「あ~、ごくらく、極楽・・・」って、母がよく言っていました。
私がまだ小さい頃。
母がこれを言うのは決まって夜、布団に入った時。
母の銀座の店が休みで、珍しく一緒に布団に入るような時に。
横になると同時に母が、「ごくらく、極楽。こうやって寝られる時が一番いいねぇ!」と言うのです。
その頃私は「極楽」という言葉の意味はよくわからなかったけれど、母の表情や感じから、「何だかとっても気持ちいいってことみたい」とは理解していたと思います。
日頃仕事で忙しい母が、早い時間に子どもと一緒に眠れるという事をどんなに楽しみにしていたのか・・・まではとても想像出来ませんでしたが。
でもこの「極楽」という言葉、その後はほとんど聞く機会はなし。
最近は『おじいちゃんのごくらく ごくらく』(作:西本鶏介 絵:長谷川義史 鈴木出版 )という絵本もあって子どもにも親しみのある言葉になったような気もしますが・・・それでもやっぱり、若い子が使う感じでもないしねぇ。
それが。
今日は私、ごく自然にこの言葉が口から出ちゃいました。
時間はお昼過ぎ。
場所は・・・
自宅のお風呂。
そう、今日私は昼間から一人で、の~んびりと、でも湯船に沈んでしっかりと、入浴していたのであります。
いい身分でしょ!
なんでこんな事になったのかというと。
昨日一日忙しかったので、今日はのんびりうちで仕事の準備をする日でした。
しなくてはいけない事はたくさんあるけれど、どうもうちで作業となると本番の日のような気合いは入りません。
みんなを送りだし、着替えはしているけれどお化粧はしていないままにまずは次回の絵本選び。
どうにか一覧表も出来、次の仕事に取り掛かる・・前に、なんだか疲れもたまっているし、ちょっとジムに行って運動しようと。
ならばこのままお化粧しなくていいか、とスウェットに着替え、いざ。
そうしたら・・・着いてから思い出したのですが、今日は休館日。
間抜けな私・・・
そのまま自宅に戻ったものの、着替えてお化粧する気もおきず。
運動してから大きいお風呂に入ろう!と思っていたのにがっかり。
熱~いお湯にしっかり沈んで体を伸ばしたいなぁ・・・ならばもう、うちで入っちゃえ!
となったのでありました。
いつもは子どもにあわせてぬるめのお湯なので、今日は自分用に熱~いお湯を。
お気に入りの入浴剤を入れて、お湯に沈んだら・・・自然に出ちゃったのですね。
これまで使った事のなかった言葉、「あ~、ごくらく、極楽!」って。
私もこれを自然に使う年齢になっちゃったか、それにしても大人の「極楽」っていいもんだよねぇ・・そんな変な事をあれこれ思いながら、ゆ~っくりとお風呂に入ったのでした。
ホント、皆さんが働いていらっしゃる時間帯のお風呂は格別ですね!
その後に「あ~、ビール呑みたい!」って別の極楽を想像したのですが、さすがにそれまでしたらもう今日は復活出来ない気がしてガマンした大人の私です。
こんな楽しみはまた次の機会に!
帰って来た子ども達や夫にだいぶ呆れられながらも、本人はとても楽しかった一日。
たまにはこんな日も。
う~ん、でもこの「極楽」(+ビール!)、クセになりそう!