明日から11月となり、朝晩はかなり寒くなってきましたね~。都内でも薄手のコートを羽織っている方が多くなってきました。やはり服好きにはコートを着ることができる季節というのは楽しいものです。
今回は先日このブログの読者の方から頂いたご質問にお答えする形でお送りします。今回はコストパフォーマンスが良いイタリアブランドのコートという観点で今シーズン色々なショップを覗いて、試着してみた結果おすすめできるコートを探してみました。
ご質問をいただいたのは価格が10万円前後で売られているイタリアブランドのコートについてです。昨今タリアトーレなどのブランドでも10万円を大幅に超えてくる状況なので意外と少ないですよね。数年前ならかなり種類が豊富でしたが・・・。恐らくこの価格帯となるとセレクトショップのイタリア生産オリジナルが多くなるとは思うのですが、ショップの企業努力や企画力で価格を抑えているモノも少なからずあるのです。
伊勢丹をはじめとする百貨店やセレクトショップで見かける上記の条件のブランドはパルト、ドッピアアー、サルトリアラトレ、ヴァルディターロ(カルーゾと同じ伊マコ社製)ですね。価格的には10万円を少し超えてくるのですが、そこはご容赦ください。
ちなみに上記4つを価格帯で並べると・・・。
パルト≒ドッピアアー<サルトリアラトレ<ヴァルディターロ
またテイストを見ると、パルトとドッピアアーは生地であったりデザインが少し洗練されています。すなわちカジュアルでも合わせやすいのです。サルトリアラトレやヴァルディターロは抜け目のない伝統的なテーラードという印象です。
ただこういった正統派のドレスアイテムはおそらく誰もが1着は所有しているでしょうから、私としては今後の成長が楽しみなパルトやドッピアアーがおすすめです。これらは他のどのブランドにも似ていないという独自性がありますから。
中でも私が本当におすすめしたいのはドッピアアーですね。ハンガーにかかっている状態ですと普通のデザインですが、着てみるとドレープ感がきれいで肩周りの丸さや襟の部分の美しさが抜きんでているのです。ハンドを謳っていませんが下襟と上衿をハンド縫製とアイロンワークを駆使して縫製し、独特の曲線を描いているのが特徴ですね。襟部に関してはポロコートとピーコートの良いとこどりというデザインです。個人的にはダブルのコートでピークドラペルくどいと思います。襟立ても決まりませんしね。その点ドッピアアーのポロコートは襟の大きさと芯地の入れ方が絶妙なので襟を立てたり、巻物を巻いてもバランスが良いと思いました。
昨今イタリアブランドの人気の入れ替わり激しく、ぱっと見どのブランドであるかを見分けるのが難しくなり同質化していますが、ドッピアアーに関してはそれらに埋もれない上品かつ上質な独自性を持っていると思います。