手彫り印章の制作工程の動画をHPとyoutubeで配信はじめました | 山梨㊞望月煌雅(甲州手彫印章 伝統工芸士)公式ブログ

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日本一のハンコの里 六郷(山梨県市川三郷町)のハンコ屋(3代目) 甲州手彫印章 伝統工芸士 望月煌雅(望月一宏)の公式ブログです。
手作り好きのあなたへ 手彫り印章・ハンコ・印鑑、工房見学・ハンコ彫り体験などお話します。

こんにちは。望月煌雅です。

今日は、今年最後の小学校でのハンコ彫り(篆刻)体験でした。

担任の先生は、子供たちに今日のハンコ彫り体験がクリスマスプレゼントと説明し
子供たちは、楽しみにしていたそうです。


伝統工芸士 望月煌雅作 甲州手彫印章「煌雅印」の制作工程の動画です。


煌雅印の制作工程   → 
布字の準備
校字:彫刻する文字を簡単な字典で調べる 
草稿:字形を選び、文字を組合せて数パターン、デッサンする。
(うまく収まらない場合は、より詳しい字典で調べたり、文字の字源を調べ、字形のパターンを増やし、字法章法を駆使し、うまく収まるように推敲する)
point
字形、文字の成りたちはすべて記憶していないのと、勘違い防止のため、毎回、字典、時には字源字書を調べます。

印面調整:印材の印面を紙やすり(400番)で擦り平らにする 
印面に朱墨を塗る 
字割:一字一字のスペースを決め、印面に専用の道具を使い区画線を引く

布字
① を参考にして印面に墨で逆文字を書く (印面を鏡に照らし合わせながら朱墨と墨を交互に使いイメージ通りになるまで何度も修正します。)
point
十分な納期(一か月以上)がある場合は、数日たってから、改めてチェックします。この確認作業により、別の視点から見ることで、新たな発見があります。
字入れ作業は、良い印影を作るために特にゆっくり丁寧に行います。私自身、字入れが終われば、その印は8割がた完成したという感じです。

荒彫り
枠・文字が残るように印面に凹凸を作る作業です。
*文字を傷つけないように、深浅のないように彫刻します。
起底刀を使う場合(純手彫り)
(起底刀は、1番刀(細)~6番刀(太)まであります)
2または3番刀で枠、文字(墨)の際に沿って不要な部分(朱墨の部分)を彫り起こす
→ (朱の)広い場所から6番刀、5番刀・・・の順に使い朱墨の部分が無くなるまで彫る

仕上げの準備
印面調整:墨をとり、2000番の紙やすりで印面を磨く 
墨(朱)打ち:印材によって、墨または朱墨を印面に打ちつけてぬる。
Point
印面調整・墨(朱)打ちを上手にしないと、押印しにくくなります。特に朱打ちの場合、朱墨が盛り上がる特性上、気を付ける必要があります。(お客さんからは押しやすいと好評です)

淵を削る(枠の強化のために行います)

仕上げ
仕上げ刀を使い、枠を均一の太さに揃え、文字の曲りを直し、文字に筆意等の流れをより精密に出す(一点一画まで気を配り、文字の流れ筆意を生かして仕上げます。)
Point 
筆(字入れ)では出し切れない文字の線の勢い・流れを出すことによって文字(印影)が生きてきます。

補刀:印箋に押印し、それを見ながら、さらに印影がよくなるように修正する
さらい彫り:仕上げによって出来た土手部分を起底刀で削り取り、印面の底の深さを揃える。 図を入れる

完成
さらに私の作品の証明として専用の印箋に押印し、落款を書き、落款印を押します  
  
落款→制作した時期(干支、月) 煌雅(一宏)刻




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