のせてみようかぁ
おはよう
昨日、落語会の控え室にお世話になっている社長さんが訪ねてきて下さいました
会話の途中で、僕も83歳だからさぁとおっしゃった瞬間、息をするのを忘れてしまいそうに
こちらの社長さんは、談志師匠の同級生なんですよ
昔、このブログに書いたと思いますが
まだ十代の師匠から、俺ひとりで小さんのところへ行くのはいやだから一緒に行って弟子入りしてくれよ、と頼まれた人物です
ということは、師匠がお元気なら今83歳かぁ
そう思ったら、なんとも言えない気持ちになってしまいました
ところで、師匠のお弟子さんである立川左談次兄さんが亡くなりましたね
僕が見習いで楽屋入りした頃、兄さんは立て前座
いつも陽気な方で、夜席の仲入り近くなると
そろそろ、のせてみようかぁと言いながら腹ペコの後輩たちにご馳走してくれるんですよ
俺は太鼓が苦手だからさぁ、着物は俺がたたむからアンちゃんが太鼓を叩いてよ
特別に下手なわけでもないのに、そう言って僕に太鼓の稽古をさせてくれたんですよね
空手の有段者だった兄さんは、酔っぱらうと電柱相手に飛び蹴りをするんですが、10センチ手前で落下してはよく怪我をしてました
落語もフラがあって面白いし、いつも明るく振る舞っておりましたが、基本的にはかなりシャイな方
独特の美学をもち正義感も強いので、気に入らないものに対しては短いワードで的確に斬り捨てる鋭いところもありました
兄さんと最後に会ったのはラジオの収録
ぜん馬さんと三人で談志師匠の思い出話をしたんですよねぇ
僕が久しぶりに会いたくなってオファーしたんですけど
やっぱり新人の時に優しくしてくれた先輩のことはずっと好きなものです
もちろん、その逆もありますけどね😁カハッ
兄さんを背負った才賀さんが踊る浪曲子守唄(テレビ用ではなく寄席バージョン)は、噺家の余興の中でもピカイチの面白さ
落語とは違う兄さんの顔芸と身のこなしは思い出すだけで笑えます
僕の頭の中にある、忘れられない噺家アルバムの中に、兄さんの写真が加わりました
さて
相変わらずはっきりしない天気ですが、本日はこれから昇太さんと二人会です
ゲストはカミナリさんだって楽しみだな~