9月26日(木)

熊本県立劇場で、久々のクラシック・コンサートへ。
目玉はなんといっても、辻井伸行さん。
2009年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで
日本人初の優勝者として名前を馳せ、
その後の活躍ぶりはここに書くまでもない。

一般発売日当日、発売と共に電話をかけ続けたのに、
S席はとれず、辻井さんの人気ぶりを再認識。
そういえば東京・埼玉にいて、コンサート行きまくりだった時代には、
「ここぞ」という公演の際には、チケットぴあetc..にリダイヤルで延々かけ続け、
電話がつながるまで「この電話は大変混み合ってかかりにくくなっております…」
のテープを延々聞き続けるのが常だったな…と、懐かしく思いだした(笑)

残念ながら、コンサート業界は東京一極集中の状態。
クラシック・ファンなら毎号楽しみにしている『ぶらあぼ』という無料の雑誌があり、
だいたいどこのコンサート会場にも置かれているのだが、
その最新号を見ると、あれも・これも!
ほんとは行きたいコンサートもあり、かなり目の毒である(笑)
むこうにいた頃は、可処分所得のほとんどを、
クラシックのコンサートやCDにつぎ込んでいた私らなのであって。

プログラムは、
メンデルスゾーン/序曲『フィンガルの洞窟』 Op.26
ショパン/ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 Op.21
ベートーヴェン/交響曲第7番 イ長調 Op.92
というストレートな名曲プログラム。
7番は、「のだめ」ですっかり有名になった曲ですね(笑)

時々、双眼鏡も覗きながら、しっかり聴いて、見てきましたよ。

演奏のほうは、手堅い。
むしろ、辻井さんはコンチェルトより、ソロのほうが印象に残りました。
もちろん、コンチェルトだって、高水準で美しい音だったのですが。
ちなみに、アンコールは、こんな曲。



超有名曲なのもあり、会場、大いに沸いておりました。
辻井さんは、始終首を左右に振っての熱い演奏ぶり。
ショパンのコンチェルトは、冒頭部分、
ピアノが入るまで少し時間があるのですが、
オーケストラだけの部分でも、首を左右に始終動かし、
相当音楽に入り込んでいることがうかがえるのでした。
(当然といえば当然なのですが)

それと、アシュケナージがお茶目(笑)
目の不自由な辻井さんを、聴衆の喝采に応えて
何くれとなくエスコートしながら舞台上を何度も行き来し、
辻井さんがアンコールを弾いている最中には、
指揮台にちょこんと座り込んで、ご自分もじっくりと聴いている様子。
一番最後の例も、正座した時に畳の上に手をつく日本人を真似るような様子で、
何度もお辞儀をするので、会場には温かな笑いも広がった。

この1年。
この劇場に行った本格的なクラシックコンサートといえば、
去年11月のゲルギエフ×マリインスキー歌劇場管弦楽団。
(これは、うちらも「うーむ…さすがゲルギエフ!
オケをのせるのがうまい、うますぎる…」と、
唸りながら無言で帰ったことが思い出される…)
今年5月だったかな、佐渡裕×シエナウインドオーケストラくらいかな。
他にも行きたいな、という公演があるのだが、
この劇場の主催公演くらいしか、託児がない。
大抵のコンサートではお断りの「未就学児」も、
来年から小学校に上がるので、来年からは、どしどし連れて行きたい。
(が、本人が受け付けないか…??)

で、これはオマケ。
その、シエナ・ウインドオーケストラのコンサートに行った時、
アンコールでのサプライズが!!
なーんと、突然「くまモン」が登場したのであった!



佐渡さんと2人(1人と1匹?)で、喝采に応える「くまモン」♪
アンコールは、「会場で楽器を持ってる人は、皆舞台に上がって!
一緒に演奏しましょう!」と佐渡さんが呼びかけ、
たくさんの方が舞台へ、という、素晴らしく楽しい趣向が。

とにかく、ライブが一番素晴らしい。これぞ、一期一会。

それにしても…。
大量のクラシックCDを保有する我が家では、
(どれくらい「大量」かと言ったら、ベートーヴェンの交響曲全集のボックスが、
多分10セット以上はあるんじゃないか…?)
「あれ聴きたい!」と思った時に、すぐに「あのCD」が見つからないというのが、
相当にストレスだ。
未だに引っ越しの段ボールの中に眠っているものもあるんじゃないか。
どうにかしたいことの1つ。

帰り道、何の脈絡もなく、アンジェラ・ヒューイットのバッハを
猛烈に聴きたくなったのだが、
それは一体どこにあるのか…?(汗)

うちらは冗談でよく「老後はどっかでクラシック喫茶でもやるか?」
と言い合うのだが、うちらに飲食店はできそうもないよな…。
毎日、お客様に供する材料を仕入れて、仕込んで、調理して…
なんて、考えただけでも気が遠くなって、音楽どころじゃないわ(笑)
というか、そもそも、「クラシック喫茶」なんて、需要がないかもしれん(笑)