『大炊介始末』 | 赤と黒

『大炊介始末』

 『大炊介始末』(山本周五郎)
 
―あらすじ―
 大炊介の悲劇を描いた表題作の他、宮本武蔵の後半生を描いた「よじょう」、明るい姉妹の人情モノである「おたふく」など、バラエティ豊かな10編を収録した短編集。


 「よじょう」読みたさに買ってきました。『さぶ』以来、8年振りの山本周五郎…と思っておりましたが、2008年に『怒らぬ慶之助』という短編を読んでいたようです。全く記憶にありません。

 「宮本武蔵を書いた作品の中でも一風変わった作品がある」との情報通り、「よじょう」に出てくる宮本武蔵の姿はもはや剣術家ではありません。世間の評判と体裁を過敏に感じ取り、死ぬ際においてもあくまで一流の剣術家として振舞おうとする姿を皮肉って書いていました。短編でサクッと読めることもあり、これはこれでアリですね。

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