$人材採用・活用アドバイザー                 社会保険労務士 児玉けい子のブログ

会社で活躍する人が辞めないしくみ
 
内海 正人先生の新刊のご紹介です。

内海先生とはかれこれもう6~7回はお会いしたと思います。
はじめは、横須賀先生の天才塾のゲスト講師でお招きいただいたとき、
セミナーを聞きにこられていて、ものすご~く緊張しました。。
一応私のほうがちょっとばかり?年上ですが、
実績と経験がすごくて著書も10冊以上。すごい方です。

クールでもありお茶目でもあり、ひょうきん(死語?)でもある先生。
見た感じは氷川きよし^^

さて本を読んで、
全体を通じて強く感じたのはとにかくマニュアル化の必要性です

会社が活躍する人が辞めないしくみと
ありますが、
読み進んでいくと、
「そもそも社員は会社を辞めるものと考えてみることにする」

とあるのです。
え?これはどういうこと?
辞めさせない仕組みじゃなかったの?

でも納得しました。その通りなのです。

優秀な社員を辞めさせない仕組み=優秀な社員に頼っているということなのです。

この人がいなくなると業務に支障がでるわけです。
経営する側としては、これは本当に困ります。

■ここで私は思いました。

実際に優秀な社員であるが故
「あなたの仕事をマニュアル化して誰でもできるようにしたいのよ」
と本人に言っても、
「この仕事は自分しかできないから、会社は自分を辞めさせないはず」
「マニュアル化しろってことは、いよいよやめさせる気なのかな?」
と思われるのが怖くて?なかなか言えないのが現実かもしれません。

それでも辞められてダメージを受けるのは会社です。

経営者は勇気をもって業務のマニュアル化に取り組まなくてはいけないと
痛感しました。

●優秀な社員から辞めていく

できる社員が何をしているかを把握することが大切
⇒仕事そのものがブラックボックス化している。
客観的に分析し
1・彼しかできないもの
2・誰でもできるもの
3・スキルがあればできるもの
4・スキルがなくてもできるもの
に区分けする

その中で彼しかできないもの
の割合を減らしていけば、退職願が出てきても大きな問題にならない。

■辞められて困るということにとどまりません。

業務がマニュアル化されていて、誰でも代わりができるということが
優秀な社員にとってみても、自分がいなくても業務が回るということであり、
休暇取得率をあげ、お客様にも「担当者がいないからわかりません」という不親切なサービスから脱却することになり、顧客に不安を与えない経営につながりますね

一人前になるためには10年かかる
よく聞く言葉です。
実際にそうなのでしょうか?~
なぜそう思うのでしょうか

それは、品目の管理や、商材の管理について独自のルールがあり先輩の動きを盗んで覚えていかなければならないからといったところが理由のようです。

これでは、職人の技術と一緒で、新卒で入ってきても30半ばまで同じ部署で
働かないとその道のプロにはなれない。と書かれています。

解決策として
先輩社員に依存した口伝えによる教育を廃止しマニュアル作成をする
経験に依存した属人的な方法から誰にとっても理解が容易なマニュアルを作り
それに則した業務進行の仕組みによって仕事をすすめるようになると
人間関係で会社をやめるということが少なくなる

新人教育はなぜ難しいのか
⇒何をどこから教えたらいいのかわからないから
⇒人材教育のマニュアルを「見える化」する
⇒そうすれば、教える側の品質が均一となり教育する先輩社員のスキルに依存しなくてよい
⇒これにより教える側もストレスが激減する。

マニュアルのつくり方(目からウロコでした)
身に付けようとしている部下が教わっている時に「メモ」をとっている場合がおおい。
そのメモをもとにマニュアルを作る。(教わる側がというところがミソです)
そのマニュアルを作るのも教わった部下が作る。
⇒ノウハウを身につける復習にもなるし、本人の仕事の整理にもなる。
さらに教わったプロセスを客観的に再現できる。

教えてる上司がマニュアルを作っても、自分ではわかりきっていることなので、ついつい
プロセスを省くことがある。しかし教わった部下なら一つ一つの手順を理解していないと
ノウハウを習得することは不可能。

■たしかにそうです。わたしも現場にはほとんどノータッチです。
小さな会社なら社長は新人教育に目を光らせることができますが、
そうもいかない場合も出てくるんですよね。

どういう教育が行われ、キチンと理解して成長してくれているのか
何が理解できて、教え方に問題はないか。を検証するにはこの方法以外にはないと思いました。

OJTと称して「現場でなれろ!」「仕事を見て盗め」「背中で覚えろ」
これで新人を教育していると思っていたら社員はそだたない。

新人にしてみれば
「何を見るのか?」
「何に慣れるのか?」
がさっぱりわからない。

「自分がやるならどうするかを考えながら見なさい」
「売れ筋商品がどんなお客様に売れているか、実際に売り場をみてその理由をレポートしなさい」などと、具体的な支持と学ぶポイントを伝えることが大切

■うちの事務所も11月から新人さんが入社してきました。
うちの仕事の内容はだれでもできる。といった簡単なものではないので、
「この仕事にはこういう意味がある。」
「これをこうしないとお客様にこんなふうな迷惑がかかる」

新人入社の時に
その仕事その仕事の持つ意味を、丁寧に説明するようにスタッフにはいいました。
そして「教育マニュアルも作ってね」とは言いましたが、

きちんとやってくれていて、どういうものが出来上がっているのか、その結果をキチンとフィードバックできているのかまで私はチェックしていませんでした。
この本を読んで反省!

さっそくスタッフにメールを送り、教育される側にメモを取らせ、その日の教育日誌を記載させること、マニュアルを作り、月末に私に報告することを実行します。


●社員にとって数年後の自分のポジションがイメージできるように会社の将来像を見せる
「先を見せる」先を見せることは、確実な将来を約束することとは違う。
希望や期待感をみせること。

■今の時代これは本当に難しいです。
先を見せようとしても、経営者も人間です。不確定な経営環境の中
どんな将来を見せてやれば良いのか・・たしかに私も「うっ」と思いました。
でも、確実な将来を約束するということではないんですよね。
それならできそうです。

「いつも相手の立場で考え、お客様が笑顔になってくれることを一番に考える」
「ギブ&ギブ&ギブの精神。」

内海先生の本に共感しました。
ここに書いたことは、ほんの一部、よみごたえありますよ~
詳しくは、是非この本を読んでみてくださいね。

http://p.tl/UJpo