『トルコ・チャイ』
~東西交差のお茶~
音楽が好きで、
エキゾチックなものが好きで、
ステレオタイプなトルコに憧れる。
そりゃ、イスタンブールにも行ったさ、
でもたかが観光客でしかなかったさ。
けど、惹かれるの、
「好き」としかいいようがないのさ、
飛んでイスタンブール~♪
飛んでいけるものなら、
今すぐ行ってみたいさ、イスタンブール!
イスタンブールに行ったのは
もう10年前にもなる。
とっぷり一昔前のことだけど、
あの街は私を呼んで仕方がない。
「なにが?」ときかれたら、
それは「あの街の音が」としか答えられない。
東と西の文化が交差する都市・イスタンブール。
喧噪の街・イスタンブール。
西洋の顔をした東洋の街・イスタンブール。
雑多に文明が入り交じるイスタンブール。
きっと。イスタンブールを旅したなら、
「座る椅子のない人種」はおそらく、
そこに自分に用意された椅子を見つけるだろう。
そこは、あらゆる文化と思想が行き交い、
通り過ぎる都市だから。
イスタンブールを語る時、
私は言葉とはなんと、浅はかな道具でしかないのだろうと、
呆れて、ただの「友人への手紙」しか書けなくなるのです。
観たくて観たくてたまらなかった映画を
ようやく観ました。
『クロッシング・ザ・ブリッジ』。
トルコの“今の音楽”を映像にした映画。
音楽と流浪の人生を愛する人に
お薦めしたい一編です。
この映画に6点は・・・
映画を愛する人には眉をひそめられるかも、ね。
でーも、私はねぇ、
映像がどうどか、脚本がどうとか、もうどうでもええのよ。
貴方が“音楽”を愛する人なら、
“表現する人”が留められている、
ただそれだけに心振るわせるでしょう。
トルコ。
東西だけでなく、イスラム=孤高を抱く人、
そして“人生”に囚われている人には
ぜひとも観てほしい一本です。
ここにはアラベスクも、ラップも、ロックも、スーフィーも、
それからクルドを始めとする疎外された人々も、
座れる椅子が必ずやあるでしょう。
私も同じ。恵まれている私ですが、何故か同じ。
トルコは今、
ヨーロッパの仲間入りをしようと、
躍起になっている。このことを念頭において、
元々“音楽”に興味ある方は観てみてください。
ただし映画好きの人には薦められない、な。
日本でもこういう映画、
できればいいのにな。
我が憧れのセザン・アクスの生歌を観られただけでも感涙。
日本でいうと、彼女は美空ひばり、
世界的にいうとマドンナというところでしょうか。
ひばりちゃんより優れているのが、
セザン・アクスが後進の育成にも力を注いでいるところ。
彼女の門下生のタルカンの活躍は
セザン・アクスの指導があればこそ、でしょう。
サントラ買いましたが、すんばらしい出来栄!
この映画に関して一言で表現せよと
圧力で命ざれたなら、私はこう答えよう、
「ボスポラス海峡の赤い夕日が全てです」。
*Home*
●『クロッシング・ザ・ブリッジ』公式サイト