007 カジノ・ロワイヤル |  ◆ R I N G O * H A N

 ◆ R I N G O * H A N

歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー


目から血を流すオッサンが良いわ~
ジェームス・ボンドより、
彼の単純バカっぷりに傾倒したワタシ。



これも『武士の一分』と同じく、
映画のチケットをいただかなかったら、
まず観に行かなかった。なぜならこれまで
『007』を観たことがなかったから。
「いつでも聴ける」
と放置していたビートルズ同様、
「いつでも観られる」
と縁巻きにしていた『007』。それが奇しくも
“007になる前のボンド”を描いている本作で
007デビューとなった、でも、うーん。。。
デビューはこれじゃない方がよかったナ。

たとえば主演が
ショーン・コネリーのシリーズ。
特に丹波哲郎 出演、ボンドガールが浜美枝 の
『007は二度死ぬ』だったら
まるっきりファンタジックに楽しめてヨカッタかも。

というのも、この『カジノ・ロワイヤル』、
もろ「9.11」以降のスパイ映画で、
ボンドと対する“悪”は、
今の世界情勢をきっかり取り込んである。

私は、
ある部分で とても頭が固いのだ。

なぜって、もう嫌だから。

ハエをはらうように殺し合ったり、裏切ったり、
テロ資金源を暴くための非情だったり、
アホか⋯と呆れて涙が出てしまう。
「007って、21作にもなるのに
 まだこんなレベルなの⋯?」。

“スパイごっこ”程度がベスト。
作り物っぽい匂いがプンとする方が、
私の場合は映画を絵空事として楽しめる。
苦手なのはリアルタイムの現実を切り取り、
作り手の好みで 面白可笑しく脚色したり演出したり、
そんな弄んだフィクションが私は苦手だ。

こんな気持とは裏腹に、
映画館へ行ったほとんどの人が『カジノ・ロワイヤル』を
たいくつすることなく楽しめる。私は
考えなくてもいいことを考えているにすぎない。
でも そういうオツムじゃないと、
5*SEASONという表現は成立しないからしょうがない。



★★★★★☆☆ 7点満点で5点
私の“好き度”でいうと ★★★3点だけど、
すごい。面白く出来てる。中でも
最初の海上空中で繰り広げられる際々のアクション、
あれを観ただけでも大満足で帰れる。
本物の生身のアクションはカッコイイです、
そもそも身体を張って なんぼの世界ですし。

が、私の場合は前半の体育会系の調子で、
「アクション・バカ」のまま突っ走ってくれた方が良かった。
豪華なカジノの場面も、ベニスのクライマックスも、
味方と敵が次々にスイッチ&チェンジするのも
ピリピリした空気が伝わって手に汗握るよう出来ている、
でも、『「9.11」以降』の影が やるせない。

誰が敵で、誰が味方なのか、
何を信じれば良いのか分からない。
ボンドの人間関係はスパイの冷徹さを充分に表してる、
ところが私も分からんかった。
飲み込みの悪いあたししゃ後半で、
「このオッサン、誰やねん」
と理解不能で頭 ボーーーーーーッ、
ハテナマークが飛び交い、あれよあれよとジ・エンド。

ラスト・カットがシャレてる。
けど、安もんの臭いがするのは何でやろ。
オープニングのアニメーションも安いし、
歌謡曲みたいなテーマ曲も安い、
ぜんぜん好きじゃない。

~新宿TOKYU MILANOにて観賞~






●映画『007/ カジノ・ロワイヤル』サイト