遠山一行氏ご逝去 | 軽井沢高原文庫

遠山一行氏ご逝去

遠山一行氏がご逝去されたと、けさの新聞で知りました。92歳。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。私にとって思い出されるのは、12年ほど前、軽井沢に関するエッセイを通信に書いていただいたこと。氏は冒頭で「私の軽井沢は70年前に遡る」と記しておられ、まず驚かされました。小学生の頃の思い出。それから、これも10年あまり前、遠藤周作展に合わせて刊行する雑誌「高原文庫」の座談会に、遠山一行・慶子ご夫妻、小柴昌俊氏、加賀乙彦氏の4氏にお集まりいただき、遠藤氏についての座談会を学士会館でしていただいたこと。氏はその時、、以前全国数箇所を巡回した遠藤周作展の図録を持参してこられ、それをテーブルの上において、慶子夫人と並び、常に笑顔を絶やさず、とても楽しそうにお話をなさっていました。その時のバッハと調性音楽のお話は私には目からウロコの体験でした。また、これもだいぶ前、武満徹展の際、武満氏の自筆楽譜を、ロシア大使館近くに当時あった日本近代音楽館からお借りしたことがあります。この近代音楽の貴重資料を集めた資料館は、遠山氏が自費を投入され運営継続されていることを知り、感銘を受けました。