ウィンナーカツ


とは不思議な出会いである。


幼少の頃、肉屋さんのコロッケを頬ばったことは、誰しもあることと思う。


で、大抵横にはちょっと高いミンチカツがある。
「ミンチカツって何?」と思って買ってみる。
チト高いが、チト違う味がして、チト重量感がある。


で、その隣に大抵、ウィンナーカツがある。

何回も通っているうちに、最後に購入した記憶がある。


ここら当たりまでが子供の駄菓子延長範囲。

子供感覚の肉屋御三家とでも言おうか。


その隣の、大王様・とんかつになるともう、これは立派なおかずで、子供の小遣いの範疇ではない。

そしてとんかつ自体、ご飯かパンがないと単体ではどうにもならない。


で、ウィンナーカツとの出会いは劇的ではない。
なんとなくなんとなく、出会い、なんとなく好きになってしまったのだ。


どちらかというと、類種の

アメリカンドックのほうが劇的に出会った
盆踊りの夜店の屋台、高速道路のドライブイン、常に目立っていた。


私のウィンナーカツとの出会いは、

確か、故郷大阪、吹田市古江台の


古江台マーケットの中の肉屋さんのコロッケが縁である。


ここのコロッケが甘くてうまかった。

おかずとしてよく買いにいった。
そして両サイドにはご多分に漏れず、ミンチカツ様とウィナーカツ様がいた。


で、ウィンナーカツ。
安いウィンナーのほうがうまいような気がする。
赤くて、添加物が入っているやつを記憶している。

これは子供の頃に刷り込まれてしまった記憶の食べ物でもあるのだろう。

最近は、いいポークウィンナーが安く出ていて、昔の味は出しにくい。


で、いつも思うのだがウィンナーはどうして子供に人気があるのか?


中学生になるととんかつのほうが好きになると思う。

ウィンナー~とんかつへ、人が成長していく過程で、何かのボーダーラインが確実に存在する、ような気がしてきた。

特に理由はないが、わたしはなんだか、そんな感じがする。



で、作ったウィンナーカツ。
カツ類は購入することが多いので、やはり、実戦不足。

得体のしれないものになってしまった。
前半はまだしも、後半はうまくパン粉がつかない。

さらに、天ぷらのときもそうなのだが、卵一個でできすぎてしまう。
今度目からは半個にし、半分は卵焼きにしてしまおうと思った。


しかし、串カツ風に、こうなりゃ、野菜フライにしてやろうじゃねぇーのぉー。

と、粘った結果……。


しいたけ、長ネギ、ニンジンはうまく仕上がった。


本日の四番バッターのウインナーカツ君はやや、脂っこく、三振気味であるが、次回からは復調することであろう。


しかし、

カリッとした後、ウィンナーの肉感が広がるこの感触は独特のもの。


ウインナーカツ。

絶対ないと困るわけではないが、時々食べたくなる、不思議な食べ物である。