小名浜漁港の小さな食堂で、ほとんどが小名浜漁港以外で獲れたであろう美味しい魚を食べ、ご満悦のこばてぃ一行は、小名浜三崎公園へ。
「マリンタワー 」へ上る。
海。
昔から、畏怖の念とともに海を見る。
海って何もしなくても吸い込まれそうだ。
色んな説があるけど、私は「海」は「産み」からきたと思う。
とりとめもなく色んなことを考えるが、高所恐怖症だから、とりとめもない思考も短時間で済んだ。
郡山に帰る途中、2つの仮設住宅を見た。
一つは、多分いわき市、もう一つは郡山市に入ってすぐぐらいだった。
どちらも、山の中の何もない所にポツンと建っていた。
郡山市の方の仮設から、小さくはないこいのぼり(多分真鯉)が一尾たなびいていた。
(あぁ、あそこに男の子がいるんだろうな。)
胸がぎゅーっとなる以外、なにもできない。何も言えない。
どうか、少しでも前向きに日々を過ごしていることを願うだけ。
郡山市といっても本当に広い。
羽村市の面積約10k㎡に対し、郡山の面積757k㎡。
76倍って想像つかない!?羽村小さすぎ。
ちなみに、東京都は2188k㎡だって。東京の1/3もあるのです、郡山市。
ビッグパレット近くのような繁華街の仮設にうつった人は、しばらくはパチンコ行ったり飲み屋に行くぐらいしかやることなくて、「東電からお金もらってるから」と郡山市民に陰口をたたかれたり。
そんなこと言う人ばっかりじゃないだろうけど、姑からそういう話を聞くから、まぁある話なんだろう。
補償をもらっている人ともらっていない人との間にある見えない壁。
そして、郡山市といってもはずれのはずれの山中の仮設の中暮らす人々。
3年経った。
3年だよ、3年。
いつ来ても思うけど、本当に大変なことなんだ、と改めて思う。
東京に帰るとまた少しずつ記憶が薄れ、「前よりはよくなってるかな」と勝手な想像をしたりして、自分の生活で手いっぱいになってしまうから、いつも来るたびにガツンとなる。
車の中で、子ども達は、マリンタワーでばあばに買ってもらったおもちゃで楽しそうに遊んでいる。
私は、いつまでもあの真鯉の姿が、頭から離れなかった。