次の週の月曜日朝8時45分

 いよいよ“運命の日”がやって来てしまった・・・!!

 この日の社長を前にしての “社内プレゼン” の結果次第では
 
 支社の運命 プロジェクトに関わって来た課長やスタッフの運命・・・ 
 
 そして 発案者である北山翔が提唱した『楽園計画』そのものの運命が決まってしまう・・・

 今日に賭ける スタッフと彩香の意気込みは 一入(ひとしお)だった
 
 彩香は プレゼンの準備のため 朝8時30分には 会社に到着していた・・・
 
 約束の時間になっても到着しない由美のことを少し気遣いながら・・・
 
 資料のコピーや会議室へのプロジェクターの持ち込みなど 着々と準備を進めていた
 
 その時 会議室に 早乙女真 が入って来て 彩香にこう話しかけた・・・







 
早乙女:「由美さん遅いですね! どうしたんだろう? もう出社してもいい頃なんだけど・・・」

彩香:「えっ? 由美はまだ出社していませんか? どうしたんだろう?」


 
 彩香は 由美の携帯に電話するが・・・ つながらない・・・


 
彩香:「おかしいな?・・・」



 その時 彩香の携帯が鳴る



 
 チャチャチャラ~♪





 アラッ? ━━(゚∀゚)━━ !!! 由美からかしら?



 それは 大森からだった・・・ ちょっと慌てている様子だった・・・



彩香:あれ? 大森さんからだ!! 「もしもし彩香です・・・」

大森:「あっ! 彩香さん! 落ち着いて聞いてね。 今朝 由美の調子が急に悪くなって・・・」

彩香:「由美の調子が? それで 由美はそこにいるんですか?」

大森:「うん 今 病院なんだけど・・・ これから手術室に入る予定なんだ!」



彩香:「えぇ? 手術室?
(゚Д゚;)・・・ 由美 どうしたんですか?」




大森:「それがね・・・ 土曜の夜頃から お腹が痛み出して 何とか薬でごまかしていたんだけど・・・

今朝方 急にお腹が激しく痛み始めて 虫垂炎・・・ いわゆる 盲腸らしいんだ!」

彩香:「盲腸? それで今から手術なんですか?」

大森:「そっそうなんだ! それで彩香さんに連絡して欲しいって頼まれて 病院から電話しているんだ!」




彩香:「それで 今日のプレゼン用の資料はどうなるのかしら?(´ロ`;)・・・ 何か聞いてますか?」




大森:「それが・・・ パソコンと資料用のCD-ROMは 家に置いたままらしいんだ! 昨夜遅くまで資料作りしてたみたいで・・・。 僕はこれから手術する由美についていないといけないんで・・ 誰か資料を取りに来てもらえないかな? 病院で由美の部屋の鍵を渡せるけど・・・」




彩香:「これからですか?

間に合うかな? ちょっと待ってて下さい! 課長に聞いてみますから・・・」



 彩香は 一度電話を切った・・・



彩香:「早乙女さん! 課長どこにいるか知ってます?」

早乙女:「ああ! 先程 模型の展示室にいたけど・・・」



彩香は 急いで 模型の展示室に向かった・・・



彩香:「あ~課長! これから由美の家にパソコンと資料を取りに行きたいのですが 行ってもいいでしょうか?」



課長:「由美君 どうかしたのか?」

彩香:「盲腸でこれから手術するそうなんです!」

課長:「そうか・・・ 困ったな・・・ 社長の到着が午前11時頃になるらしい・・・ 当初は午後1時の予定だったが プレゼン後に昼食会を開くそうだ! 取引先企業の社長さんも数名連れて来るらしい・・・ 君に抜けられると

準備が進まないので 誰か手の空いている者を行かせられないかな・・・」

彩香:「えっ? 11時ですか? 困ったな!! 時間がないですね・・・ ああ~ どうしよう・・・」



 彩香は会議室やワークルームを廻ったが 手の空いている人は見つからなかった・・・



彩香:「ああ~ どうしよう・・・ ((((( ヽ('A`)ノ ))))) 困ったな・・・」



 イタズラに時間だけが過ぎて行く・・・ プレゼンの時間は刻々と近づいて来る・・・

 その時 携帯にメールが入った 北山翔からだった・・・




 “ ― 彩香さん おはよう! 今日のプレゼンの成功を祈っています 北山より ― ”



彩香:「あっ 北山さんからだ ヽ(゚∀゚)ノ 」



 彩香はスグに返信した


 
 “ ― だめかもしれない・・・ どこかに スーパーマン 居ないかな? ― ”


 
 かなり弱気の彩香のメールに 北山はスグに電話をして来た

 
 
 チャチャチャラ~♪



彩香:あっ! 電話? 「はい もしもし彩香です・・・」

翔:「彩香さん! どうしたの? ちょっと心配だったから電話したけど・・・」

彩香:「ううん! 由美が急に盲腸で手術することになって それでプレゼン用の資料とパソコンを取りに行く

人が 見つからないの・・・ だから どこかにスーパーマンいないかな~?って思って・・・

流石に万事休す・・・かな?」



翔:「スーパーマンじゃないけど・・・ 仮面ライダーじゃだめかな・・・」



彩香:「仮面ライダー?」



翔:「うん! 僕が取りに行くから 由美さんの病院の住所を メールしておいてくれるかな・・・ それを頼りに

バイクで向かうから・・・」

彩香:「バイクで向かうって 翔さん 仕事があるんでしょう?」


翔:「これから作家さんのところに原稿を取りに行く予定だったけど・・・

昼過ぎでも間に合うから・・・ 先に病院に向かうね!

僕にとって・・・ 彩香さんが一番大切だから・・・ 彩香さんが困っているなら力になってあげたい・・・ 

それより彩香さん! 時間がないから・・・ すぐに出発するね・・・

とりあえず どっち方面?」


彩香:「え~と 品川の平成大学病院・・・です。


翔さん!ごめんなさい!・・・ 本当にありがとう!!」



翔:「じゃ 彩香さん! また後で・・・」




























ライダー変身!! トォーー!!



















 翔は由美のいる病院へ 急いで向かった・・・



彩香:「北山さん・・・」



 彩香にとって 北山は “ 心のヒーロー ” となっていった・・・


 
 そして彩香の気持ちがまた少し 北山に傾いていく・・・






 さあ 彩香はプレゼンに間に合うのだろうか? プロジェクトの運命はどうなってしまうのだろうか?
 
 時間は 刻一刻と過ぎて行く・・・
 
 そして 社長と取引先の人を乗せた車は 予定より早く到着することになってしまう・・・
 
 この先どうなるのだろうか・・・




-------------------------------------------------------------------------------


To be continued