『ファントム・ピークス』 | 赤と黒

『ファントム・ピークス』

 『ファントム・ピークス』(北林一光)

―あらすじ―
 長野県安曇野の山で失踪した女性の頭蓋骨が、半年振りに発見された。夫である周平はその死に不審を抱くが、数日後、山を訪れた女性が相次いで行方不明に。妻の事故との類似点に気づいた周平は捜索を手伝うことにするが、恐るべき事態が人間を襲う。


 いわゆるパニック小説です。「自然と人間との共存」をテーマにしつつ、自然に逆襲される社会風刺を描いています。ストーリーとしては完結していますが、被害者や関係者のその後が書かれきっていないことと、事件が終わっていない(再発する)ことを示唆するラストになっているため、どうもスッキリしない作品でした。被害者の恋人の青年や、目の前で母を殺された少女のその後は一体。

ファントム・ピークス (角川文庫)/角川書店(角川グループパブリッシング)

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