター2」(91)こそが映画史に残る作品だ。
ジェイムズ・キャメロンは「アバター」で映画に3-Dを導入したが、20年近く前には本作でCGを初めて本格的に使って、我々の度肝を抜いた。
変幻自在なT-1000型ターミネーターの姿に衝撃を覚えた。技術の刷新だけではない。映画自体も、途方もなく面白かった。


「羊たちの沈黙」(91)を初めて観た時の戦慄も忘れられない。
当時妊娠してた奥さんには見せられなかった。夢に出て来るおぞましさ。こんなにゾクゾクするホラー映画は今までなかった。
アンソニー・ホプキンスのレクター博士は、登場時の立ち姿から尋常ではない。これほどの狂気を演じた人も、演出出来た監督もいなかった。
蝶のように磔り付けられた警官の、残酷までに美しいこと。鳥肌なしでは見られない、エレベーターから救急車に至るシーンの緊迫と言ったら!


そして、生涯ベストワンと言ってもいいくらい思い入れの強い作品が「ブラック・レイン」(89)。
当名画館では、異例の3回連続特集で、当時の私がこの映画にどう関わって、いかに入れ込んだかを書いた。宣伝部の近くで、一般よりも早く情報や映像を見ることが出来た。それは運命的だったかも。
ファンだった松田優作が、これで永遠のカリスマになった。何度も彼の姿を見るために、何度も劇場へ通い、当時高かったビデオソフトを買い、もちろんDVDも2度買った。
台詞や場面を暗記するほど観た映画は、恐らく生涯で「犬神家の一族」と「ブラック・レイン」だけだろう。
だから、この作品を当名画館休館前最後の上映作品としたい。


これをもって、「同世代名画館」は休館します。
再上映も何回かあったけど、これでほぼ2,000本近い映画を取り上げたことになります。
文章を書くことが苦手ではない支配人ではありますが、4年あまりにわたっての書き込みは、結構しんどい時もありました。

しかし、こうやって自身の映画史を記録出来たことは、学生時代自分の映画の編集を終えた時以来の達成感という気がします。

長きにわたって、読んでくださった多くの皆さん。
コメントいただいた方。こっそり読んでたらしい友人たち。
心から感謝します。どうもありがとうございました。


いつか、リニューアル・オープンの際には、よろしくお願い致します。

また、お会いしましょう!