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こばごうのコレ切ってアレ食って

小林剛による天鳳名人戦自戦記など

南3局

東家 柏原 純  222

南家 小林 剛  341

西家 須藤 浩  323

北家 草場とも子 314

この点差で中盤にこんなテンパイが入った。

七筒八筒九筒九筒九筒二索三索四索五索六索七索八索九索

ドラなし

一般的なルールならば当然即リーチ。

安めでもアガれば、かなりトップに近づくだろう。

 

ところがこのテンパイ料のないルールでは難しい。

アガれれば問題ないのだが、流局するとこんな状況になってしまう。

東家 331

南家 323

西家 314

北家 222   供託1

テンパイ料で点差を広げることもできず、逆に重い供託リーチ棒が残っている。

南家西家はなんでもアガれば、北家はマンガンツモでトップ。

しかもアガり方によっては親かぶりで4着まで落ちる。

 

ダマテンで安めの1000点をアガっても351となりそこそこ安全圏に入るのでかなり迷ったが、素点の価値も考えてリーチといった。

 

結果は安めのツモアガリ。

次局は3者が条件を満たすことができず流局してトップを守ることができた。

 

プロランキング戦 2節終了時

清水 英二 +74.7

三上 龍玲 +58.8

木村 和幸 +20.1

小林  剛 +18.9

草場とも子  +7.4

むく 大樹  △4.5

柏原  純 △10.2

須藤  浩 △11.8

三原 孝博 △25.7

城島 清貴 △46.5

黒澤耕一郎 △48.1

山本 裕司 △54.1

 

ここまでの着順は44141114。素点で18900浮いている状況。

昇級は4位まで。

次節は6/26(月)。抜け番なのでミューリーグの解説ですよ!

久々更新ですいません!!

 

昨期初めてミューリーグで降級し、現状のシステムになって初めてプロランキング戦で打つことになった。麻将連合ができて21年。選手としてのランキングが初めて10位以下になってしまったのである。

ここはなんとしても1年で抜けるつもりだ。

 

今期の出場は12人。上位4人が昇級。

 

ルールは一発裏ドラテンパイ料なし。

順位点は4000-12000。

リーチ後のアンカンと積み場なし。

 

このアガリ点だけに意味があるルールでは安いテンパイの価値が低く、高いアガリか安全な流局を目指すことが多い。また、一発裏ドラテンパイ料がないためリーチの価値が低く、デメリットは大きい。

つまり、リーチに頼らずに手役を作り、また押し引きも考えなければならない。

 

ただ、遅くて高い手ばかりを狙っていても一度も成就しないことが多いので、その場合は細かいアガリを重ねた人の下になってしまうケースもよくある。

 

このルールで有効な手はこんなのだ。

 

一萬三萬七筒八筒九筒一索一索

チー九萬七萬八萬チー九索七索八索

ツモ二萬ドラ七筒

ジュンチャン三色ドラ1。親でこれをツモって3900オール。

9から仕掛けることが不安な人もいるだろうが、6をツモって困るのはメンゼンで進めた場合でも同じこと。愚形リーチドラ1になってもそれほど価値はないのだ。それならば6萬や6索をツモってしまう前にチーをしたほうがいい。

もちろん、狙っているジュンチャンや三色がバレないように、1フーロめをした後の切り出しや空切りなどはかなり気を遣った。

 

これが決まった2回戦は私の大トップ。

 

しかし甘い失点もありトータルでは少しマイナスになってしまった。

 

久々に復帰した木村和幸と同卓。

やはり打牌のスピード、的確な押し引きなどはさすがだったな。

 

プロランキング戦 第1節終了時

三上 龍玲 +41.2

須藤  浩 +28.0

木村 和幸 +20.1

清水 英二  +4.0

むく 大樹  △4.5

小林  剛 △14.2

城島 清貴 △46.5

黒澤耕一郎 △48.1

抜け番

草場とも子 山本裕司 柏原純 三原孝博

 

 

さて、最近私の周辺で「競技マージャンは打点が大事だ。」

なんて意見をよく聞き、実際に手役を狙う打ち方がかなり流行しているようである。

だが、こっちは20年以上前からこの手役重視のルールで戦ってきて、その上でスピードとのバランスを考えて選択しているのだ。

もちろん一発裏ドラありと一緒には論じられないのだが、

「小林はスピードだけ考えてる」

「小林ならポン」

「小林のくせに手を狭くして手役を狙ってる」

なんて言われ方をしているのはなんとも不思議だなあ。

 

みんな打点狙いすぎじゃないの??

5月に発売された私の本「スーパーデジタル麻雀」が

ついに増刷されることになりました!

ありがたいことに売り切れる書店も増え、アマゾンからも

なくなって数か月、やっとみなさまの要望に応えることが

できます。

同時期に発売された他の方の戦術本が次々と増刷されていき

小林の本は売れてないのかと心配した方もいるかと思いますが

そんなことはありませんでした!

おそらく初回の部数が他の方より多かったのだろうと

勝手に思っていますw

 

たくさん発見された細かいミスを修正し、

まもなく第二刷が出回ることになるでしょう。

 

 

さて、ここで話題になったこの本の前書きを

思い切って公開しちゃいましょう。

 

脱・スーパーデジタル宣言

 

私はよく「スーパーデジタル」というキャッチフレーズをつけて紹介されます。この本のタイトルにもつけていただくことになりましたが、実は自分ではこの名前を名乗ったことはなく不本意で、このタイトルにも誰よりも反対したのが私でした。

ここで、この「デジタル」という言葉について考えてみましょう。

「デジタル」という言葉が麻雀の世界に登場したのは、私の知る限りでは1990年くらいの名作「勝負師の条件」(山根泰昭&嶺岸信明)だったように記憶しています。

それまでの麻雀の戦術といえば、過去に起こった出来事から局と局のつながり・因果関係・ツキ・流れなどを判断して、その後に起こる偶然までも予想しようというのが一般的でした。つまり、一局一局の出来事はすべて連続しているという考え方で、時計でいえば秒針が連続して回っていくアナログ時計のイメージです。

それに対して、一局一局、ひとつひとつの出来事は偶然で独立しているという考え方があります。秒針ではなく、1→2→3→4のようにパッパッと数字が切り替わっていくデジタル時計のイメージです。このデジタル時計のように、ひとつひとつの事象が連続せずに切り替わっていくという考え方を、比喩的に「デジタル」と呼んだのです。言い換えれば、麻雀牌はランダムに並んでいて、次に何が起こるかはまったく読めない、一局と一局は独立しているという考え方です。

私は覚えたての頃から、麻雀に非科学的な因果関係を持ち込むことはなく、偶然と確率のゲームであるというデジタル的な認識で楽しんでいましたが、残念ながら20年前にはそれは少数派で、古くからの麻雀打ち達には異端児として扱われてきました。否定されるのは仕方ないことなのですが、彼らの言い分は我々の考え方を認めないどころか、次のように勝手に定義をすり替えて叩くことでした。

「麻雀牌はランダムに並んでいる」→「ツキ・流れを考えない」→「目に見えている明らかな理論だけを使う」→「目に見えている枚数や点数だけを考慮する」

このような理論のすり替えにより、「麻雀はそんな薄っぺらいものではない」と我々は不当な迫害を受けてきたのです。また、デジタルという言葉の定義も曖昧なものになってしまいました。

定義が曖昧になってしまった以上、私はこのデジタルという言葉を進んで使うことは決してありません。本文にも出てきますが、私は曖昧な麻雀用語は使うべきではないと思っていて、ただ「非科学的なオカルトを言わない」という立場だけを明確にしています。 

ところが、「スーパーデジタル麻雀」という本を出したいという話がきてしまったのです。ありがたい話ではあるのですが、せっかくの私の本なのに自分の主張に反して曖昧な用語をタイトルに使うというのです。ただでさえ曖昧な「デジタル」に、よくわからない「スーパー」という言葉までつけて……。これには私も迷いました。一時期は出版中止を考えたほどです。しかし、私の通り名として知られてしまった「スーパーデジタル」という言葉をあえて使うことでより多くの人に興味を持ってもらい、そこで改めて私の考え方を知っていただくのが一番良いのではないかと思い直して、この本を出すことに決めました。

 あとは内容を見て判断してもらうしかありません。この本には「流れ」や「ツキ」といった非科学的なオカルトは出てきません。かといって、目先の数字だけにこだわっているわけでも、短絡的な確率論だけを振りかざしているわけでもありません。読めば必ず役に立ち、成績が上がっていくであろうセオリーをできるだけ盛り込んだつもりです。それだけでなく、私が普段考えている様々なことをコラムとして多めに載せてみたので、それも読み物として楽しんでもらえたらと思います。

 私がデジタルを名乗って本を著すのは、これが最初で最後になるでしょう。

 

前書きでいきなりタイトルを全否定(゜Д゜)!!

まあこれが私の主張なんで仕方ないですなw

あとの内容はゼヒ購入して見てくださいね!

 

特に、第二章「麻雀はこんなゲーム」には

今までの常識とは違う見方・発見があると思いますよ。

「麻雀技術の教科書 効率的なアガリ方」が

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なんと、まったく打ち方の違う井出洋介と小林剛の

共著という不思議な戦術本。

でも、別々の二人が納得した内容のみ載せたという意味で

かえって説得力があるはず!!

 

それにしても戦術本の第一人者ともいえる井出洋介プロと

一緒に本を出せるなんて光栄なことですよね。

みなさんぜひお買い求めください!

少し遅れたけど最強戦2016の結果を。

 

 

まけました。。。

 

まあ自分らしく打てたと思うけど、

微妙だったのが南2局と南3局のポンテン判断。

南2局。

南3局。

ともにドラはなし。5巡目に打牌したところ。

南2局の両面、南3局のカンチャンとも、場況を見る限り

悪くはない。

私の判断は、南2局はポン、南3局は見送りだった。

南2局のほうは沢崎さんの親を落とし、1局進めるためのポン。

南3局は、すでに1人が苦しい点数で多少ゆっくりできるので

オーラスを楽に戦うための見送りだ。

 

結果は南2局は1000点のアガリ、

南3局は、すぐにカンを引いてリーチをかけるも

近藤千雄の追っかけリーチに放銃。

そのまま敗退となった。

 

素直に両方ポンすべきだったのか、それとも

両局とも見送りでもよかったのか、

今考えてもわからないなあ。

 

優勝は、この卓で勝ち上がった近藤千雄。

天鳳十段で攻撃的なことで有名だが、その攻め方は

棒攻めではなく、強い意志の込められたものだった。

南1局。

どうしても落とせない最後の親番。鳴いている2メンツは役牌。

つまりドラを切れば親マンのテンパイだが、

ここで選んだのは2枚切れののトイツ落とし。

決勝南2局。

鳴いている2メンツは、ダブ南とドラのポン。

親からリーチがかかっていて一刻の猶予もない状況。

だが、この手牌で、親からツモ切られたを見送った。

 

この切迫した状況で、待ちは苦しいとはいえマンガンの

テンパイを見送ったのである。

結果は2局ともすぐに十分形のテンパイを入れてツモアガリ。

 

さらに南3局では競っている多井の一人ノーテンを確信して

500オールをアガらずに、多井から1000オールをもぎ取る。

 

そのおかげでオーラスは7100点差となり

トップめの多井を前に出させ、

ドラをポンしてアガり切った。

大きなタイトルの決勝でこの判断。

自分にはできるかなあ。

 

ニコ生のタイムシフトは日曜まで。

決勝だけでなく予選も各卓面白かったけど

特に目を引いたのはB卓の角谷ヨウスケ。

見事な手順・仕掛け・押し引きをゼヒ見てください!