829. ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒(99)/ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃(01 | 同世代名画館DX

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昭和37年生まれの支配人です。小学校でライダースナックを川に捨て、中学で赤いシリーズに毎週熱中、高校で松田優作に心酔した世代です。50~60代の皆さん、いつかどこかで観た映画とともに、時間の旅をお楽しみください。

ガメラVSゴジラ、夢の2本立である。


まずは、大人を熱狂させた“平成ガメラ”シリーズ第3弾にして完結編「ガメラ3 邪神(イリス)覚醒」。
監督はもちろん金子修介。「宇能鴻一郎の濡れて打つ」でデビューして、「みんなあげちゃう」「恐怖のヤッちゃん」とか、おバカなコメディばかり撮ってた金子監督が、まさか「ガメラ 大怪獣空中決戦」でキネ旬ベストテンに入るとはね。
「ガメラ2 レギオン襲来」と「3 邪神(イリス)覚醒」は、小学生の息子を無理やり連れて劇場へ行った。高校生になった息子に聞くと、覚えてないらしい。親だけ熱くなってたんだ。
渋谷駅前、京都駅ビルと、リアルなセットによる特撮、自衛隊のハードな描写による本格的な戦闘シーン、スゴかった。
かつてガメラが破壊した街で死んだ両親を持つ少女・前田愛が、ガメラを憎み、邪悪な怪獣イリスを育てるという設定が、何だか“ウルトラマン世代”の琴線をくすぐるし。
特技監督は、その後「ローレライ」「日本沈没」「隠し砦の三悪人」などで監督に進出した樋口真嗣。これら作品の出来を見ると、「ガメラ」シリーズの功績って、樋口監督のものだったのかとも思ってしまう。


対するはゴジラ。「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」。
子供の頃に観た「怪獣総進撃」や「オール怪獣大進撃」を思い起こさせる、ナイスなタイトル。タイトルには出してもらえなかったが、バラゴンも出演。
監督は金子修介。これってどうよ。ライバルを勝利に導いた監督を、辞めた途端に引き抜く東宝って、映画界のジャイアンツか?

金子も金子だ。「本当を言うとボク、ゴジラの方が撮りたかったんだ。ゴジラはやっぱりチャンピオンだもん」と言わんばかりに、乗り換えるなんて。「ゴジラ」を超えようとして「ガメラ」を頑張って来たんじゃないのか!
それでもちょっと期待して、もう怪獣なんかバカらしくなってた息子を連れて、また劇場へ行った。この年から「とっとこハム太郎」が併映で付いたのは、ちと悲しかった。
主演は新山千春、宇崎竜童ら。それなりに楽しめたけど、「ゴジラ」シリーズの中では大森一樹監督作の方が上だと思ったし、「ガメラ」3作ほどは燃えなかった。

やはり“平成ガメラ”シリーズの完成度の高さは、金子監督によるドラマ部分演出と、樋口監督による特撮シーン演出が、相まって出来上がったものなのだろう。そうなのだ。ハム太郎なのだ。


先日「ガメラ」3作をDVDで観直したけど、意外と子供っぽいなと感じた。四十代も後半になると、さすがに怪獣映画に熱中してたらヤバいか。三十代で観たからこそ、あそこまで楽しめたのかも知れない。
自分では万年映画少年と思ってたんだけどな・・・。