四万十川源流の山・不入山 | 次世代に遺したい自然や史跡

次世代に遺したい自然や史跡

毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

先々週、光回線工事の連絡忘れで、五日間、ネットが使えなかった時、「不入山」という語句検索での訪問が300件近くありました。

以前、四国のマイナー高山の標高ランキングで記述したようにその山名の山は、徳島県の剣山系にもありますが、有名なのはやはり高知県津野町の不入山(いらずやま・1336.1m)


 

有名な理由の一つに、四万十川の源流点があることが挙げられます。山の東方中腹にあり、登山口から30分ほど登れば到達できます。近年、そこから山頂へ上がるコースもできている模様。

 

 

自然、戦跡、ときどき龍馬-鶴松森から見た不入山不入山の魅力はそれだけではなく、豊富な自然林や山野草についても知られています。

四国カルスト県立自然公園区域に含まれており、風景林や学術参考保護林にも指定されているのです。


 

樹齢100年を超える杉や檜を始め、コウヤマキ、ヒメシャラ、ツガが林立(全てが登山道沿いにある訳ではない)し、初夏にはシャクナゲやアケボノツツジも咲きます。


 

ただ、私は個人的にはこの山にあまり自然、戦跡、ときどき龍馬-岩場の裂け目に流れる清水 いいイメージを持っていません。と、いうのは、生まれて初めてブト(ブヨ)に刺されたからです。それも顔を十数ヶ所以上。山頂で一千匹以上の大群に襲われたのです。


 

ブトというのは地域によってはカツボとも呼ばれますが、シロアリを少し短くしたような羽虫で、刺されると蚊の5倍以上腫れ、痒みが生じます。しかも普通の携帯蚊取り器は全く通用しません。


 

唯一通用するのは、林業関係の道具を扱っている店で販売している、赤い色をした蚊取り線香。これは普通のものより強力です。

 

ですから、この山に登る適期としては、春先や晩秋がいいでしょう。

登頂に要する時間は二時間ほど。該当地形図は「王在家(おざいえ)」。


 

当方が登ったコースは源流点からのものではありませんが、車でのアプローチについては、以前は殆どのガイド書で、仁淀川町で国道33号から国道439号に入り、矢筈トンネル手前から左の県道378号(北部は未舗装だったような)に折れるよう、記していました。が、今なら高知自動車道で須崎(須崎東インター)まで行き、そこから県道315号、国道197号を通り、津野町船戸から県道378号を北上した方が早く行き着けるかも知れません。


 

登山口は仁淀川町と津野町との境界のやや自然、戦跡、ときどき龍馬-稜線の景色 南の西側。看板が出ているから分かります。

最初は一般車両が通行禁止の林道を一時間弱歩きます。

 

車道から歩道に変わってほどなくで道は二手に分かれますが、どちらを取っても上方で合流します。右側の道はシャクナゲやアケボノツツジが咲くコース。左は沢沿いの道。


 

合流地から78分で尾根に出ますが、尾根は明るく、周囲の展望も開け、天狗高原を望むこともできます。この尾根にもシャクナゲやアケボノツツジが咲く箇所があります。


 

山頂が近づくと稜線から逸れて南から東へと巻いて山頂に至ります。

山頂にはベンチも設置されていますが、年々周囲の木々や藪の背が高くなっており、私が登った’90年代後半は、座ると周囲の景色が隠れました。南東へと下るコースも既に廃道化していました。

立って石鎚山系の景色を何とか楽しみ、ベンチで弁当を。自然、戦跡、ときどき龍馬-岩場からの展望


 

四万十川源流点へは、林道入り口から南方の県道378号沿いに看板が出ています。

尚、林道入り口のやや北の東側には、180度以上の展望を誇る鶴松森(かくしょうがもり・1100m)の登山口があります。この山の山頂は風さえなければ、正月でも陽が当たって暖か。


 

因みに無名峰、駄場峰(1002.5m)から半山越を越えて鶴松森へと登る、比較的楽なコースは拙著「土佐の静寂峰(土佐のマイナー山part1)」(ライブドアでの購入は→こちら )を参照のこと。

また、不入山の西方の足川渓谷沿いには、不入林用軌道の遺構が所々残っている模様。


 

*おと年投稿した不入山での遭難事故の記事は→こちら。

*不入山掲載の登山ガイドブックは

改訂版 高知県の山 (新・分県登山ガイド 改訂版)

 

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